要点だけ最速でわかる 麻酔科研修[Web動画付]

  • ページ数 : 160頁
  • 書籍発行日 : 2024年10月
  • 電子版発売日 : 2024年10月4日
2,860
(税込)
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商品情報

内容

ローテーション前の心構えから、術前評価に役立つ知識、研修医が多く立ち会う各診療科別の麻酔管理に至るまで、要点を最速で理解できるよう厳選してコンパクトにまとめた。
合併症患者への対応や緊急時のトラブルシューティングなど、現場で即戦力となるための知識を凝縮。「やりがちなミス」や「肝を冷やした症例」といった実例をもとに、実践的なスキルの習得を支援する。
ポイントを押さえた端的な解説は、チェックリストとしても役立つ。麻酔科ローテのお供に最適な1冊。

序文

序文

本書を手に取っていただきありがとうございます。麻酔科にローテートされる前に本書を開いてみたところでしょうか。それとも,ローテート中でお困りのことがあって,本書で調べるところでしょうか。

ご高名の先生方がたくさんおられるなか,若輩者の私がこのような本を書かせていただくのは,大学病院で麻酔科専門医指導医として初期研修医,後期研修医の先生方と日々接していくなかで,研修医の先生方が何を知りたいかがわかるようになってきたからです。研修医の先生は「私だけがこんなにできないのか」と口々に言いますが,そうではありません。みんな同じことを疑問に思い,同じことに困っています。そのような研修医の先生方に,麻酔科ローテートをより楽しく,よりスムーズに過ごし,「麻酔科って面白い!」と思っていただけたらと,本書を書きました。書きたいことがたくさんあるなかで,多くの研修医にどんなことを解説してほしいか,どんな本がほしいかを調査しました。それに応える形で,われわれ麻酔科医が何を考え日々麻酔をしているのかわかりやすく,ポイントを絞って解説しています。

麻酔科ローテート前にぜひ思い出してほしいことがあります。手術は医療者にとっては日常ですが,手術をする患者さんにとっては一大イベントだということです。病気であること,また,それに伴う痛みにストレスを抱えています。痛みやストレスは患者さんの術後の回復に影響を与えます。さらに手術の侵襲により,循環動態や呼吸動態にも変動が起きます。痛みやストレス,侵襲による変動をできるだけ少なくすることが「麻酔」,そして麻酔科の大事な役割です。そのことを忘れずに,今も毎日,患者さんと向き合っています。

本書を読まれた先生方が,麻酔科に興味をもっていただき,一緒に楽しく仕事ができることを願っています。


2024年9月

品川(関)久美子

目次

Ⅰ 麻酔科ローテ前にまずはここから

1 麻酔科ローテ前の10箇条

2 こんな変化が起こったらすぐに原因・対応を考えよう!

 ・点滴の滴下不良,速度

 ・気道内圧の変化

 ・呼気二酸化炭素分圧(EtCO2)の変化

 ・血圧・脈拍の変動

3 典型的な1日のタイムテーブル

 ・大学病院の1例

 ・市中病院の1例

Ⅱ 術前に押さえておきたい! 必須知識

1 術前に内服すべき薬剤/中止すべき薬剤

 ・手術当日に内服すべき薬

 ・中止してほしい薬

2 絶飲絶食時間/ 術前補水液の考え方

3 輸液について

 ・輸液量の考え方

 ・輸液量の計算

 ・よく使われる輸液製剤

4 手術体位/体位変換

 COLUMN 風邪が治ってからどれくらいで全身麻酔できる?

5 ルートキープのコツ

6 挿管のコツ

7 動脈ライン(Aライン)のコツ

8 区域麻酔

 ・硬膜外麻酔

 ・脊髄くも膜下麻酔

Ⅲ 手術当日の準備~麻酔導入~維持~覚醒

1 手術室の準備

 ・配管接続

 Advanced 呼吸器(よく使うモードや簡単な操作方法)

