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- 事例でまなぶ病院経営 中小病院事務長塾
商品情報
内容
本書は「中小病院の事務長のための書籍」です。人のマネジメント、課題解決の基本的な考え方、簡単な事例、厳しい経営環境の中で生き残るための現状の整理と考えるポイントをまとめました。経営戦略の一助、また後進育成にご活用ください。
【対象】病院事務長
序文
はじめに
一口に病院といっても規模や形態はさまざまであり、その経営課題も千差万別です。たとえば入院単価が低い、集患ができない、手術室の稼働をあげたい、人員の確保ができない、人件費率が高すぎる、コスト削減がうまくいかない…など、事務長が直面する課題は、病院によって大きく異なります。
組織の規模が大きければ、こうした課題への対応や、課題に対処できるような人材育成のための体制が整備されているでしょう。
たとえば、大病院では経営企画室のように課題解決を専任で担う事務職員を配置する、研修制度により未来の幹部候補を計画的に育成していくなどは当たり前のことです。突発的なトラブルに対しても、規模を活かして経験値・ノウハウを蓄積することで、対応フローがある程度構築されています。経営基盤がしっかりしているため、場合によってはコンサルティング会社に委託して改善提案を受けることもできるでしょう。このように、理事長や院長をサポートするための選択肢は比較的多いといえます。
しかしながら、中小病院ではそういった選択肢が非常に少ないです。そもそも、200床未満の病院では、医事課職員が4 ~ 10名程度、総務課職員が3 ~ 8名もいれば多いほうではないでしょうか。限られたマンパワーで病院の課題を見定め、改善策の検討・提案・実行まで担うのは非常に困難です。研修などの教育機会も十分とはいえないでしょう。一方で、トラブルに柔軟に対応できるほどの経験値をもった職員は多くありません。経験を積もうにもトラブルの頻度が少ないため、なかなかノウハウが蓄積されていかないというもどかしさもあります。外部委託の場合も、一つの改善に対するコストが大病院に比べて高くなってしまい、支払う金額と結果が見合わない、というケースが多いのではないでしょうか。
前提として、病院事務職という存在はこれまで医療機関の中であまり重視されてきませんでした。病院組織には有資格者を中心としたヒエラルキーが根付いており、事務職の発言力はあまり強くありません。中には、事務職をコストとしか捉えておらず、いかに低い給与で雇用し少ない人員でやりくりするか、という視点の経営者もいます。そうした組織では、研修はおろか扱いも決してよいものではなく職員のモチベーションが下がっていきます。このような環境では良い人材が育つわけがありません。
しかしながら、昨今は病院経営を取り巻く環境がますます厳しくなっています。もはや、単純に来る患者を受け入れ、自由に医療提供すれば経営が成り立つという時代ではありません。複雑な医療制度や診療報酬を理解し時代の流れを読みながら、戦略的に病院経営のかじ取りをしていかなければなりません。このため、病院事務職に求められる役割はとても大きくなっており、今後ますます病院事務職の存在が重要なものになっていくことは間違いないでしょう。
本書は、筆者らのこれまでの経験・反省をもとに、「中小病院の事務長のための書籍」としてまとめあげたものです。日々の業務・実務を行うに当たって、“ここだけは押さえておくべき”という点にフォーカスを当てました。中でも、人のマネジメントは経験値によるところが大きく、頭を抱えることが多い問題ですので重点的に記載しています。
ただし、課題に対する解決策は一つではありません。そのため、本書では課題解決の基本的な考え方に加え、簡単な事例(ケース)を掲載しています。事例をもとに実践のイメージをより持っていただき、自分なりの解決策を考えるためのトレーニングとしてご活用いただければと思います。
(事例に出てくる登場人物・病院などは実在するものと一切関係ありません。)また、後半では中小病院の経営環境が厳しくなっていく中で、現状の整理と生き残るための術を考えるためのポイントをまとめました。中小病院にとって、今後の経営戦略の選択肢はそれほど多くはありませんので、難しい書籍を読み、経営のスペシャリストになる必要はありません。いくつかのポイントを踏まえて、客観的にどの戦略をとるかの選択ができれば十分です。大きな方向性さえ間違っていなければ、細かい数値の検討は後からでも構いません。肝心なのは、大きな流れをみ、自院が置かれている状況を把握し、意思決定をすることです。
本書を貴院の意思決定を進めるための一助として、また事務長としての基本的な考え方の形成・後進育成のためにご活用いただければ幸いです。
2021年4月
加藤 隆之
池田 幸一
目次
1章 中小病院における事務長の役割
1-1 病院事務長について
1-2 院長、看護部長、事務長の役割は?
1-3 理事長に求められる事務長とは?
2章 事例でまなぶ 中小病院事務長塾
2-1 組織管理
1 組織図
2 就業規則
3 管理職教育
4 会議
5 決裁
6 経営企画
7 医事課
2-2 労務管理
1 評価
2 モチベーション
3 昇進昇格
4 退職
5 休暇
6 職員への対応
7 問題職員への対応
8 職員の定着
2-3 人材採用
1 採用 医師(紹介会社)
2 採用 医師(医局)
3 採用 コメディカル
4 採用 パート
2-4 その他
1 購買
2 業者とのかかわり方1
3 業者とのかかわり方2
4 医療過誤
5 適時調査
6 財務管理
3章 中小病院が置かれている外部環境とこれからの生き残り戦略
3-1 日本の人口動態と社会保障給付費の推移
3-2 医療政策のこれまでとこれから
3-3 中小病院におけるこれからの生き残り戦略
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書籍情報
- ISBN:9784865770469
- ページ数:108頁
- 書籍発行日:2064年9月
- 電子版発売日:2024年7月9日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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