- m3.com 電子書籍
- 改訂2版 新生児の心エコー入門
商品情報
内容
序文
緒言
本書の初版は、新型コロナウイルス感染症が流行しはじめた2020年に、医師生活の中心として取り組んできた「心エコー検査を活用したNICU循環管理」の経験や知識を一冊にまとめさせていただいたものです。初版の出版後に、予想を大きく超えるたくさんの方からご感想をいただき、反響の大きさを実感しました。当院にやってくる研修医や国内留学の先生たちが読み込んでいる光景を見て嬉しく感じ、全国各地のNICUで頑張る先生方を応援できていたら本望に思えました。NICUで働く医師のみならず、小児や成人の循環器診療に関わる医療者の皆さまからもたくさんのご感想をいただきました。この本が新生児医療、先天性心疾患や3次元心エコーに基づく機能評価に興味を持ち合うきっかけの一つとなれば、この本のタイトルに込めた願いが実現に向かっていることを感じます。
改訂版も、初版と同様に、全ページ、1人で執筆しています。自分の経験のないことは書かず、今回も私見をまとめた本です。1人で書くからこそ言及できることもあると思って誤解を怖れ過ぎずに、神奈川県立こども医療センターで後輩世代に伝えているようなことを述べさせてもらいました。読者の皆さまには、リテラシーを持ってお読みいただけたらと願っています。
初版の出版は、自分にとっても、頭の中で考えてきたことを整理する機会でした。課題や未来へ向けて取り組みたいことを明確にしていただき、コロナ禍でNICUにいる時間が長かった時期に、診療や研究で初版の先を考え続けていました。改訂版では、初版出版後にいただいたさまざまなご意見を踏まえて記述を修正・変更したり、初版出版からの4年間に取り組んだこと、研究発表した内容などを追加しました。また、この4年間の心エコー検査で大切に思えた50動画を新たに追加しました。さらに、Pediatric Research誌に掲載された3次元心エコー検査による先天性横隔膜ヘルニアや未熟児動脈管開存症の心機能評価に関する研究を含めて、神奈川県立こども医療センターで後輩世代の先生たちと共に報告した研究による新たな知見やその活用法などについて追加しています。動画の視聴方法も前回と変えて、QRコードを各画像に配置して、NICUで診療しながらでも動画を視聴できるように改良しました。
本書では、心エコー検査における形態診断と機能評価の基本から応用までを網羅し、医療現場で心エコー検査の興味深さを感じながら、それぞれの段階から技術習得を目指すための考え方やコツをお伝えすることを目指しています。スペックルトラッキング法によるストレインや3次元心エコー検査などの世界的な成人・小児循環器学の診療ガイドラインで推奨度の高い検査とされているものの、実際の医療現場では普及途上の検査法についても、新生児医療での活用法を伝えています。
肉眼では気づけないことも心エコー検査を使うことで気づくことができます。超音波検査はヒトの可能性を高められると期待して、日進月歩の科学技術の進化をより良く診療に活かせる医療者を皆で目指せたらと願っています。
5年先、10年先、未来の新生児・小児・成人の心エコー検査に基づく循環管理をイメージしていただきながら、診療に楽しさや自信を持って取り組める一助になれば幸いです。『竜馬がゆく』の連載執筆の中で、鈴ノ木ユウ先生が描いてくださった表紙のように、全国のNICUでエコーを囲んで赤ちゃんたちのために、よく診て、よく語り合う診療の光景が増えることを夢見ています。
2024年6月
豊島勝昭
目次
【ChapterⅠ 新生児心エコーことはじめ】
1 新生児の循環生理
2 心エコー検査前に確認しておくべき循環症状
3 エコー検査実施前の環境整備とエコーの基本
【ChapterⅡ 形態の観察】
1 四腔断面
2 五腔断面
3 二腔断面
4 短軸断面
5 長軸断面
6 大動脈弓断面
7 剣状突起下断面
8 右胸壁アプローチ
【ChapterⅢ 機能の評価】
1 心機能評価
2 内大脳静脈血流波形の揺らぎ
3 臓器血流の評価
4 2次元スペックルトラッキング法
5 3次元エコー
【ChapterⅣ 生後早期の適応障害と先天性心疾患】
1 未熟児動脈管開存症(未熟児PDA)
2 生後早期の早産児循環不全(Stress-Velocity関係の活用法)
3 新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)
4 新生児遷延性肺高血圧症と鑑別すべき心疾患
5 重症先天性心疾患の胎児診断
6 総肺静脈還流異常症(TAPVC)
7 完全大血管転位症(TGA)
8 動脈管依存性先天性心疾患
9 心室中隔に欠損孔がある心疾患
10 双胎間輸血症候群(TTTS)
11 新生児慢性肺疾患に合併した肺高血圧症(CLD-PH)
【ChapterⅤ 循環作動薬の使い方】
・索引
・WEB動画の視聴方法
・著者略歴
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:309.4MB以上(インストール時:627.5MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:1.2GB以上
-
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:309.4MB以上(インストール時:627.5MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:1.2GB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784840485067
- ページ数:384頁
- 書籍発行日:2024年7月
- 電子版発売日:2024年9月3日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。
※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。