• ページ数 : 432頁
  • 書籍発行日 : 2022年9月
  • 電子版発売日 : 2024年11月7日
4,620
(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 84pt ( 2 %)
m3ポイント:1%相当 point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

われわれがやっていることが正しいとは限りませんし,今後もこのマニュアルを改訂し続けていく所存ですが,これから新生児医療を志す世代の先生方や,全国各地で赤ちゃん達に向き合うNICU スタッフの皆様にもこのマニュアルをご活用いただき,この先の新生児医療をともに考えていけたらと願っています。 皆様の日々の診療や研修に少しでもお役に立てれば幸いです。

序文

第7版の序


1986年に初版を出版した「神奈川県立こども医療センター 新生児診療マニュアル」は,2014年までに第6版まで改訂を重ねて,今回8年ぶりに第7版の発行となりました。

この8年間で,神奈川県立こども医療センター新生児科の診療は大きく変わりました。26年間稼働してきたNICU病棟を,集中治療と家族支援の両立を目指して増改築し,リニューアルオープンしました。新生児科医が増員され,後輩世代の人財育成の期間でした。

第7版は引退していく第6版の執筆陣とともに,未来を担う若手メンバーとで繰り返し勉強会を行い,それをもとに若返りした執筆陣で全面改訂いたしました。新たに生まれ変わった新生児科のスタートラインとなるべく作成したマニュアルです。

新生児医療にもEBMや診療ガイドラインが普及しつつあり,マニュアルの存在意義も再考いたしました。今回,優れた診療ガイドラインを拠り所にするべき箇所は,思い切って削除しました。一方で,広域・高度化している臨床の現場で,EBMだけでは,日々の診療で目の前の赤ちゃんとご家族に何をしてあげられるか迷うことが多いのも新生児医療の実際だと考えます。実情に合わないと感じる科学的根拠のみを記載することを避けながら,広域・高度化に対応する現場に即して,大幅に加筆・修正しました。

新生児医療における医学の進歩や技術革新は日進月歩です。未来に向けてわかること,できることは必ず増えていきます。その知識や科学技術に溺れず,NICUにやってくる赤ちゃんたちに適切に活用して,今よりもよりよい未来を届けられる「NICU医療」をこれからも皆さまと一緒に探していきたいと願っています。

われわれがやっていることが正しいとは限りませんし,今後もこのマニュアルを改訂し続けていく所存ですが,これから新生児医療を志す世代の先生方や,全国各地で赤ちゃん達に向き合うNICUスタッフの皆様にもこのマニュアルをご活用いただき,この先の新生児医療をともに考えていけたらと願っています。皆様の日々の診療や研修に少しでもお役に立てれば幸いです。


2022年8月

豊島勝昭

目次

第7版の序……豊島勝昭

監修・編集・執筆者一覧

本書で使用される略語一覧

1 新生児管理

1 正常新生児の管理

a.母児同室基準

b.管理指針

c.低血糖予防

d.黄疸管理

e.退院基準

f.退院後のケア

2 産科との連携

a.入院予定患者カンファレンス

b.胎児カンファレンスと親への説明

c.初回面会

d.生後ごく早期に死亡した場合

3 家族への対応

a.入院に際しての家族への説明

b.面会時間(新型コロナウイルス感染症非流行時の対応)

4 分娩室での蘇生

a.準備

b.蘇生の実際

5 入院時および入院中の検査・処置

a.入院時検査

b.入院時処置

c.眼底検査

d.新生児マススクリーニング

e.リハビリテーション

6 感染予防

a.病棟入室者の感染予防

b.診療時の感染予防

c.カテーテル感染予防

d.感染モニタリング

7 新生児の褥瘡・皮膚のトラブル

8 保育環境

a.入院時

b.コット移行

c.閉鎖型保育器から開放型保育器への移行

9 輸液療法

a.適応

b.出生体重1,500g以上および正期産児

c.出生体重1,000~1,499gの児

10 栄養計画(経腸・経口)

a.母乳栄養

b.母乳育児支援

c.在胎35週以降に出生した母乳栄養の新生児に対する補足

d.短期間入院の正期産児,または正期産に近い週数で生まれた児の母乳育児

e.人工栄養・ドナーミルク

f.経管栄養の適応と注意

g.少量経管栄養

h.母乳を誤って与えた場合の対応

11 在宅医療への移行計画

a.経管栄養

b.在宅酸素療法(HOT)

c.気管切開での退院条件

d.高度在宅医療(とくに在宅人工呼吸管理)

