血液内科 ただいま診断中! 第2版

  • ページ数 : 526頁
  • 書籍発行日 : 2024年10月
  • 電子版発売日 : 2024年10月4日
7,260
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商品情報

内容

第2版は“ちょっと難しい”がちょうどいい.すべての診断領域を全面的にアップデート!
「読みやすい」と好評だった初版のコンセプトをベースとして最新の知見や改訂されたガイドラインを反映しつつ,第2版は“ちょっと難しい” をテーマにしてすべての診断領域で全面的に内容をアップデート.初版では記載の少なかった「初期治療・治療前評価」に関してもボリュームアップされ,将来,血液内科を目指す医師や血液内科専門医も納得の読み応えのある内容に仕上がった.まずは手に取って内容をご覧ください

序文

第2版 巻頭言


『血液内科 ただいま診断中!』が上梓されてから早いもので7年が過ぎました.当時,医学研究科を修了したばかりで自称「若手」だった渡邉純一先生も今やTMGあさか医療センターの血液内科部長として埼玉県の血液内科診療に大きな役割を果たすようになってきました.血液関係の講演会で演者やディスカッサントとして見かける機会もあると思います.年を重ねて経験が増すのと同時に,新しい診断基準や治療薬が次々に登場するため,知識も常にアップデートしていく必要があります.本書の中身をざっと見渡してみても,赤血球関連の疾患では,「特発性造血障害に関する調査研究班による診療の参照ガイド」はほとんどが令和4年度改訂版になりました.骨髄異形成症候群は遺伝子変異の知見が蓄積されてきたため,それらを加えたWHO分類第5版(2022年),ICC分類が提唱されました.ただ,実臨床では遺伝子変異を検索することが困難でなかなか普及するに至っていません.急性白血病も遺伝子変異に基づくWHO分類第5版とELN分類が登場し,対応する分子標的薬の登場と相まって少しずつ治療方針の決定に影響を与えつつあります.リンパ腫ではFDG-PET-CTの普及に伴い節外病変にも使いやすいLugano分類が使われるようになり,さらにDLBCLではGCB型とABC型で治療を分けることも行われています.この他,多くの改訂ポイント,新しい治療選択のスキームを取り込んでこの改訂版がつくられました.遺伝子変異というと目が回りそうに思われるでしょうが,診断分類は多様性に富む疾患を適切に治療することを目的にしています.ただ,その前には,命を危険にさらさない,後遺症を残さないよう,格好良く(少ない手数で)診断することが求められていることを忘れないでください.

さて,登場するN医師は卒後13年目のままで,O医師,K医師,T医師も初版からちっとも年をとっていません.若手の指導医と後期研修医という設定のためですが,現実は臨床に油がのっただけでなく多くの本を執筆する中堅血液内科医,ばりばり論文を書く大学院生,市中病院で臨床に励む血液内科医など,それぞれの道に進んだのをみると,教授としては感慨深いものがあります.本書が血液疾患の診断力を深める道標となり,臨床における疑問点が研究の糸口となって,血液疾患患者さんの幸せにつながっていくことを期待しています.


2024年8月

防衛医科大学校血液内科 木村文彦



第2版 序


2017年3月に『血液内科 ただいま診断中!』の初版が発売され,多くの医師に読んでいただくことができました.このとき私は医師として14年目にはいるころで,執筆していたのは12~3年目という時期でした.この『ただいま診断中!』という本は研修医・後期研修医の先生をはじめとして,中堅の先生からも「読みやすい」「理解しやすい」と言っていただき,非常に嬉しく思っておりました.

その後,それまで所属していた防衛医科大学校血液内科を離れ,埼玉医大総合医療センターを経て,現在はTMGあさか医療センターで血液内科の立ち上げをおこなっております.

この2つの大学病院でのさまざまな経験だけでなく,大学病院では経験しないような症例を含めTMGあさか医療センターでさらなる研鑽を積むことができました.医師として20年間の臨床経験とさまざまな病院での診療経験から,『ただいま診断中!』をさらに良いものにできるのではないかと考えました.

また,この7年の間に「WHO分類(第5版)」や「造血器腫瘍診療ガイドライン(2023年度版)」を含めたさまざまな疾患のガイドラインの改訂が行われ,『ただいま診断中!』の内容をアップデートする必要 もありました.

『血液内科 ただいま診断中!』第2版は「読みやすい」と言っていただいた初版をベースにしながら,新しいガイドラインに基づいた「診断基準」のアップデートに加え,追記するべき内容を全診断領域で見直しました.

診断に遺伝子変異の記載が増えたこともあり,非専門医の先生では初版より難しい内容になると思われました.そのため非血液専門医の先生を主な対象として『検査値とCQでわかる 非専門医のための血液疾患ワークブック』という血液専門医へうまく橋渡しすることを目的とした本を昨年執筆させていただきました.

