地域リハビリテーション論 Ver.9

  • ページ数 : 156頁
  • 書籍発行日 : 2024年10月
  • 電子版発売日 : 2024年11月13日
2,860
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商品情報

内容

地域リハにかかわる各職種必携の書
2024年度のトリプル改定(診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬)についての最新情報を加えてバージョンアップ !


地域リハの全体像を学べると好評をいただく本書。
「Ver.9」(=第9版)は、2024年に行われた6年ぶりの診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬のトリプル改定に伴う情報を反映させてバージョンアップ。

「2025年問題」を目前に、全国の各市町村で地域包括ケアシステムの構築に向けたさまざまな取り組みが行われるとともに、地域リハビリテーションへの関心が高まっています。地域リハのありかたを理解し、自身の視点を持つことは、医療・介護従事者だけでなく、地域包括ケアに取り組む市町村職員にとっても必須です。

本書では、地域リハ活動の歴史や介護保険との関わりを網羅し、支援の体制づくりや今後の地域リハについても言及。リハ職を目指す学生、および高齢者や障害者を地域で支える職種の方に必携の教科書です。

序文

序にかえて

問題の2025 年はすぐそこに迫った。地域包括ケア研究会は2010 年3 月の報告書で「2025 年に実施を目指す地域包括ケアシステムの姿」を発表し,2012 年の診療報酬・介護報酬の同時改定でも2025 年を目指して地域包括ケアシステムの推進を図ることとされてきた。

1998 年に厚生省(当時)では,澤村誠志先生を中心に「地域リハビリテーション支援体制」の検討がされ,翌年,地域リハビリテーション連携指針(マニュアル)が出された。国は助成金を出して,全国都道府県に地域リハビリテーション体制を整備し,地域包括ケアシステムの側面支援を図ってきた。この両システムがしっくり融合しないと,団塊世代がすべて75 歳以上になる2025 年からの介護予防事業は実を結ばないと考えられる。

思えば1986 年に兵庫県リハビリテーションセンター長だった澤村誠志先生は兵庫県で地域リハビリテーションシステム委員会を立ち上げ,後に地域リハビリテーション支援体制に発展させた。一方,1984 年頃に広島県御調町公立みつぎ総合病院院長の山口昇先生が,寝たきり老人対策として地域包括医療・ケアを始め,寝たきり老人ゼロ作戦やゴールドプラン等を経て地域包括ケアシステムに発展させた歴史があった。

2018 年に出版された澤村誠志先生著『地域リハビリテーションと私』(シービーアール)の中に両者の対談がある。その中で両先生は,地域リハビリテーションのゴールは「インクルージョン」であり,地域包括ケアシステムのゴールは「共生社会」であるとし,両制度は「別々のルートをたどって山頂を目指すがゴールは同じ」と話しておられる。そして両先生は二つの言葉は同義語であると断じ切っておられる。私は,この二つの制度がうまく融合することが,2025 年以降の介護予防課題を解決する土台であると信じている。

この書に深く目を通せば,現在の地域リハビリテーションの諸課題が分かる。しかも最後の下斗米貴子氏の症例が,「難しいことを論じているが,私に役に立つのか」と当事者から問いかけられているように思われて,身が引き締まるのである。


2024年8月18日

大田仁史

目次

第1章 地域リハビリテーション活動の歴史・・・大田仁史

Ⅰ.第1期(個別活動期:~1983年頃まで)

 1.保健師の訪問活動から始まる

 2.社会的孤立への対応(閉じこもり予防)としての活動の芽生え

 3.ネットワーク化の動き

Ⅱ.第2期(全国展開期:1983~1999年頃)

 1.法制の後押し

 2.諸活動

Ⅲ.第3期(再編・混乱期:2000年頃~現在)

 1.介護保険にかかわるリハビリテーション

Ⅳ.第4期(統合・完成期:~将来)

第2章 地域リハビリテーションの考え方と定義・・・大田仁史

 1.地域リハビリテーションの考え方

 2.地域リハビリテーションの定義

 3.活動指針

 4.2016年度定義改定

第3章 地域リハビリテーションの諸サービス・・・浜村明徳・下斗米貴子

Ⅰ.地域リハビリテーションとリハビリテーション医療

 1.地域リハビリテーションと在宅リハビリテーション

 2.地域リハビリテーションとリハビリテーション医療

Ⅱ.在宅リハビリテーション諸サービス

 1.介護予防事業等

 2.通院・通所によるサービス

 3.訪問サービス

 4.入所・入院サービス

Ⅲ.地域リハビリテーション関連サービス

 1.居宅介護支援事業(ケアマネジメントサービス)