12 予防接種

13 退院後のフォローアップ

a.フォローアップ対象

b.新生児科

c.眼科

14 NICUフォローアップカンファレンス

a.目的

b.構成人員

c.対象

d.方法

15 新生児搬送

16 バックトランスファー

a.目的

b.準備

c.条件

d.手順

2 検査

1 画像診断

a.X線単純撮影検査

b.X線造影検査

c.造影CT

d.ガドリニウム造影MRI

e.頭部エコー

f.頭部MRI

g.頭部CT

h.amplitude-integrated electroencephalogram(aEEG)

i.心エコー

2 モニタリング

a.動脈血圧モニタリング

b.経皮的酸素分圧(TcPO2)・経皮的二酸化炭素分圧(TcPCO2)モニタリング

3 呼吸器系検査

a.気道陰圧試験(内視鏡・胸部CT検査)

b.血液ガスによる酸素化の指標

c.換気力学測定

d.気管支ファイバー

4 生理検査

a.新生児聴覚スクリーニング(自動ABR装置)

b.心電図

c.肺高血圧(PH)の評価

d.24時間多チャンネルインピーダンスpH(MII-pH)モニター検査

e.十二指腸液検査(Meltzer-Lyon法)

5 胎盤検索

a.適応

b.肉眼的観察の方法

c.切り出し

d.組織学的検索

e.胎盤組織学的所見とその解釈

3 処置

1 血管カニュレーション

a.末梢動脈カニュレーション

b.臍動静脈カニュレーション

c.末梢挿入中心静脈カテーテル(PIカテーテル)

2 呼吸管理

a.酸素療法

b.nasal high flow

c.経鼻持続陽圧

d.気管挿管

e.挿管中の管理

f.間歇的強制換気(IMV)

g.高頻度振動人工換気(HFO)

h.NAVA(neurally adjusted ventilatory assist)

i.換気グラフィックモニター

j.呼吸管理中の鎮静・筋弛緩

k.抜管

l.下咽頭挿管

m.気管切開

3 輸血

a.適応

b.準備

c.輸血量

d.輸血時間

e.輸血ルート

f.病棟での血液保存

g.フィルター

h.輸血後チェック事項

i.超緊急輸血

4 交換輸血

a.適応

b.注意点

c.使用血液

d.交換血液量

e.ルート

f.交換速度

g.交換輸血中の管理

h.終了後の管理

5 穿刺

a.胸腔穿刺

b.腰椎穿刺

6 栄養輸液

a.適応

b.輸液ルート

c.輸液内容

d.合併症

e.周期的中心静脈栄養(cyclic TPN)

7 十二指腸栄養

a.適応

b.方法

c.注意

d.管理

8 血液浄化療法

9 脳室-腹腔シャントおよび脳脊髄液リザーバー管理

a.頭皮下髄液リザーバー(Ommayaリザーバー)の穿刺・排液

b.脳室-腹腔シャント(V-Pシャント)

c.脳室-心房シャント(V-Aシャント)

10 窒素吸入療法(低酸素換気療法)

a.目的

b.対象疾患

c.適応

d.方法

e.目標SpO2

f.注意点

4 異常と対策

1 ハイリスク児

a.超早産児全般

b.早産および極低出生体重のSGA児

c.後期早産および正期産のSGA児

2 糖・電解質異常

a.低血糖

b.高血糖

c.refeeding症候群

d.低ナトリウム血症

e.高ナトリウム血症

f.低カリウム血症

g.高カリウム血症

h.低カルシウム血症

i.高カルシウム血症

j.低リン血症

k.高リン血症

l.低マグネシウム血症

m.高マグネシウム血症

3 呼吸

a.急性呼吸障害一般

b.呼吸窮迫症候群(RDS)

c.新生児一過性多呼吸(TTN)

d.胎便吸引症候群(MAS)

e.dry lung症候群

f.leaky lung症候群

g.肺出血

h.エアリーク

i.無気肺

j.気道狭窄(咽頭狭窄,喉頭狭窄,気管・気管支狭窄/軟化症)

