• ページ数 : 88頁
  • 書籍発行日 : 2023年6月
  • 電子版発売日 : 2024年10月30日
2,640
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商品情報

内容

本ガイドは約8年ぶりに発表する全面改定版であり,最新のエビデンスを盛り込んでアップデートしている。抗C5抗体薬登場以来,多くのエビデンスが積み重なってきたが,実臨床では依然としてaHUSの診断や治療を適切に行うことが大変困難であることが再認識された。こうした状況を踏まえ,本ガイドでは,aHUSを「補体介在性TMA」と,より補体の直接的な関与を明確にするように定義し直している。またTMAを呈するが,明確な原因の特定ができないものを「その他のTMA」として,STEC-HUS,TTP,aHUS,二次性TMAに続く4 つ目のTMAのカテゴリーとして新たに設定し,臨床的に分類できないものをなくすとともに,そういった病態がのちにaHUSとして診断される可能性を否定していない。他にもいったんaHUSあるいは二次性TMAと診断されたあと治療反応性などをもとに診断を見直す必要があることも明確化した。さらに,今回はじめて「aHUSに対し抗C5抗体薬は推奨されるか」というCQを作成し,推奨を提示した。希少疾患で,エビデンスレベルの高い比較試験がなく,CQに対する推奨文の作成が敬遠されがちな領域であるが,ここでは臨床課題に答えるべく,誤解を恐れず踏み込んで記載している。最後に,診療のフローチャートを新たに作成しており,診療の時間経過のなかでチェックリストとして利用いただければ幸いである。 今後,aHUSの診断がより正確に行われ,適切な治療につながることを願ってやまない。

序文

はじめに

本ガイドは,厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)「血液凝固異常症等に関する研究班」の支援を受け作成されたものである。

本邦では,まず2013 年に日本腎臓学会と日本小児科学会から「非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診断基準」が公表された。その後,抗C5抗体薬の使用に関して若干の混乱がみられたことから,同じく日本腎臓学会と日本小児科学会より「非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2015」が作成され,補体の関与を明確にした形でaHUSが定義された。

本ガイドは約8 年ぶりに発表する全面改定版であり,最新のエビデンスを盛り込んでアップデートしている。抗C5抗体薬登場以来,多くのエビデンスが積み重なってきたが,実臨床では依然としてaHUSの診断や治療を適切に行うことが大変困難であることが再認識された。こうした状況を踏まえ,本ガイドでは,aHUSを「補体介在性TMA」と,より補体の直接的な関与を明確にするように定義し直している。またTMAを呈するが,明確な原因の特定ができないものを「その他のTMA」として,STEC-HUS,TTP,aHUS,二次性TMAに続く4 つ目のTMAのカテゴリーとして新たに設定し,臨床的に分類できないものをなくすとともに,そういった病態がのちにaHUSとして診断される可能性を否定していない。他にもいったんaHUSあるいは二次性TMAと診断されたあと治療反応性などをもとに診断を見直す必要があることも明確化した。さらに,今回はじめて「aHUSに対し抗C5抗体薬は推奨されるか」というCQを作成し,推奨を提示した。希少疾患で,エビデンスレベルの高い比較試験がなく,CQに対する推奨文の作成が敬遠されがちな領域であるが,ここでは臨床課題に答えるべく,誤解を恐れず踏み込んで記載している。最後に,診療のフローチャートを新たに作成しており,診療の時間経過のなかでチェックリストとして利用いただければ幸いである。

今後,aHUSの診断がより正確に行われ,適切な治療につながることを願ってやまない。


2023年5月

非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド改定委員会
委員長  香美祥二
副委員長 丸山彰一

目次

序章

本ガイド改定の背景と目的

本ガイドがカバーする内容に関する事項(スコープ)

作成手順

エビデンスレベルの評価,推奨グレードのつけ方

資金・利益相反

第1章 疾患概念・定義

1.疾患定義とその変遷

2.病態生理

第2章 aHUS診断

1.症状

2.診断の手順

3.難病診断基準

4.鑑別診断

 a.TMAの診断とTMA類似疾患の鑑別

 b.STEC-HUS

 c.TTP

 d.妊娠

 e.腎移植

 f.高血圧緊急症/悪性高血圧

 g.二次性TMAおよびその他のTMA

5.海外におけるExpert Opinion

6.各種検査

 a.遺伝学的検査

 b.抗H因子抗体

 c.補助診断

第3章 疫学

有病率,予後

第4章 疾患各論

原因別解説,遺伝子,その他

第5章 治療

1.治療総論

2.治療各論

 a.抗C5抗体薬 CQ:aHUSに対し抗C5抗体薬は推奨されるか

 b.抗C5抗体薬治療の中止

 c.血漿療法(血漿交換/血漿輸注)

 d.赤血球および血小板補充治療

第6章 aHUS診療に関する注意点

1.小児のaHUS診療に関する注意点

2.抗C5抗体薬治療を行う際の感染症にかかわる注意点

3.腎移植時の注意点

4.妊娠に関する注意点

   構造化抄録

   索引

   利益相反(COI)開示

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書籍情報

  • ISBN:9784885637407
  • ページ数:88頁
  • 書籍発行日:2023年6月
  • 電子版発売日:2024年10月30日
  • 判:A4変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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