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これで心配ない電解質異常 若手医師/腎臓内科医が市中病院で困らないために

  • ページ数 : 195頁
  • 書籍発行日 : 2024年9月
  • 電子版発売日 : 2024年10月4日
3,960
(税込)
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商品情報

内容

ひとり当直,専門医がいない,頻回な検査が難しい,困る状況で頼れる1冊!
ひとり体制で気軽に診療相談できる人のいない若手や中堅の腎臓内科医,腎臓・内分泌専門医のいない病院や,大学病院のように頻回に検査ができる環境にない病院で電解質異常を安全に管理するためにどうすればいいのか悩んだ時に,実際にできること・すべきことを最大限具体的にまとめました! 1.急いでいるときにここだけパッと見てすぐに動ける「クイックリファレンス」 2.詳しい解説は後から読めるようにエビデンスも合わせて後半に紹介 3.いまさら聞けないけど,実はよくわからない,という疑問に簡潔に答える「若手Drのmemo帳」

序文

序文

聖マリアンナ医科大学病院から市中病院であるJCHO東京高輪病院へ異動して勤務した経験から,市中病院では電解質異常に適切に対処することが苦手な(あるいは苦手意識をもった)内科医が多いことを実感しました.「電解質に関する成書を読めば何でも書いてあるけれど,読みきる自信がなくて読んでおらず,患者さんが来てから読んでおけばよかったと後悔する」「読んでも自分の診療にすぐに活かせる実力がない」などの声も聞きました.しかし,患者さんは電解質異常に対応することを得意とする医師に診てもらえるか,苦手な医師に診られるかは選ぶことができません.さらに(地方を含め)腎臓専門医がいても1人とか,あるいは腎臓専門医がいない病院の内科医で電解質異常に関するコンサルトを受けなければならない医師とも接する機会があり,彼らの苦労も実感しました.これらのことから医学部卒業後すぐに母校において実臨床のなかですぐれた先輩方のもとで多くの電解質異常の診療経験を積ませていただいたことは極めて貴重な経験であったことを実感しました.また,この経験を市中病院での診療に活かすことができたことはありがたいことだと思いました.

これらのことから,内科医が専門医・非専門医を問わず電解質異常に迅速に対応出来るためのクイックリファレンス的な書物があれば市中病院に勤務する医師の役に立つのではないかと思い,浅学非才を顧みず本書を世に問おうと思いました.

本書が電解質異常を診療する医師の指針となりより良い診療に繋がってくれることを願っています.

日々のご指導とともに本の完成実現のため多大なご指導を頂いた木村健二郎先生,柴垣有吾先生,市川大介先生に心より感謝申し上げます.また,当時少ない腎臓内科の人数で診療ができたのは渡邉詩香先生,奥田則子診療看護師さんのお蔭です.本書作成に当たり,腎臓内科の先生方にアドバイスをご提供いただきました.そして,読者の方々にいかに分かりやすくお伝えするか沢山のご尽力をいただいた中外医学社の上岡里織様に感謝申し上げます.