k.抜管困難

l.新生児慢性肺疾患(新生児CLD)

m.無呼吸発作

4 循環

a.新生児期に問題となる心疾患

b.未熟児動脈管開存症(未熟児PDA)

c.新生児遷延性肺高血圧症(PPHN)

d.新生児高血圧

e.不整脈

f.先天性心外シャント疾患

g.双胎間輸血症候群(TTTS,慢性)

h.急性腎障害(AKI)

i.胎児水腫

j.先天性乳び胸

5 脳神経

a.新生児仮死,低酸素性虚血性脳症(HIE)

b.脳室周囲白質軟化症(PVL)と白質障害(white matter injury)

c.脳梗塞(watershed infarctionを除く)

d.新生児けいれん(新生児発作,neonatal seizure)

e.正期産児の頭蓋内出血

f.早産児の脳室内出血(IVH)・出血後水頭症

g.先天性筋強直性ジストロフィー(その他のフロッピーインファントを含む)

h.先天性多発性関節拘縮症(AMC)

i.二分脊椎・脊髄髄膜瘤

6 血液・黄疸

a.黄疸

b.新生児溶血性疾患

c.Down症候群に伴う一過性骨髄異常増殖症(TAM)

d.胆汁うっ滞

e.胆道閉鎖症

f.新生児肝不全

g.新生児ヘモクロマトーシス

h.貧血

i.多血症

j.播種性血管内凝固(DIC)

k.新生児同種免疫性血小板減少症(NAIT)

l.血栓症

7 感染症

a.先天性・周産期感染症

b.全身重症感染症(敗血症・髄膜炎)

c.真菌感染症

8 消化器・外科疾患

a.哺乳障害

b.嘔吐

c.吐血・下血

d.壊死性腸炎(NEC)

e.胎便病

f.消化管異常

g.腹壁異常(臍帯ヘルニア・腹壁破裂など)

h.先天性横隔膜ヘルニア(CDH)

i.先天性囊胞性肺疾患

j.腹部腫瘤

k.泌尿生殖器疾患

9 内分泌・代謝

a.晩期循環不全

b.先天代謝異常

c.糖尿病母体児

d.甲状腺機能異常

e.未熟児骨減少症

10 その他

a.未熟児網膜症(ROP)

b.分娩損傷

付録

1 公式集

2 基準値

a.CRPの早期新生児の生理的変化

b.気道吸引液・肺リンパ液・血漿・羊水の組成

c.正常新生児の凝固因子

d.在胎週数,出生体重による凝固因子活性,凝固検査値,血小板数

3 診断・検査

a.母体血中胎児ヘモグロビン検査

b.アプトテスト

c.マイクロバブルテスト

4 治療

a.超低出生体重児check list

b.極・超低出生体重児の栄養管理チェックシート

c.産科・小児科・NICUで流行する可能性のある感染症対策

d.新型コロナウイルス感染症対策

e.NICU抗菌薬・抗真菌薬初期投与

f.薬用量

①抗菌薬

②抗ウイルス薬

③抗真菌薬

④おもな静注用薬剤

⑤内服薬

索引

和文索引

欧文索引

数字・ギリシャ文字・記号索引

POINT

カップ授乳の注意点

一定期間内に必要な乳汁量の1例

HOTでの退院時の家族への説明

換気力学的指標に基づく呼吸器設定の基礎知識

臍動静脈カニュレーション挿入の要点

PIカテーテル挿入の要点

極低出生体重児の呼吸管理方針

oxygen reduction test

心電図モニターで簡便にwide QRS(変行伝導を伴うPACとPVC)を鑑別する方法

除細動の実際

TTTSの重症度評価

Apgarスコア

新生児けいれんの原因

表在脳実質性軟髄膜出血の画像

頭囲拡大,脳室拡大の評価

TAM診療の注意点

CaとPの必要量

低リン血症や尿Ca/Cr高値への対応

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:14.2MB以上(インストール時:38.3MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:56.9MB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:14.2MB以上(インストール時:38.3MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:56.9MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784885637377
  • ページ数:432頁
  • 書籍発行日:2022年9月
  • 電子版発売日:2024年11月7日
  • 判:B6変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍が必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。