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- 新篇眼科プラクティス 16 結膜のミカタ
商品情報
内容
結膜の正しい「診かた」を学び,日常診療の「味方」となる,若手からベテランまで必携の一冊.豊富な写真で視覚的にもわかりやすく,基本知識から診断・治療,最新の話題まで体系的に理解できる.
【シリーズ概要】
「日常臨床にすぐ役立つ」をコンセプトとした「眼科プラクティス」の最新シリーズ.今シリーズでは図版をより効果的に示すことで,さらにビジュアル面を大幅強化.直感的に理解できる「視る教科書」を目指した.
序文
新篇眼科プラクティスシリーズ
序文
眼科学に数多くの書籍があれど,1992 年から2009 年までⅡ期にわたって刊行された「眼科プラクティスシリーズ」ほど,眼科医の書架を占拠した本はないでしょう.当初は隔月刊で,後に月刊となり,計131 巻が刊行されました(1992 年からの第Ⅰ期が101 巻,2005 年からの第Ⅱ期が30 巻).1 冊ごとにテーマが設定され,臨床に必要な知識が最新データとともに要領よくまとめられたもので,いわゆるムック本として多くの眼科医に愛されました.足掛け18 年にわたって刊行された同シリーズは,増え続ける眼科医療情報を,正確かつタイムリーにまとめ,日常臨床にすぐ応用できる形で提供することにより,眼科成書の歴史に名を残すベストセラーとなりました.
前シリーズ終了から13 年が経ち,令和時代の眼科に合った形でのプラクティスシリーズ復活を要望する声が寄せられていました.検査器機の進歩,デジタル化とネットワーク化,新たな薬剤の開発,治療法の多様化,再生医療の導入,遠隔診療やAI 診療に向けた動きなど,眼科学の進歩は以前に比べてさらに加速している感があります.情報の新陳代謝が一層活発になった現状を鑑みるに,最新知見を実践的に解説する分冊型シリーズの復刻が期待されるのは,故無きことではないと思われます.
2020 年に,9 年振りに大改訂を行った「眼科学 第3 版」を刊行しました.眼科学に関する基本的な知識を網羅した「眼科学 第3 版」の刊行を受け,編集に携わった大鹿哲郎,園田康平,近藤峰生,稲谷 大の4 名は,より臨床の現場に即した実際的な知識・技術,最新の情報を扱う「新篇眼科プラクティスシリーズ」の立ち上げを企画しました.前Ⅱシリーズのレガシーを尊重しつつ,かつ時代の要請に応えた編集方針としています.
新シリーズが目指す特徴の1 つは,“ ビジュアル化” です.正確で詳細な知識の提供も重要ですが,多種の情報が溢れる現代において,わかりやすく記憶に残るプレゼンテーションをすることも重要です.視覚に訴える紙面作りによって,忙しい臨床の先生方に手に取っていただきやすい教材とし,“ 読む教科書”であると同時に“ 視る教科書” を目指しました.
各巻の編集企画は,原案を複数回の編集会議で繰り返し検討し,徹底的にブラッシュアップしました.執筆は,第一線の現場で臨床に携わっておられる方々にお願いしています.そして,出来上がった校正刷りを元に編集会議でさらに議論し,内容の一層の充実を図りました.
この新シリーズが,忙しい眼科医および眼科関係者の一助となり,眼科医療に少しでも貢献することを願い,序文と致します.
シリーズ監修 大鹿哲郎
シリーズ編集 園田康平
近藤峰生
稲谷 大
「結膜のミカタ」序文
結膜は,涙液の分泌,免疫防御,眼表面の保護など,多岐にわたる重要な機能を担っています.このため,結膜の異常や疾患は,日常診療で頻繁に遭遇する問題であり,その診断と治療は眼科臨床において不可欠なスキルとなります.しかしながら,結膜疾患はしばしば軽微なものとして扱われ,適切な診断や治療が遅れることも少なくありません.「たかが結膜炎」ということなかれ.本書『結膜のミカタ』は,そうした状況に一石を投じ,結膜疾患に対する深い理解と実践的な診療技術を身につけるための道しるべとして企画いたしました.