第2版では「血液専門医を目指す医師」「血液専門医」を主な対象として,血液内科領域に関わる医療従事者の方々に手に取っていただければと考えております.血液専門医を対象にすることに加えて,正しい診断は正しい治療に繋がることもあり,初版では記載が少なかった「初期治療・治療前評価」に関しての記載を増やしております.

私が外来や病棟に置いておけば役に立つと考えている内容をほぼ網羅した本にしたつもりであり,中堅以上の血液内科の先生のお役にも立てると思います.この本が手に取っていただいた先生の日常診療に少しでも役立ち,患者さんにも貢献できることを祈念しております.


2024年8月

渡邉純一

目次

Flowchart:

貧血

多血症

白血球減少

白血球増加

リンパ節腫脹

免疫グロブリン異常

血小板減少

血小板増加

凝固異常

総 論:「血液疾患を診る」ということ

Chat:夜陰の閑談

Outpatient:はじめての血液外来

Column(1) 内科専門医,血液専門医などのサマリー作成

第1章:赤血球系(貧血を伴う疾患)

1-1 小球性貧血

Summary

Introduction

Case:鉄欠乏性貧血

Case:その他の小球性貧血

1-2 大球性貧血

Summary

Introduction

Case:巨赤芽球性貧血

1-3 造血不全

Summary

Introduction

1-3-A 赤芽球癆(PRCA)

Summary

Introduction

Case

1-3-B 再生不良性貧血(AA)

Summary

Introduction

Case

1-3-C 骨髄異形成症候群(MDS)

Summary

Introduction

Case

Column(2) MDSのmolecular IPSS

Column(3) 患者さんを見捨てないという意思を示す

1-4 溶血性貧血

Summary

Introduction

1-4-A 自己免疫性溶血性貧血(AIHA)

Summary

Introduction

Case

1-4-B 非免疫性溶血性貧血:発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)と遺伝性球状赤血球症(HS)

Summary

Introduction

Case

Column(4) 口頭発表とポスター発表のスライド作成

1-5 ウイルス性・薬剤性血球減少

Summary

Introduction

Case:ウイルス感染後血球減少

Case:薬剤性血球減少

Column(5) 新規治療薬

第2章:白血球系疾患

2-1 急性白血病と慢性白血病

Summary

Introduction

2-1-A 急性骨髄性白血病(AML)

Summary

Introduction

Case

Column(6) 抗がん剤治療の初期反応性

2-1-B 急性リンパ性白血病(ALL)

Summary

Introduction

Case

Column(7) 呼吸緩和のオピオイド

2-2 慢性骨髄性白血病(CML)

Summary

Introduction

Case

2-3 慢性リンパ性白血病(CLL)と類縁疾患

Summary

Introduction

Case

2-4 多血症

Summary

Introduction

Case

2-5 本態性血小板血症(ET)

Summary

Introduction

Case

2-6 骨髄線維症

Summary

Introduction

Case

Column(8) はっきりとした「余命」を言わない

2-7 骨髄異形成症候群/骨髄増殖性腫瘍(MDS/MPN)

Summary

Introduction

Case

2-8 Hodgkinリンパ腫と非Hodgkinリンパ腫

Summary

Introduction

2-8-A 低悪性度リンパ腫

Summary

Introduction

Case

2-8-B aggressive lymphoma

Summary

Introduction

Case

Column(9) 各化学療法における性腺機能への影響

2-8-C 高悪性度リンパ腫

Summary

Introduction

Case

Column(10) 造血器腫瘍ゲノム検査ガイドライン2021年度一部改訂版

2-8-D T細胞リンパ腫

Summary

Introduction

Case

Column(11) HTLV-1抗体陽性の方が外来受診されたときの対応

2-8-E Hodgkinリンパ腫

Summary

Introduction

Case

2-9 血球貪食症候群(HLH)

Summary

Introduction

Case

2-10 多発性骨髄腫

Summary

Introduction

Case

Column(12) 悪性疾患の経過観察の方法

Column(13) PET-CTでの治療後の経過観察は原則として行わない

2-11 好酸球増加症

Summary

Introduction

Case

2-12 白血球系良性疾患:Castleman病とIgG4関連疾患,TAFRO症候群など

Summary

Introduction

Case

Column(14) 早期再発と治療

第3章:出血・凝固系疾患

3-1 血小板減少症:ITP,DIC,TTPを中心に

Summary

Introduction

3-1-A 特発性血小板減少性紫斑病(ITP)(免疫性血小板減少性紫斑病)

Summary

Introduction

Case

3-1-B 播種性血管内凝固(DIC)

Summary

Introduction

Case

3-1-C 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)/溶血性尿毒症症候群(HUS)

Summary

Introduction

Case

Column(15) 内科救急(JMECC)に関して

3-2 凝固異常症

Summary

Introduction

Case:抗リン脂質抗体症候群(APS)

Case:血友病,von Willebrand病(vWD)

資料

文献

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784498225053
  • ページ数:526頁
  • 書籍発行日:2024年10月
  • 電子版発売日:2024年10月4日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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