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デジタルヘルスプロフェッショナル概論 ―医療におけるデジタル人材のあり方と育成―
東京医療保健大学医療保健学部医療情報学科 (編) / 日本医学出版
商品情報
内容
【対象】情報システム分野に携わる方・興味関心がある方
序文
巻頭言
これからの医療は、デジタル技術があってこそ成立する。よって医療を支えるデジタル人材を育成することは、医療の基盤づくりに他ならない。このことは、東京医療保健大学が開学した2005 年からの一貫した考え方である。
もっとも医療におけるデジタル人材のあり方は、時代によって大きく変化する。また、水道や道路など社会のインフラを支える仕事がきわめて高い専門性を持ち、その専門性によって社会生活が維持されているにも関わらず、こうした人材のあり方が語られる機会は決して多くない。それは医療のデジタル人材についても同様である。
このことから、東京医療保健大学では2006 年に「医療情報コミュニケーター概論」(幸書房)を刊行した。当時は電子カルテシステムの導入などを通じて医療の質や効率性を高める期待が高まっていた時期であり、その期待や取り組みが初代学長である小林寬伊先生(故人)、および初代医療情報学科長である大久保憲先生(東京医療保健大学名誉教授、現:医療法人幸寿会 平岩病院 院長)による取りまとめのもと、医療界や産業界など多くの人によって語られていた。そこでの人材像は「医療と情報の繋ぎ手」であり、東京医療保健大学ではその人材を「医療情報コミュニケーター」と呼称し、15 年にわたって人材の輩出を行ってきた。
この間、電子カルテシステムの導入率はまだ半数程度にとどまっているものの、何らかの医療情報システムを導入して病院業務を行うことは当たり前になった。また、急性期病院の平均在院日数が大幅に短縮されるなど医療の形も大きく変化してきた。従って、「情報の繋ぎ手」としての役割を院内で果たすという形のみを取り上げるのではなく、生活に浸透した社会全体において、多様な働き方の中で医療におけるデジタル人材のあり方を共有していくことが時宜にかなった考え方であると確信する。こうした考えに沿って、医療情報学科では、本年度からカリキュラムの大幅な見直しを行ったが、その前提となる現状認識や将来展望、そして人材育成のあるべき姿をまとめたのが本書である。
医療も情報もさらに進化が加速化しており、本書にまとめた内容に満足することなく引き続き時代の要請にあった人材の育成を通じて、社会貢献してまいりたいと考えている。
東京医療保健大学 副学長/医療保健学部医療情報学科長 石原 照夫
目次
第1 章 医療を取り巻く環境の変化
1. 医学の進歩と医療の変化 石原照夫
2. 医療者と患者との関係性 駒崎俊剛
3. 医療制度の変化 柴野荘一
4. 病院を支えるヘルスケアビジネス 野村英雄
5. 臨床研究手法の進化:RCT とRWD 楠田佳緒
6. Society 5.0 と患者による意思決定の時代におけるヘルスケアシステムの方向性 石川雅俊
第2 章 情報技術の革新・変化
1. 通信技術の進化(3G、4G、そして5G へ) 杉田純一
2. コネクテッドデバイスとビッグデータ 安枝和哉
3. マルチメディアの進化 金澤功尚・山邉悠太
4. ビッグデータから知識創造へ 深澤弘美
5. 医療系大学で情報学を学び・研究する意味 今泉一哉
6. 一歩先の医療保健とデジタルトレンド- メタバースが変える新たな学びのカタチ 渡辺郁弥
7. IBM におけるヘルスケア・ライフサイエンスの取り組み 先崎心智
8. ヘルスケア分野におけるビッグデータの活用 福岡敬真
9. デジタルヘルスを支える情報セキュリティマインド 木村知史
第3 章 Society5.0 を支えるデジタルヘルス人材
1. 時代とともに進化する生活科学~家政学を系譜とするデータサイエンティストのあり方~ 瀬戸僚馬
2. 医療と情報を繋ぐ専門人材の育成プログラム 瀬戸僚馬
3. デジタル人材としてのビジネス人材像~経営情報学の視点から~ 岩上優美
4. Society5.0 におけるエンジニア像の進化 山本純一
5. Society5.0 と学び方の進化 大野博之
6. デジタルヘルスとICT リテラシー 新井崇博
第4 章 事例
1. 人工知能の医療応用~歴史と課題~ 津村 宏
2. 台湾の看護ケアにおける公衆衛生及び遠隔医療支援システム 劉 立
3. 地域に根差した医療を支えるICT システム 伊藤雅史
4. Society5.0 に向けたケアコムグループの取り組み 唐牛圭介
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書籍情報
- ISBN:9784865770636
- ページ数:198頁
- 書籍発行日:2115年6月
- 電子版発売日:2024年7月9日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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