 ・薬剤

 ・アンプルの切り方/バイアルの扱い方

 ・シリンジポンプの使い方

 ・気管チューブ

 ・声門上器具の種類と選択基準

 ・喉頭鏡,挿管道具の種類と使い分け

 ・モニター

2 朝カンファをどう乗り切るか

 ・術前評価と発表のポイント

3 導入と麻酔維持

 ・準備

 ・麻酔薬の投与目安

 ・薬剤の持続投与

4 覚醒/抜管/退室

 ・抜管基準

 ・退室基準

Ⅳ 合併症がある場合の麻酔

1 内分泌系疾患

 ・糖尿病

 ・肥満

2 ステロイド内服中患者

3 心血管系疾患

 ・高血圧

 ・虚血性心疾患

 ・不整脈(心房細動)

 ・不整脈(その他)

 ・心不全

4 腎不全/ 透析患者

5 呼吸器疾患

 ・喫煙

 ・気管支喘息

 ・慢性閉塞性肺疾患(COPD)

 ・間質性肺炎

6 脳神経系疾患

 ・虚血性脳血管障害

 ・出血性脳血管障害

 ・てんかん

7 肝機能障害

8 甲状腺機能異常

 ・甲状腺機能亢進

 ・甲状腺機能低下

9 胃食道逆流症

10 脊髄損傷

 ・急性期

 ・慢性期

Ⅴ ローテが始まってから読みたい各科の麻酔

1 体表の手術(乳腺外科・皮膚科・形成外科)

 ・乳房切除術

 ・皮膚腫瘍切除術

2 脳外科手術

 ・頭蓋内手術

 ・脳出血手術

 ・脳動脈瘤クリッピング

 ・Hardy手術

 ・もやもや病 血管吻合術

 ・頸動脈内膜剥離術(CEA)

 Advanced Awake surgery

3 頭頸部手術

 ・副鼻腔炎手術

 ・耳の手術

 ・扁桃摘出術

 ・甲状腺手術

 ・ラリンゴマイクロサージェリー

 ・遊離皮弁手術(頭頸部)

4 消化器外科手術

 ・腹腔鏡手術について

 ・鼠径ヘルニア

 ・幽門側胃切除/ 胃全摘術

 ・結腸切除術/低位前方切除術

 ・汎発性腹膜炎手術

 ・食道切除術

 ・肝切除術

 ・膵切除術

5 整形外科手術

 ・脊椎手術

 ・関節手術

 ・骨折手術

 ・肩手術

6 泌尿器科手術

 ・経尿道的前立腺切除術(TUR-P)/経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-bt)

 ・ロボット支援下前立腺切除術

 ・腎摘出術

 ・膀胱全摘術

 Advanced 腎移植術

 Advanced 褐色細胞腫

7 産婦人科手術

 ・帝王切開術(予定)

 ・帝王切開術(緊急)

 ・子宮全摘術

 ・卵巣摘出術

 ・卵巣茎捻転手術

8 眼科手術

 ・斜視手術

 ・その他(白内障/硝子体手術など)

9 心臓血管外科手術

 ・腹部大動脈瘤/ 胸部大動脈瘤ステント挿入術

10 呼吸器外科手術

 ・気胸

 ・肺葉切除術

 ・縦隔腫瘍手術

 Advanced 肺全摘術

Ⅵ トラブルシューティング

1 急激な血圧低下

 ・麻酔薬による心収縮力抑制,血管拡張

2 血圧上昇/ 頻脈

 ・挿管操作

 ・疼痛

 ・気腹

 ・覚醒

3 バッキング

4 SpO2低下

5 モニター異常

6 点滴が落ちない

7 怖い「人的エラー」

 ・誤薬・誤投与

 ・シリンジポンプの設定ミス

 ・麻酔器の漏れ

Ⅶ 【上級編】肝を冷やした症例への対処法

 1 危機的出血

 2 アナフィラキシーショック

 3 dif cult airway

 4 局所麻酔中毒

 5 悪性高熱症

 6 肺塞栓

 

MEMO

 難しくない! 簡単なγ計算

 麻酔科的 血ガスの見方

 導入方法の言い回し

 フルストマックとは

 NSAIDs過敏喘息がある場合に注意

 バルサルバとは

 pringle法とは

 TUR症候群とは

 ○Fr÷3=外径mmとなる

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書籍情報

  • ISBN:9784758313117
  • ページ数:160頁
  • 書籍発行日:2024年10月
  • 電子版発売日:2024年10月4日
  • 判:B6変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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