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- 看護学生してはいけないケースファイル 改訂2版 臨地実習禁忌集
商品情報
内容
看護学生の臨地実習で起こる禁忌事例を「〇〇はしてはいけない」という視点で、簡潔に、根拠を明確に示しながら解説した一冊。「患者さんとの接し方」「個人情報保護」「医療安全」「感染予防」「ハラスメント」と大きく5つのカテゴリに分け、学生が日常よく遭遇する事例や、臨地実習で実際に起こった事例に比重をおき、その解決策を提示する。改訂版では、看護現場をとりまく法律の改正や、また、SNSに関するトラブルやハラスメントなど、最新の内容を盛り込み、現在の学習・臨床現場に対応した。また、本書のQRコードからは、本書の内容を基にした別売りの映像教材「看護学生してはいけないケースファイル 臨地実習禁忌集」からピックアップしたショートドラマが視聴可能。映像を通じて、禁忌事例をよりリアルに追体験できる。
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
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序文
まえがき
看護学生の皆さんは、受講科目の多さに圧倒され、時に道を見失いそうになりながらも、看護師になるという目標に向かい努力をされていることと思います。また、臨地実習で出会うであろう患者さんを想像しながら技術演習や技術試験に臨み、技術を習得できた時の喜びを実感しながら、少しずつ看護師らしくなってきた自分を誇らしく感じることもあるでしょう。しかし、学んだ知識や技術を臨床の最前線で実践できることに期待している反面、不安も大きいのではないでしょうか?
看護師になるためには、患者さんや病院の医療スタッフと関わりを持つ臨地実習を乗り越えなくてはなりません。臨地実習は、学内での講義や演習と大きく違う所があります。それは、さまざまな年齢の人々の命に関わること、患者さんのプライバシーを知ることになるということです。また患者さんが学生を受け入れてくれなければ、臨地実習は成り立ちません。患者さんの立場からすれば、入院や手術は人生における重大な出来事です。その最中に、学生である皆さんに協力をしてくださっている、という感謝の気持ちを忘れないでください。
この実習において、協力してくださる患者さんの安全を脅かしたり、苦痛を与えることは、たとえ学生という立場であったとしてもあってはならないことです。患者さんの安全・安楽を守るために多くのルールがあります。これらは同時に、学生さんの身を守ることにもつながります。ルールとは、社会の中で秩序を保つために互いが守るべき規則をいいます。ルールの中には法律や規則・倫理が含まれます。法律は国が遵守することを定めた規範であり、そこで示されている「正しい行為」に背いた場合は公権力により制裁を受けることになります。一方、倫理は「正しい行為」とは何かを自分自身に問うことであり、個人の価値観に基づいています。看護師をはじめとした生命にかかわる専門職には、より高い倫理観が求められています。具体的には看護の分野では、国際看護師協会(ICN)が制定した「ICN 看護師の倫理綱領」や日本看護協会が制定した「看護職の倫理綱領」に則って行動することが求められます。
このように実習においては、法律のみならず、職業的な価値や義務、責任が述べられている倫理についても守る必要があるのです。臨地実習が始まる前には、必ず実習についてのオリエンテーションがあります。その中で教員から、実習中に「してはいけないこと」というルールについての説明があります。しかし教員が説明をしただけではその意味することが理解できず、予測もつかないような行動をとる学生が現れます。本書はそのような学生を減らすために企画されました。
本書は2013年に初版が出版され、今回改訂することになりました。本書を作るきかっけとなったのは、ある年の謝恩会での出来事でした。看護学生が臨地実習で「えっ、そんなことをしちゃったの」という思いもかけない体験を“禁忌集コント”として演じたのです。このコントで卒業生や教員が大爆笑となり、大いに盛り上がり双方にとって感慨深いものになりました。初版はこれらの禁忌の実例をもとに整理し作成しました。
改訂2版では、初版の事例を全面的に見直し、患者さんとの接し方編、個人情報保護編、医療安全編、感染予防編、ハラスメント編に整理し、構成しなおしました。また近年の状況を踏まえたケースも増やしました。特に今回はハラスメントに関して、パワー・ハラスメント、セクシャル・ハラスメント、アカデミック・ハラスメントなどさまざまなケースを載せました。どうぞ一人で悩まず、このケースが指導者や教員に相談するきっかけになってくれることを願っております。
本書では事例のみではなく、解説としてなぜ行ってはいけなかったのか、またどのように行うことが望ましいのかも説明しています。またケースの冒頭に「理解を助ける関連情報」として、関連する法律や倫理規定、文献などを示し、気になる情報は自ら調べ、理解が深められるようになっています。さらに重要な言葉は索引で探しやすいように、太字になっています。
