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- 眼でみる実践心臓リハビリテーション 改訂5版
商品情報
内容
最も効果的で安全な,施設で行う包括的な心臓リハビリテーションを具体的・体系的に学べる必読書が,約90ページ増の充実内容でますます役立つ1冊になりました!離床訓練だけではない運動療法や、患者教育・生活習慣の改善などによって心臓病からの回復と再発予防をかなえる包括的心臓リハビリテーションが心疾患の治療そのものであり,心疾患治療・管理の中心の1つになっています. 遠隔心臓リハビリテーションやクリニックでのリハビリ,外来・入院それぞれの方法など必須知識をわかりやすくまとめた,間違いない1冊です.
序文
改訂5 版の序
心臓リハビリテーションが心筋梗塞患者の社会復帰のための手段であった時代に本書の初版は執筆されました.当時,すでに,治療法が進歩し,また,冠危険因子や動脈硬化の病態が解明され始めており,離床訓練だけではない運動療法や,患者教育・生活習慣の改善などによって心臓病からの回復と再発予防をおこなうことが心臓リハビリテーションであると,欧米ではそのころ考えられ始めていました.そのことを日本でも普及させたいと思って本書を執筆しました.お陰様で多くの方の賛同が得られ,多数の施設で勉強の道具として活用して頂きました.
その後,包括的心臓リハビリテーションが心疾患の治療そのものであることが理解され,心臓リハビリテーションの立ち位置が,心疾患治療・管理の中心に近づいてきました.また,2000 年代に入ると,心不全が対象疾患に加わり,さらに高齢心不全が増加するにつれて,心臓リハビリテーションの意義と実施法が多彩になってきました.患者さんそれぞれの治療目的や身体状況が異なることを勘案して,個別化された心臓リハビリテーションが必要になるとともに,心臓リハビリテーションセンターにおける集団心臓リハビリテーションの限界が明らかになり,現在は,患者さんそれぞれのメニューに基づいた自宅での心臓リハビリテーション実施法が模索されている状況です.
本書は,センターで行う包括的な心臓リハビリテーションが,現状ではいまだに最も安全で効果的なものであると考え,院内で実施している心臓リハビリテーションの実施法と有効性につき解説しました.この内容は遠隔心臓リハビリテーションやAI による心臓リハビリテーションの時代になっても基本として重要なものです.本書を読むことによって,進歩し続ける心臓リハビリテーションのなかで,押さえておくべき心臓リハビリテーションの基本を理解して頂ければ幸甚です.
2024年8月
群馬県立心臓血管センター
安達 仁
目次
1 心臓リハビリテーション概説<安達 仁>
■目的と方法
A.心臓リハビリテーションのはじまり
B.心臓リハビリテーションの対象疾患と目的
C.心臓リハビリテーション実施時期
D.心臓リハビリテーション実施内容
2 心臓リハビリテーション開始準備
A.心リハセンターでの心臓リハビリテーション(1)<生須 義久>
1.心臓リハビリテーション関連の保険制度
2.必要なスタッフと施設・設備
3.実施時に必要な書類
B.心リハセンターでの心臓リハビリテーション(2)<鳥越 和哉>
1.プログラムの概観(急性期から維持期の連続性)
2.スタッフ教育システム
3 入院中の心臓リハビリテーション
A.当院ICUでの早期・急性期心臓リハビリテーション<中野 晴恵>
1.ICUでの早期・急性期心臓リハビリテーション
2.当院での実施対象患者
3.介入前の情報収集
4.介入前の事前調整
5.状況別の当院でのリハビリテーションの目的と内容
6.病態ごとの当院での対応
B.入院中の看護師による心臓リハビリテーション<吉田 知香子>
1.いつだれがデータを記録し,教育するのか