 2.テクニカルエイドサービス(福祉用具貸与・購入費支給,住宅改修費支給等)

 3.その他のサービス

Ⅳ.各専門職の果たす役割

 1.障害のとらえ方

 2.リハビリテーションの流れの中での考え方

 3.地域リハビリテーションにおける各職種の役割

 4.地域リハビリテーションにかかわる他の職種の役割

第4章 介護保険とリハビリテーション・・・澤 俊二

Ⅰ.介護保険制度導入の背景

Ⅱ.諸外国の状況

Ⅲ.介護保険制度の概要

 1.理念

 2.介護保険の目的

 3.介護保険法の基本理念

 4.介護保険の仕組み

 5.介護サービス利用の仕組み

 6.介護サービスとサービス上限額,自己負担率,サービス料

 7.介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割

Ⅳ.介護保険法改正(2005年度)による制度見直しの具体的内容

 1.基本的な視点

 2.制度見直しの具体的内容

Ⅴ.2025年「地域包括ケアシステム」の確立を目指して

Ⅵ.2012年度介護保険法等の一部改正の具体的内容

Ⅶ.介護保険法改正により「医療介護総合確保推進法」成立(2014年6月)

Ⅷ.高齢者の地域におけるリハビリテーションの新たな在り方検討会(2014年9月~2015年3月)

Ⅸ.認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)2015年1月 策定

X.介護保険法の改正・介護報酬の改定(2015年4月)

XI.地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律(2017年7月公布)

 1.地域包括ケアシステムの深化・推進

 2.介護保険制度の持続可能性の確保

XII.医療報酬・介護報酬同時改定(2018年4月)

XIII.介護報酬改定(2022年4月)

XIV.医療・介護・障害福祉サービス等報酬改定(2024年6月)

XV.介護保険制度の問題点と課題

XVI.介護保険とリハビリテーション

 1.介護予防

 2.リハビリテーションと介護保険制度

 3.介護保険制度下で介護予防に働く力

 4.PT・OT・STの役割

XVII.介護保険とリハビリテーションにおける課題と展望

 1.地域リハビリテーションと介護保険制度,地域包括ケアシステムの課題

 2.介護支援専門員に左右されるリハビリテーションサービス

 3.自宅と施設で完結する制度の課題

 4.自立度向上を評価し,公表するシステムと報奨制度の欠如(2000年)とアウトカム評価〔成功報酬(2018年)〕の導入

 5.訪問リハビリテーションの単位の減算の問題

 6.リハビリテーション・介護の効果を上げる質的向上の手法の開発

 7.老人保健法に基づく機能訓練事業の魂を通所リハ,通所介護,訪問リハ,地域支援事業,総合事業に継承を

 8.地域包括支援センターの課題

 9.ターミナルケアに終末期リハビリテーションの導入を

第5章 地域リハビリテーションのシステム―連携とネットワークづくり―・・・浜村明徳

Ⅰ.地域リハビリテーションにおける連携

 1.連携が期待される背景

 2.地域における連携

Ⅱ.地域リハビリテーション支援体制づくり

 1.国際的な地域リハビリテーションの支援体制

 2.これまで行われたわが国の地域リハビリテーションの支援体制

 3.地域包括ケアシステムとこれからの地域リハビリテーション 

Ⅲ.地域リハビリテーションシステムづくりの事例

 1.私的病院の地域リハビリテーション活動

 2.北九州市の顔の見える関係づくりを目的とする専門職連携教育活動

第6章 事例を通してみる援助の実際・・・下斗米貴子

 〔症例1〕70代 女性 第1腰椎偽関節 低カリウム性周期性四肢麻痺

 〔症例2〕50代 女性 脳動脈奇形 左中大脳動脈閉塞症 症候性てんかん

 〔症例3〕70代 男性 脳梗塞 陳旧性心筋梗塞 狭心症 心房細動 うっ血性心筋梗塞 

前立腺癌


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書籍情報

  • ISBN:9784895908276
  • ページ数:156頁
  • 書籍発行日:2024年10月
  • 電子版発売日:2024年11月13日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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