令和6年9月

久道三佳子

目次

CHAPTER 1 各電解質異常の対応・クイックリファレンス

1.低Na血症

 1.まず急ぎの対応

 2.低Na血症の鑑別

 3.主な鑑別病態別の対応

 4.初期対応

 5.急性/症候性/高度の対応

 6.慢性/無症候性の治療

 7.具体的な病態別の対応

2.高Na血症

 1.まず急ぎの対応

 2.症状

 3.高Na血症の鑑別

 4.高Na血症の治療

3.高K血症

 1.まず急ぎの対応

 2.高K血症の症状と心電図所見

 3.高K血症の鑑別

 4.高K血症の治療

4.低K血症

 1.まず急ぎの対応

 2.低K血症の症状と心電図

 3.高度低K血症急ぎの鑑別

 4.低K血症の鑑別

 5.鑑別時に提出する検査

 6.蓄尿検査の解釈

 7.忘れた頃に出逢う疾患の基礎知識

 8.低K血症の治療

5.高Ca血症

 1.まず急ぎの対応

 2.単位換算

 3.症状

 4.鑑別と検査値の解釈

 5.鑑別の際の検査

 6.各治療方法について

 7.使用の具体例

6.低Ca血症

 1.まず急ぎの対応

 2.低Ca血症の症状

 3.鑑別

 4.低Ca血症の治療

7.高Mg血症

 1.まず急ぎの対応

 2.高Mg血症の症状

 3.高Mg血症の鑑別

 4.高Mg血症の治療

8.低P血症

 1.まず急ぎの治療

 2.低P血症の症状

 3.低P血症の鑑別

 4.低P血症の治療

 5.リフィーディング症候群

9.複合的な電解質異常

 1.低Mg血症について

 2.その他の電解質異常

 3.複合的に電解質異常をきたしうる状況の鑑別例

10.電解質異常に関する尿検査の解釈

 1.尿比重からわかること

 2.尿浸透圧からわかること

 3.尿Naからわかること

 4.尿Clからわかること

 5.尿BUN

 6.尿AG・尿浸透圧ギャップ・浸透圧ギャップからわかること

 7.尿pH

CHAPTER 2 診療における疑問・考え方

1.低Na血症

 Q 1.『塩分摂取が不足していると考える根拠は? 尿Naの解釈は?』

 Q 2.『溶質摂取不足と言える根拠は?』

 Q 3.『尿浸透圧の結果がすぐに出ない時,尿Na,K を見てSIADH を疑う所見は?』

 Q 4.『ADH分泌だけで,高度な低Na血症になるか?』

 Q 5.『細胞外液量が減っていると考えるときの根拠となる手がかりは?』

 Q 6.『低Na 血症の重症度と体液量の状態で考えられる鑑別(この体液量ならこのような程度の低Na 血症になるというような予想)』

 Q 7.『体液量評価困難だが,細胞外液量減少が疑われる場合,どのように対応・評価する?』

 Q 8.『生理食塩水はどんな時に使うか?』

 Q 9.『フロセミドによる低Na血症ですねと言える根拠は?』

 Q 10.『基本的に濃いものを入れるが,尿Na+K が低下して薄い輸液に切り替えなければいけない状況,もしくは入院時に濃い輸液を入れなくてもNa が上昇しそうな状況は?』

 Q 11.『なぜアルコール多飲の人が飲酒をやめただけで過補正になりやすいか?』

 Q 12.『ADH の分泌が亢進している病態において,過補正になりそうなリスクはどう判断しているか?』

 Q 13.『SIADHにおいて,飲水制限の指示はどのように決めている?』

 Q 14.『飲水制限だけではうまくいかない状況はどんなときか?』

 Q 15.『急性期を脱した後,どのように3%食塩水から切り替える?』

 Q 16.『フロセミドによる治療が有効な時はどんな時か?』

 Q 17.『経口NaClが有用な時はどんな時か?』

 Q 18.『過補正に対する予防(DDAVP)と対応(DDAVP,ブドウ糖)は?』

 Q 19.『治療しながらどのように尿量・尿所見を解釈しているか?』

 Q 20.『肝硬変や,腹水がたまっている患者さんの低Na 血症の管理はどうすればよいか?』

 Q 21.『心不全での低Na血症の管理は?』

 Q 22.『AKIがある時の低Na血症の管理は?』

 Q 23.『透析患者さんの低Na血症への鑑別と対応はどうすればよいか?』

 Q 24.『低Na血症の患者さんの入院が必要・ご帰宅で大丈夫,の目安は?』

2.高Na血症

 Q 1.『高Na血症は難治性が多い,というのは本当? なぜ?』

 Q 2.『ブドウ糖投与が多くなり,血糖も上昇してしまう場合はどうしたらよいか?』

 Q 3.『なかなか治りにくい高Na 血症だが,過補正になってしまうのはどのような状況の時か?』

 Q 4.『ブドウ糖による補正をするときは,おおよそどのくらいの速度,1 日量を決めているか?』

 Q 5.『(腎前性)AKI+高Na血症の時の管理は?』

 Q 6.『治療中の尿量の動向でなにが予想できる?』

 Q 7.『入院が必要/帰宅が可能(クロースな外来フォロー)と判断する目安や状況は?』

 Q 8.『高Na血症を起こす下痢・低Naを起こす下痢の違いは?』

 Q 9.『高Naを起こす利尿薬使用・低Naを起こす利尿薬使用の違いは?』

 Q 10.『腎後性解除後はADH 作用が効きにくくなる,高Na 血症になりうる機序は?』

3.高K血症

 Q 1.『救急外来で高K 血症があっても,採血が難しく溶血だったから,と帰宅になっている人が散見されるが,溶血でどのくらいK が上がるものなのか? 逆にどのレベルまでK 値が上がっていれば,溶血だけでは起こりえないレベルなのか?』

 Q 2.『入院せずに帰せるKレベルは?』

 Q 3.『腎機能が正常なのに,時々外来でなぜかKが高い例』

4.低K血症

 Q 1.『鑑別時にヒントとなる所見は?』

 Q 2.『どのくらいで満ちてきたと判断する? 特に小さい人に注意』

 Q 3.『どの位の血清K 値になったら,補充をゆるめる?』

 Q 4.『高度低K 血症のときには,まずは細胞内に入るからK 上昇には時間がかかる』

 Q 5.『入院を要するorご帰宅でよい状況の判断は?』

 Q 6.『夜間休日救急(主に二次救急)でご帰宅とする時,どんな処方をしてご帰宅にする? 再診はいつにする?』

 Q 7.『末期腎不全,透析でK値が低い人の理由は? 補充すべき? いくつ以下で補充すべき?』

5.高Ca血症

 Q 1.『不動でどこまで血清Ca値が上がりうるのか?』

 Q 2.『腎障害時のビスホスホネート製剤はどうするか?』

 Q 3.『デノスマブの効果の手ごたえは?』

 Q 4.『急性期のフォロー間隔はどうしているか?』

 Q 5.『最近,フロセミドは効果が少ないといわれている』

 Q 6.『骨粗鬆症でビタミンD による高Ca 血症・AKI でビタミンD 製剤を中止リコメンドした後に,Cr 値が改善したらビタミンD 内服の再開をOK としてもよいのか?』