2.どの看護師でも教育できるようにする工夫
3.経皮的冠動脈形成術(PCI)による血流改善は急性冠症候群(ACS)発症予防にはならない
4.今まで一度も胸痛がなくてもACSが発症しうることの説明
5.入院中の心臓リハビリテーション
4 外来心臓リハビリテーション<安達 仁 風間 寛子>
■外来心臓リハビリテーションの骨格
A.外来心臓リハビリテーションの意義
B.プログラム構成
1.外来心臓リハビリテーションへの移行に向けた入院中からの関わり
2.外来心リハの実際
C.循環器医もコメディカルスタッフも少ない場合の外来心臓リハビリテーションの始め方
D.心筋梗塞患者における心臓リハビリテーションの単位算定
5 運動処方
A.有酸素運動と抵抗運動の効果<星野 圭治>
1.レジスタンストレーニングについて
2.両者の比較
3.疾患毎のレジスタンストレーニング
B.「中等度の運動」を超えた場合の生体の変化<安達 仁>
1.生体の変化を知っておくべき理由
2.自律神経
3.心拍数
4.血圧
5.心拍出量
6.血流分配
7.心内圧
8.呼吸様式
C.AT決定法<安達 仁>
1.定義
2.AT決定法
D.その他の運動処方<星野 圭治>
1.心拍数を用いた運動処方(心拍処方)
2.自覚症状による処方
3.トークテスト
4.簡易心拍処方
E.疾患別の運動処方の考え方<安達 仁>
6 運動療法
A.有酸素運動<服部 将也>
1.運動の頻度
2.運動の強度
3.運動の時間と量
4.運動の種類
B.抵抗運動<服部 将也>
1.トレーニングの禁忌と導入時期
2.トレーニングの強度と頻度
3.トレーニングの進め方
4.筋の収縮様式と方法
5.トレーニングの種類と時間
6.トレーニングにおける注意点
C.高強度インターバルトレーニング<猪熊 正美>
D.エキセントリックトレーニング<風間 寛子>
E.その他の運動療法<猪熊 正美>
1.神経筋電気刺激療法
F.呼吸筋トレーニング<服部 将也>
1.心不全における吸気筋力と測定方法
2.心不全における吸気筋力と運動耐容能,IMTの関係
3.IMTの安全性
4.IMTの方法
G.運動療法の合併症・危険性<星野 圭治>
1.虚血性心疾患
2.不整脈
3.低血糖
4.動脈瘤破裂
5.肺塞栓
6.対策
7 開心術後
A.術式<星野 丈二>
1.術式による違い
2.人工弁(生体弁,機械弁)による違い
3.創の位置による違い
B.心臓リハビリテーション<中野 晴恵>
8 TAVI, MitraClip
A.術式<河口 廉>
1.経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)の術式
2.経皮的僧帽弁接合不全修復術(MitraClip)の術式
B.心臓リハビリテーション<中野 晴恵>
1.TAVIに対する心臓リハビリテーション
2.MitraClipに対する心臓リハビリテーション
9 デバイス
A.手技・種類・設定<白石 裕一>
1.ペースメーカ
2.植込み型除細動器(ICD)
3.心臓再同期療法(CRT),除細動機能付き両心室ペースメーカ(CRTD)
4.着用型自動除細動器(WCD)
5.皮下植込み型除細動器(S-ICD)
6.リードレスペースメーカ
7.デバイス植込み患者における運動療法,運動負荷試験における注意点
8.確認しておきたい設定
9.覚えておきたい設定
B.心臓リハビリテーション<山下 遊平>
1.介入前の情報収集
2.当院でのデバイス植込み後心臓リハビリテーションの実際
10 大血管疾患
A.術式<星野 丈二>
1.大動脈基部置換術(Bentall法,David法,Yacoub法)
2.胸部大動脈置換術
3.胸腹部大動脈置換術
4.腹部大動脈置換術
B.心臓リハビリテーション<中野 晴恵>
