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  • 叢状神経線維腫―悪性末梢神経鞘腫瘍 診療ガイドライン
  • ページ数 : 58頁
  • 書籍発行日 : 2024年6月
  • 電子版発売日 : 2024年7月18日
3,850
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商品情報

内容

本邦初!! NF1患者におけるPNとMPNSTの診療に特化した診療ガイドラインです。

2022年11月より保険適用となったNF1に対する初の治療薬となるMEK阻害剤であるSelumetinibの適切な使用のための確かな情報もお届けします。
関連する医療従事者、患者・ご家族の方々は是非、ご参考にしてください。

序文

序文

神経線維腫症1 型(Neurofibromatosis Type 1:NF1)はレックリングハウゼン病とも呼ばれる常染色体顕性の遺伝性疾患である。カフェ・オ・レ斑と神経線維腫を主徴とするが,他にも骨病変・眼病変・発達障害を含めて多彩な症状,症候,疾患を生ずる可能性がある。患者・家族は生じた症状によって各科を受診するが,診療科横断的に対応する医療施設がきわめて少ないことから,多様な病変に対して適切な診療を受けにくいことが問題であった。

疾患の原因となるNF1 遺伝子は腫瘍抑制遺伝子であり,この不活化により様々な腫瘍が発生する。したがってNF1 は遺伝性腫瘍症候群の1 つであることを念頭に診療する必要がある。NF1 患者に発症する腫瘍の中でも特に頻度が高く,患者のADL/QOL を下げ,また生命予後に関与するのはそれぞれ叢状神経線維腫(PlexiformNeurofibroma:PN)と悪性末梢神経鞘腫瘍(Malignant Peripheral Nerve SheathTumor:MPNST)である。現状,MPNST は手術による完全切除が治癒を得るための唯一の治療とされる予後不良な悪性腫瘍である。PN は発症する部位や受診時の年齢により,様々な科の医師が診療する可能性があり,また,MPNST に悪性転化する可能性がある。そのため,PN とMPNST に対しては診療科横断的な情報共有や,患者・家族への適切な情報発信,啓発活動が重要となる。

このような背景から,NF1 患者において発症する各種症候・病変の中で,特にPNとMPNST に対する診療ガイドラインの策定が重要であると考えた。折しも,NF1に対する初の治療薬となるMEK 阻害剤であるSelumetinib が,3 〜18 歳の手術治療困難な症候性のPN に対して保険適用となり,2022 年11 月より使用可能となった。待望の薬剤であることに異論はないが,適切な使用のためには適応を含めて確かな情報を共有することが喫緊の課題である。

本診療ガイドラインは,日本レックリングハウゼン病学会が中心となり,PN とMPNST を診療する可能性のある関連諸学会のご支援のもとに策定された。また,PPI(Patient and Public Involvement)の考え方に基づき,作成委員にはNF1 患者にも加わっていただいた。作成は,『Minds 診療ガイドライン作成マニュアル2020ver.3.0』に準じてGRADE(The Grading of Recommendations, Assessment, Developmentand Evaluation)のアプローチで実施された。

NF1 患者におけるPN とMPNST の診療に関する初の診療ガイドラインであり,関連する医療関係者,患者・ご家族には是非参考にしていただきたい。


叢状神経線維腫―悪性末梢神経鞘腫瘍診療ガイドライン
統括委員長 西田 佳弘

目次

ガイドラインサマリー

(1)CQ・BQ・FRQ 一覧2

(2)重要用語の定義3

(3)略語一覧5

(4)作成組織・作成主体6

(5)スコープ15

CQ・BQ・FRQ

BQ1 神経線維腫症1 型を有する患者および家族に対する遺伝カウンセリングは有用か?

CQ2 叢状神経線維腫のスクリーニングにWhole Body MRI は有用か?

CQ3 症候性の叢状神経線維腫に手術治療は有用か?

CQ4 手術不能,症候性の叢状神経線維腫に分子標的薬は有用か?

FRQ5 神経線維腫症1 型患者において悪性末梢神経鞘腫瘍発症の早期発見のために臨床症状を啓発することは有用か?

CQ6 叢状神経線維腫の悪性化評価に画像検査は有用か?

FRQ7 叢状神経線維腫の診療に多科・多職種連携は有用か?

CQ8 叢状神経線維腫の悪性化評価に病理診断は有用か?

CQ9 進行期悪性末梢神経鞘腫瘍に薬物治療は有用か?

CQ10 転移のない,切除不能原発性悪性末梢神経鞘腫瘍に粒子線治療は有用か?


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書籍情報

  • ISBN:9784865175912
  • ページ数:58頁
  • 書籍発行日:2024年6月
  • 電子版発売日:2024年7月18日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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