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- 抗菌薬の適正使用や消毒薬を用いた感染対策に強くなる頻出ケーススタディ 外来・薬局感染症学
商品情報
内容
●外来での感染症治療や感染対策に役立つ！
薬剤耐性菌によって2050年には世界中で1,000万人が死亡するとの予想もあり、抗菌薬の適正使用の推進は喫緊の課題です。このような状況で使用される抗菌薬の約90％は経口薬であり、その対象は主に外来患者です。そのため、保険薬局や在宅医療でも抗菌薬の適正使用や感染対策の推進が薬剤耐性対策に不可欠です。一方で感染症関連の書籍が多数発刊されているものの、保険薬局での感染症対策や抗菌薬の適正使用に関する解説は不十分でした。
そこで、本書では保険薬局で出会う感染症の治療や感染対策にテーマを絞り、実践的事例をあげて基本からわかりやすく解説しています。
序文
はじめに
近年，抗菌薬の適正使用や感染対策の重要性は，医療従事者だけでなく，一般国民にも広く関心がもたれるようになってきました。しかし，一般国民の理解は依然として不十分です。また，薬剤耐性（antimicrobial resistance；AMR）は依然として世界的な問題となっており，何も対策を取らない場合（耐性率が現在のペースで増加した場合），2050年には世界で1,000万人の死亡が想定されることから，さらに対策を進める必要があります。こうしたなか，使用される抗菌薬の約90％は経口薬であり，対象は主に外来患者です。そのため，保険薬局や在宅医療でも，抗菌薬の適正使用や感染対策の推進がAMR対策では不可欠です。薬局薬剤師としては，これまでより踏み込んだ対応が本来あるべき姿なのかもしれません。
一方で現在，感染症に関連した知識を学ぶ書籍が多数あるなか，保険薬局での感染症対策や抗菌薬の適正使用にターゲットを絞ったものはあまりみかけません。そうしたことから，本書では保険薬局で出会う感染症の治療や感染対策にテーマを絞り，実践的事例をあげながら基本からわかりやすく解説することを目的として作成しました。
新型コロナやインフルエンザ，梅毒，A群溶連菌などだけでなく，今後未知なる感染症が猛威を振るう可能性もあり，地震などの災害による被災地や避難所での感染拡大を防止する必要もあります。こうした感染症の伝播を早期に抑止するためにも，保険薬局に勤める薬剤師には，一般市民や学生，高齢者など，さまざまな人々へ正しい知識の提供や感染予防行動を起こせるためのノウハウを伝える技術も求められます。
本書を手に取っていただいた多くの方に，これら知識や技術の習得に少しでも役立ててもらえれば幸いです。
2024年3月
村木 優一
京都薬科大学臨床薬剤疫学分野 教授
目次
第1章 ケースでわかる感染対策・予防
Case 1 日常的に最低限行うこと 西 圭史
Case 2 患者さんが嘔吐したとき 塚本 仁
Case 3 インフルエンザシーズン 村田龍宣
Case 4 薬局内の環境整備（清掃・消毒） 小野寺直人
Case 5 無菌調製時 潮平英郎
Case 6 調剤時 石坂敏彦
Case 7 在宅医療 奥平正美
Case 8 高齢者介護施設 坂野昌志
Case 9 学校薬剤師 鈴木高弘
Case 10 災害時 安藝敬生
Case 11 新型コロナウイルス感染症後に危惧される新たな感染症対策 梅村拓巳
第2章 ケースでわかる処方箋のチェックポイント（薬剤編）
Case 1 β-ラクタム系薬 松元一明
Case 2 マクロライド系薬 植田貴史
Case 3 キノロン系薬 小阪直史
Case 4 抗結核薬 宇田篤史
Case 5 抗HIV薬 増田純一
Case 6 テトラサイクリン系薬，リンコマイシン系薬 酒井義朗
Case 7 抗真菌薬 浜田幸宏
Case 8 抗ウイルス薬 山崎伸吾
第3章 ケースでわかる処方箋のチェックポイント（疾患編）
Case 1 感冒（急性気道感染症・急性下痢症） 望月敬浩
Case 2 咽頭炎・扁桃炎 浦上宗治
Case 3 副鼻腔炎・中耳炎 西村信弘
Case 4 肺炎（市中肺炎・細菌性肺炎） 佐村 優
Case 5 肺炎（市中肺炎・非定型肺炎） 三星 知
Case 6 肺炎（医療・介護関連肺炎・院内肺炎） 中村安孝
Case 7 尿路感染症 杉田直哉
Case 8 皮膚感染症（痤瘡） 山﨑博史
Case 9 歯性感染症 塩田有史
Case 10 真菌感染症（表在性，深在性） 木村匡男
Case 11 発熱性好中球減少症 眞継賢一
Case 12 性感染症（梅毒） 花井雄貴
第4章 ケースでわかる処方箋のチェックポイント（特殊な患者編）
Case 1 妊 婦 須山由佳子，内田信也
Case 2 授乳婦 三木陽介，冨田隆志
Case 3 小 児 丹沢彩乃
Case 4 高齢者 篠永 浩
Case 5 腎機能低下患者 古久保 拓
Case 6 肝機能低下患者 枦 秀樹
Case 7 抗菌薬と相互作用をもつ薬剤を服用中の患者 山口 諒
Case 8 抗菌薬アレルギー患者 丹羽 隆
Case 9 受診勧奨すべき患者 片山歳也
第5章 感染症予防と治療の基礎知識
Basic 1 抗菌薬のロジック・作用機序・スペクトラム 浜田幸宏
Basic 2 抗菌薬の薬物動態と薬力学 辻 泰弘
Basic 3 抗菌薬の効果・副作用の評価指標，バイタルサイン 馬場安里，北原隆志
Basic 4 グラム染色のやり方と見方 山田和範
Basic 5 消毒薬の種類・スペクトラム 中川博雄
Basic 6 感染予防のための衛生用品 澤田真嗣
Basic 7 ワクチンの基礎知識 日馬由貴
Basic 8 薬剤耐性（AMR）対策 前田真之
Basic 9 抗菌薬の使用状況の測り方 村木優一
Basic 10 薬局でのAMR対策 橋場 元
Basic 11 薬局で使える抗菌薬投与設計支援ソフトウェア 尾田一貴
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書籍情報
- ISBN：9784840755863
- ページ数：336頁
- 書籍発行日：2024年3月
- 電子版発売日：2024年10月2日
- 判：A5判
- 種別：eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数：3
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