臨床の現場では,新人医師がまず初めに細隙灯顕微鏡を用いて結膜や角膜の観察を学びますが,次第に水晶体や眼内レンズ,さらには眼底検査へと関心が移り,結膜の観察を十分に行わなくなることがあります.しかし,結膜疾患は単なる炎症にとどまらず,腫瘍性病変や自己免疫疾患など,重篤な疾患の兆候となることもあり,これを見逃すことは患者に重大な影響を与えかねません.
本書では,多くのエキスパートの先生方にご協力いただき,結膜疾患の診断と治療に必要な知識を網羅的かつ分かりやすく解説しています.具体的な病態解説だけでなく,臨床における観察のポイントや診断のプロセスを丁寧に取り上げることで,結膜の観察に対する理解を深め,日々の診療に直結する実践力を身につけていただけるように構成されています.
以前発刊された『角膜のミカタ』(新篇眼科プラクティス15)と同様に,『結膜のミカタ』もまた,視覚的にわかりやすく,診療の場ですぐに役立つ教科書として作成しました.両書を併せて使っていただくことで,前眼部疾患の診療における自信を深め,日常臨床において「結膜と角膜のエキスパート」としての役割を果たしていただけることを願っています.
本書が,皆様の診療において確固たる「ミカタ(味方)」となり,結膜疾患の治療においてさらなる一歩を踏み出すきっかけとなることを期待しています.
2024年10月
堀 裕一
目次
【総説】
眼表面の守護神・結膜~粘膜組織としての役割~
【解説】
Ⅰ.総論
1.構造
1)結膜
2)マイボーム腺
2.機能と生理
1)結膜
2)マイボーム腺
3.検査
1)結膜疾患の症状と問診
2)充血の鑑別
3)細隙灯顕微鏡検査
[O]眼瞼の翻転
[O]結膜濾胞と結膜乳頭の違い
4)眼脂検査
5)細胞検査(インプレッションサイトロジー・共焦点顕微鏡)
6)涙液検査
[T]結膜血管の画像解析:AIを用いた解析
Ⅱ.各論
1.感染性結膜疾患
1)流行性角結膜炎・咽頭結膜熱
2)急性出血性結膜炎
3)ヘルペスウイルスによる結膜炎
4)細菌性結膜炎
5)クラミジア・淋菌性結膜炎
6)寄生虫
7)小児の感染性結膜炎
[T]抗菌薬の適正使用
[T]ウイルス性結膜炎診療ガイドライン
2.アレルギー性結膜疾患
1)アレルギー性結膜炎(通年性,季節性)
2)アトピー性角結膜炎
3)春季カタル
4)コンタクトレンズ装用とアレルギー
[T]アレルギー性結膜疾患におけるproactive療法
[T]アレルギー性結膜疾患の診療ガイドライン:概要と診療に活用するポイント
[T]アレルギー性結膜疾患における洗眼
[T]アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法・IgE 抗体療法の開発
3.眼瞼縁・マイボーム腺の疾患
1)MGDの検査と診断
2)MGDの治療
3)霰粒腫・麦粒腫
4)デモデックス
5)lid wiper epitheliopathy
4.結膜腫瘍
1)結膜母斑
2)デルモイド
3)結膜嚢胞
4)結膜乳頭腫
5)結膜リンパ増殖性疾患
6)結膜上皮内癌・扁平上皮癌
7)結膜悪性黒色腫
[T]結膜腫瘍に対する羊膜移植術
5.薬剤の副作用
1)緑内障点眼と結膜炎
2)薬剤による結膜炎
[T]IL-4/IL-13阻害による結膜炎
6.難治性眼表面疾患
1)Stevens-Johnson症候群
2)眼類天疱瘡
3)移植片対宿主病(GVHD)
4)瞼球癒着に対する外科的治療
7.その他
1)結膜下出血
2)結膜弛緩症
3)結膜結石
4)上輪部角結膜炎
5)眼窩脂肪ヘルニア
6)瞼裂斑炎
7)リグニアス結膜炎
[O]Bitot班
[T]結膜嚢のアルカリの流し方
索引
One Point Advice=[O]
Topics=[T]
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書籍情報
- ISBN:9784830656293
- ページ数:208頁
- 書籍発行日:2024年11月
- 電子版発売日:2024年11月16日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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