6.低Ca血症

 Q 1.『Ca補充はどの位の速度でCaが上がるのか?』

 Q 2.『例えば,甲状腺癌手術後など副甲状腺機能が低下している方で,ビタミンD やカルシウム製剤内服を調整している場合の,外来間隔は?』

7.高Mg血症

 Q 1.『高Mg 血症の原因として多いのは? やはり酸化Mg?』

 Q 2.『高Mg血症はどんな人で重症化しやすいか?』

8.低P血症

 Q 1.『外来でADLや食欲が良好であるにもかかわらず低P血症を呈する症例』

CHAPTER 3 腎臓内科専門医が在院していない時に “電解質異常”の対応をするには

1.低Na血症

2.高Na血症

3.高K血症

4.低K血症

5.高Ca血症

6.低Ca血症

7.高Mg血症

8.低P血症

CHAPTER. 4 症例で見る実際の対応

1.低Na血症

 CASE1.ADH分泌亢進が止まった時の過補正に対する治療の一例.経過中水分摂取過剰のため再度高度急性低Na血症となった例

 CASE2.利尿薬内服中に食事摂取不良とADH分泌亢進をきたし,高度低Na血症に対して濃い輸液で補正したが,補正速度が大きかった一例

 CASE3.肝不全とAKIを合併した,ADH分泌亢進とNa摂取不良による低Na 血症の例

 CASE4.疼痛・肺炎・抗うつ薬によるADH分泌亢進に対して濃い輸液で調整した例

 CASE5.脱水とADH分泌亢進による低Na血症補正中に尿張度が上下した例

 CASE6.塩分経口負荷で調整していたが,心不全歴ありトルバプタンを開始した例

 CASE7.利尿薬+塩分摂取不足+飲水可能+術後ADH分泌亢進で低Na血症となった例

 CASE8.尿Na低値で塩分摂取不足+飲水可能+ADH分泌亢進による低Na血症例

 CASE9.心不全に注意しながら塩分内服で調整した例

 CASE10.禁酒のみで血清Na値が上昇しそうと予想される状況と過補正への対応

 CASE11.短時間でADH分泌亢進が治まり,5%ブドウ糖で過補正を抑えた例

 CASE12.透析患者さんの低Na血症

 CASE13.外来での低Na血症の調整

2.高Na血症

 CASE14.HHS+呼吸不全がある中での高Na血症コンサルト

 CASE15.口渇があったが心不全に対する,飲水・輸液制限によりNa値が短期間で上昇した例

 CASE16.腎後性AKI後(尿路閉塞解除後)の高Na血症

 CASE17.AKIを合併した高Na血症の管理

 CASE18.一人で飲水不可能+術後外液継続により高Na血症が遷延した例

 CASE19.食欲抵下からくる低K血症による腎性尿崩症で高Na血症となった例

3.高K血症

 CASE20.どの程度のK値まで外来で高K血症管理できるか

 CASE21.骨折後高K血症の術前管理

 CASE22.消化管出血でジルコニウムシクロケイ酸ナトリウムを使用した例(穿孔リスクを確認して使用)

 CASE23.血液ガスと生化学検査の数値が乖離した高K血症例

4.低K血症

 CASE24.やむを得ず外来で治療した高度低K血症例

 CASE25.カリウムが細胞内に満ちてきて,補正が十分と考えられる目安

5.高Ca血症

 CASE26.AKI あり,ゾレドロン酸を躊躇した骨転移高Ca血症例

6.低Ca血症

 CASE27.日光露出が少なくビタミンD低値で低Caとなった例

 CASE28.体調により予想困難に血清カルシウム値が上下した例

 CASE29.高度低Ca血症の対応例

7.高Mg血症

 CASE30.高Mg,高K血症で薬剤調整をした例

8.低P血症

 CASE31.外来で低P血症があり,一時的に経口補正を要した例

9.複合的な電解質異常

 CASE32.慢性的なアルコール多飲があり低Na/低Ca血症などを補正して術前管理した例

 CASE33.複合的な電解質異常の補正を要した例


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書籍情報

  • ISBN:9784498223080
  • ページ数:195頁
  • 書籍発行日:2024年9月
  • 電子版発売日:2024年10月4日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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