CGMによる最新血糖値管理とインスリン療法

  • ページ数 : 216頁
  • 書籍発行日 : 2024年8月
  • 電子版発売日 : 2024年8月6日
5,720
(税込)
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商品情報

内容

フ近年普及が進むCGMの具体的な導入方法がわかる!

2022年の診療報酬改定でCGMが適用となる患者の範囲が拡がり、治療に導入されることが増えてきています。
本書では機器の説明・使用方法などの基礎事項から、それを使うことでの「血糖値管理」「患者への指導方法」まで含め、実症例を交えて解説しました。

序文

本書の刊行にあたって

持続血糖測定器(continuous glucose monitoring:CGM)がわが国で保険適応となってから15年が経過しました。その間,CGM機器の進歩は目覚ましく,数年ごとに新しい機能を備えた製品が登場し続けています。また,保険適用範囲もしだいに拡大し,今では多くの人の糖尿病ケアに活用されるようになってきました。過去半世紀の糖尿病診療における最大のイノベーションはHbA1cの導入です。1970年代に保険適用となったHbA1cが糖尿病診療の主要な目標を急性合併症の予防から慢性合併症の予防に変えたといっても過言ではありません。現在使用されている多種多様な糖尿病治療薬もHbA1cという優れたバイオマーカーがあってこそ開発できたと言えます。とはいえ,HbA1cにも欠点や限界はあり,CGMの登場は今までHbA1cでは見えなかったものを見せてくれるようになりました。24時間を通してグルコース値の推移をモニターすることで, 来院時の検査や自己血糖測定だけではわからなかった高血糖や低血糖が把握できます。血糖推移の把握は薬剤の用法・用量の最適化に役立つだけでなく,日々の生活と血糖の関係についての理解を深め,ケアを受ける人自身がより良い行動をとることにもつながります。

CGMから得られる様々な指標も日々のケアに用いられています。推定HbA1cやGMI(glucose monitoring indicator),平均グルコース値などは,赤血赤の寿命変化などにより血糖とHbA1cの関係性が変化した場合の血糖マネジメントに役立ちます。「血糖の変動の大きさ」は「血糖の高さ・低さ」から独立して糖尿病合併症の進展要因であることがわかってきましたが, 最近広く用いられるCGM指標であるTIR(time inrange)は 血糖の高さ・低さと変動の大きさの両者に影響されることは重要です。また,リアルタイムCGMとの連動により, インスリンポンプ療法は人工臓器と呼んでよいレベルに達しています。

本書は,糖尿病のケアにCGMを役立てて頂くことをめざし,わが国で最もCGMに造詣の深い先生方に執筆を依頼しました。CGMについての包括的な知識について記すだけでなく, 様々な診療場面での実際の活用法についてもページを割いて頂きました。初めてCGMを用いる医師,医療スタッフの方々にも役立つよう,内容の分かりやすさには特に気を配り,実際の使用例も多く紹介しています。執筆者の皆様の工夫と努力により,類書に例を見ない実践的なCGM診療の教科書になったと思います。また,出版社のご尽力によって美しく読みやすい本に仕上がりました。本書がCGMを用いたより良い糖尿病ケアの実践を目指される多くの医療者のお役に立つことを祈念しています。


2024年7月

編者を代表して 小川 渉

目次

第1章 CGM総論

1 CGMの臨床的意義 廣田勇士

2 プロフェッショナルCGMとは 中島健一 綿田裕孝

3 間歇スキャン式CGM(isCGM)とは 大野隆行 菅沼由佳 西村理明

4 リアルタイムCGM(rtCGM)とは 三浦順之助

5 CGMの保険適用 及川洋一 島田 朗

第2章 CGMを用いる際に知っておくべき基本的事項

1 CGMのデータマネジメントツール 前田泰孝

2 AGPとは 利根淳仁

3 CGM指標とは 浦上達彦

4 CGMの干渉物質,皮膚トラブルとその対応 宮 愛香

第3章 CGMの活用:どんな人に使用するのが良いのか

1 プロフェッショナルCGM(検査)  鳥本桂一 岡田洋右

2 BOTにおけるCGM(治療)  松久宗英

3 2型糖尿病のMDIにおけるCGM(治療)  廣田勇士 山本あかね

4 1型糖尿病におけるCGM(治療)  加藤 研

5 インスリンポンプにおけるCGM(isCGM,rtCGM,SAP)活用 黒田暁生

6 妊娠中(妊娠糖尿病,2型糖尿病合併妊娠)のCGM活用 楠 宜樹 北風匠一 大東真菜

7 妊娠中(1型糖尿病合併妊娠)のCGM活用─ SAPからAIDシステムへ 小谷紀子

8 小児におけるCGMの運用 川村智行

9 透析患者におけるCGM活用─isCGM,rtCGM  豊田雅夫

10 高齢者におけるCGM活用(家族サポートも含め)  橋本尚子

11 低血糖時のCGM活用(低血糖予防)  村田 敬

12 高血糖時のCGM活用 伊藤 新

13 運動時のCGM活用神 内謙至

14 シックデイ時のCGM活用 北澤 勝

15 ステロイド使用中におけるCGM活用 芳野 啓 廣田勇士 小川 渉

16 COVID-19入院中のCGM活用 山﨑真裕

17 カーボカウント支援におけるCGM活用 山本育子

18 CGMを活かすチーム医療 小出景子

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書籍情報

  • ISBN:9784784924974
  • ページ数:216頁
  • 書籍発行日:2024年8月
  • 電子版発売日:2024年8月6日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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