1.EVAR/TEVARに対する心臓リハビリテーション
2.開腹・開胸手術に対する心臓リハビリテーション
3.保存療法
11 心不全
A.心不全の病態<星野 圭治>
1.心臓機能障害
2.心不全のEFによる分類
3.左室充満圧
4.自律神経活性
5.血管拡張能・血管内皮細胞機能
6.骨格筋機能
7.換気応答
8.慢性心不全の発症様式
9.心不全患者の体重変化
B.心臓リハビリテーションの効果<安達 仁>
1.心機能不全と心不全
2.心機能への効果
3.不整脈への効果
4.自律神経への効果
5.血管への効果
6.骨格筋への効果
7.炎症・活性酸素種への効果
8.腎機能への効果
9.呼吸パターンへの効果
10.予後改善効果・再入院予防効果
C.心臓リハビリテーションの実際<風間 寛子>
1.前期回復期
2.後期回復期
12 労作性狭心症・INOCA(虚血性非閉塞性冠疾患)
A.労作性狭心症の病態と治療<安達 仁>
1.CCSとACS
2.CCSの治療目標
3.CCSにおける心臓リハビリテーションの効果
4.PCIが成功した症例での心臓リハビリテーションの必要性
5.PCIと比較した予後改善効果
6.初期治療として心臓リハビリテーションを薦める理由
7.心臓リハビリテーションスタッフの心構え
8.PCI未実施時の心臓リハビリテーションの実際
9.PCI後の心臓リハビリテーション
B.INOCA(虚血性非閉塞性冠疾患)<安達 仁>
1.INOCAの病態と治療ターゲット
2.CMDの病因
3.EDHFと心臓リハビリテーション
4.Rho kinaseと心臓リハビリテーション
5.冠危険因子・炎症・自律神経活性と心臓リハビリテーション
13 ACS<安達 仁>
■急性冠症候群
A.ACSの病態と合併症
1.ACS―予後と心臓リハビリテーションの必要性―
2.ACSの合併症
B.心臓リハビリテーション
1.ACS再発予防のための心臓リハビリテーション
2.心不全発症予防のための心臓リハビリテーション
3.不整脈予防のための心臓リハビリテーション
14 冠危険因子
A.肥満<安達 仁>
1.メタボリックシンドローム
2.肥満とは
3.目標体重
4.食事療法
5.認知行動療法,レコーディングダイエット
6.運動療法
B.糖代謝異常<安達 仁>
1.糖代謝異常の時期別分類と心疾患に及ぼす影響
2.糖尿病のコントロール目標
3.75 g OGTTの読み方
4.CGMからわかること
5.食事療法
6.運動療法
C.脂質異常症<星野 圭治>
1.脂質代謝異常評価法
2.動脈硬化ガイドライン2022年版による脂質目標値の設定法
3.食事療法
4.運動療法
5.生活習慣改善のまとめ
D.高血圧<安達 仁>
1.減塩・アルコール制限
2.減量
3.運動療法
E.高尿酸血症<安達 仁>
1.尿酸の代謝
2.高尿酸血症の疾患への影響
3.尿酸の多い食品
4.運動と尿酸
5.生活指導
F.遺伝<安達 仁>
1.虚血性心疾患と遺伝
2.遺伝子情報の修飾
3.老化遺伝子
4.遺伝要因と環境要因
G.喫煙<星野 圭治>
1.喫煙の健康への悪影響
2.禁煙指導方法
3.禁煙補助剤と禁煙治療
4.禁煙がうまくいかない場合のこと
5.新型タバコについて
H.ストレス<安達 仁>
1.ストレスと心疾患
2.ストレスと精神心理的変化
3.精神心理状態評価法
4.ストレス 抑うつ対処法
I.睡眠<安達 仁>
1.正常な睡眠
2.睡眠障害の種類と悪影響
15 成人先天性心疾患
A.概説<星野 圭治>
1.疫学
2.成人先天性心疾患患者の増加に関して
3.移行期医療
4.一般の循環器内科医のかかわり
5.心臓リハビリテーションの重要性
6.当院での診療態勢
7.ACP(アドバンス・ケア・プランニング)について
B.心臓リハビリテーション<鳥越 和哉>