加えて、特に留意が必要な事例や、うっかり行ってしまいそうな事例については、よりいっそうイメージと理解を深められるように動画で再現し、全6巻にわたる映像教材として提供する運びとなりました。本書内のQR コードから視聴できる動画は、その映像教材からピックアップしたものです。映像教材は、本書を読んだだけではイメージがつきにくい事例がわかりやすく、また笑いも交え、楽しく学べる筋書きになっています。指導者の方には、ぜひ本書と併せてのご活用を検討いただきたいと思います。
看護学生の皆さん、臨地実習は不安が多く、緊張の連続だと思います。そして「どうすればよいかわからない」という場面に遭遇することもあるでしょう。そのような時にはこの本を手にとり、ご一読ください。そうすれば必ず解決のヒントが得られると思います。
私にとって臨地実習は、今でも忘れられない大切な思い出です。どうか看護学生の皆さんも心に残るたくさんの経験を積み重ね、看護専門職としての誇りと自覚を持った、素敵な看護師に成長して欲しいと思います。
2024年7月 編著者を代表して
田中晶子
目次
患者さんとの接し方
1 患者さんと一緒に写真を撮ってはいけない
2 患者さんからは物品や金銭をいただいてはいけない
お礼だといわれてももらってはいけない
3 患者さんの呼び方は注意しなくてはいけない
4 むやみに治療情報を直接患者さんに伝えてはいけない
5 医師から説明されていること以外の情報を患者さんに話してはいけない
6 点滴中は点滴ルートの観察を怠ってはいけない
COLUMN1 点滴トラブル
7 患者さんに「ダメ」といってはいけない
8 学生の判断で勝手に受け持ちの患者さんに指導パンフレットで指導をしてはいけない
9 学生の判断で勝手に受け持ちの患者さんに口頭での指導をしてはいけない
10 患者さんの私物のティッシュを勝手に使ってはいけない
11 患者さんの入れ歯をティッシュに包んでおいてはいけない
12 沈黙をむやみにさえぎってはいけない
13 「自分にとっての当たり前」を押しつけてはいけない
14 痛みを伴う処置・検査を受ける子どもに「痛くない」といってはいけない
15 子どもに説明しないまま、処置・検査を行ってはいけない
16 子どものプライバシーを無視してはいけない
17 乳幼児のいるベッド柵をおろしたら、一瞬でも子どもから目を離してはいけない、
ベッドのそばを離れてはいけない
18 小児の発疹を見逃してはいけない
19 療養者さんのお宅から無断でその場を去ってはいけない
COLUMN2 ドレーン
20 療養者さんのお宅の物を勝手に触ったり、片付けてはいけない
21 療養者さんのお宅に、素足で訪問してはいけない
COLUMN3 指導者への報告のコツ
個人情報保護
22 病院での出来事をSNSで発信してはいけない
23 患者さんと SNS でつながってはいけない
24 ファミリーレストランなどで実習記録を書いてはいけない
25 コンビニで実習記録をコピーしてはいけない
26 立ち上げたままの電子カルテをそのまま閲覧してはいけない
27 許可なしにスマートフォンなどで写真や動画の撮影をしてはいけない
28 患者さんの状態などをメモした用紙を紛失してはいけない
29 病院のエレベーター内で患者さんの情報を話してはいけない
30 受け持ち患者さんの状態などをみだりに伝えてはいけない
31 電子カルテの内容を印刷した用紙を病棟から持ち出してはいけない
医療安全
32 患者さんの要望に安易に応じてはいけない
33 指導者の確認を受けずに患者さんにケアしてはいけない
COLUMN4 シリンジポンプ
34 観察結果を報告し忘れてはいけない
35 痛み止めの与薬を患者さんへの思いだけで実施してはいけない
36 容態が急変した時に、患者さんを一人にしてはいけない
37 患者さんにお願いされても勝手にリハビリをしてはいけない
38 学生の判断で患者さんの歩行訓練を行ってはいけない
39 爪切りやカミソリでのひげ剃りは、学生だけで行ってはいけない
COLUMN5 上肢(上腕動脈)での血圧測定の禁忌と対応
感染予防
40 発疹・発熱のある時には実習に行ってはいけない
COLUMN6 実習で役に立つ感染管理の基本
41 体調が悪い時に、無理に実習へ出てはいけない
42 ユニフォームを着たままで病院外に買い物に行ってはいけない
43 ベッドサイドの汚れやゴミに安易に触れてはいけない
何で汚染されているかわからないものを安易に清掃してはいけない
44 実習施設で安易にスマートフォンの充電をしてはいけない
ハラスメント
45 患者さんからハラスメントを受けた時、一人で悩んでいてはいけない
46 患者さんが身体に触れてきた時は、黙って我慢してはいけない
47 指導者から性的な言動を受けた時は、黙って我慢してはいけない
48 教員から成績を引き合いにした指導を受けた時は、一人で悩んではいけない
49 教員から人格を否定されるような言葉を受けた時は、我慢してはいけない
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書籍情報
- ISBN:9784621310175
- ページ数:120頁
- 書籍発行日:2024年9月
- 電子版発売日:2024年10月2日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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