1.ACDH患者の心臓リハ介入する際の注意すべき点
16 フレイル
A.運動療法<猪熊 正美>
B.誤嚥予防<山下 遊平>
1.オーラルフレイル
2.当院での摂食嚥下機能評価の方法
3.誤嚥予防のためのリハビリテーションの実際
17 栄養指導<滝沢 雅代>
■栄養指導の目的
A.生活習慣病に対する栄養管理
1.心血管疾患
2.病態別栄養管理
B.低栄養に対する栄養強化
1.高齢心不全患者(腎機能低下がない患者)
2.サルコペニア,フレイルを合併した慢性腎臓病(CKD)を有する患者
3.急性期の心不全管理
C.栄養指導の実際
1.個別栄養指導の流れ
2.集団指導(減塩教室)
18 患者教育
A.看護師による患者教育<吉田 知香子>
1.情報収集と初期評価
2.理解度チェック表
3.セルフモニタリング用紙
4.心臓病教室
5.どのくらいの頻度で面談するか
6.担当者が変わっても同じ質の面談をするための工夫
7.患者の性格・行動変容させるコツ
8.ストレスと精神的サポート
9.外来心臓リハビリテーションからの離脱を防ぐ
10.多職種との連携
11.社会資源の活用
12.疾患別の指導ポイント
13.冠危険因子の教育内容
B.生活活動に関する患者教育<?柳 麻由美>
1.身体活動とは
2.身体活動量の目安
3.生活活動の中で身体活動量を増やす工夫
4.行動記録表の活用
C.林ハートクリニックでの患者教育方法<道家 智恵>
1.コンプライアンスvs. アドヒアランス
2.アドコン6分類
3.アドコン6分類別の特徴を知らずに患者教育を行った場合
4.アドコン6分類別の特徴を活かした患者教育
5.アドコン6分類を活用するための課題
19 健康増進
A.健康増進プログラム ヘルスアップ教室<園城 朋子>
1.概要
2.申し込み
3.トレッドミル運動負荷試験によるスクリーニング
4.実践内容
5.生活記録
6.効果・成果
B.健康増進プログラム 運動継続コース<園城 朋子>
1.概要
2.参加への流れ
3.運動強度と体調管理
4.参加頻度とタイムテーブル
5.運動継続のサポート
C.クリニックでの運動療法<森下 好美>
1.生涯継続をサポート
2.メディカルフィットネスとの連携
3.Well—being(ウェルビーイング)
20 クリニックでの心臓リハビリテーション
A.モデル1 林ハートクリニック<林 宏憲>
1.外来心臓リハビリテーションクリニック新規設立までの経緯
2.コロナ禍における予後短縮への影響(CPXによる検討)
3.林ハートクリニックの外来心リハプログラム
4.心不全進展ステージと病みの軌跡の編み治し
5.13年間の外来心リハ効果について(CPXによる解析)
6.今後の目指す方向性
B.モデル2 櫻井医院<櫻井 繁樹>
1.概要
2.6か月心臓リハビリテーションプログラム
3.心リハプログラム:エントリーの流れ
4.心リハプログラム:終了時の流れ
5.心リハセッションについて
6.カンファレンス
7.ITの活用
8.一次予防
21 遠隔医療<安達 仁>
■過去と現実
A.外来心臓リハビリテーションの利点と欠点
B.スタンフォード大学のtelemedicine―MULTIFIT clinical trial―
C.遠隔医療でできること
D.現状
E.当院の試み
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書籍情報
- ISBN:9784498067486
- ページ数:448頁
- 書籍発行日:2024年9月
- 電子版発売日:2024年9月27日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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