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- 新版 経絡系統治療システム〈VAMFIT〉―だれでもできる経絡的治療―
商品情報
内容
●VAMFIT(Verification of Affected Meridians For Instantaneous Therapy)は経絡治療の基本寒熱証に対する本治法,およびその寒熱の波及部位から発生する主訴に関わる正経十二経,十八 絡脈,奇経八脈,十二経筋のすべてを包含した治療体系となっている.
●だれにでも短期間で身につけられる単純,明快,合理的な治療方法として,古典医学に根拠をおいて提示する一冊.
●新版では,既存の経脈では対応できなかった症例にも効果を発揮する「素経脈」の考え方を解説.奇経治療の内容も補足し,臨床でのさらなる活用が可能に.
序文
新版の序
前版『変動経絡検索法〈VAMFIT〉』が出版されたのは2003 年(平成15 年)であった.これまで,鍼灸師,柔道整復師,医師をはじめ,多くの読者に受け入れていただき,増刷が何回もされてきたことは,著者にとって望外の喜びである.読者,および関係者の皆様に心から感謝申し上げる.
初版発刊から21 年も経っている現在まで改訂を行わなかったのは,著者の怠慢であると反省しきりであるが,この間に,この書籍で提示した治療システムについての学習・研究の場としての「天地人治療会」が発足し,その学術大会も開催されるようになった.そのテキストとして使用するためにも,読者の理解を助けるためにも,加筆して内容を充実させることが急務となり,新版を出すことになった.なお,これを機に,「変動経絡検索法(VAMFIT)」の名称を改め,「経絡系統治療システム(VAMFIT)」を正式名とする.今回の大きな変更点は,「素経脈」についての章が新たに加えられたことである.「素経脈」とは,『黄帝内経』(『素問』刺腰痛篇第四十一)の記載から読み解ける正経十二経の各経脈の隙間を埋めている経脈のことである.経絡系統を用いた治療を行っていくなかで,既存の経脈だけでは対応できない愁訴に遭遇することがある.特に,愁訴部位を直接流れる経絡がない場合である.しかし,このような時も「素経脈」の認識があると容易に解決するため,この臨床的価値は計り知れない.
その他,「時任奇経」と「VAMFIT-奇経本治法(「新治療システム」改め)」の項など,前回省略してしまった奇経治療の内容についても補足し,十分な説明を加え,臨床に活用できるようにした.
この本一冊で,経絡系統を実践するに必要十分な内容を網羅しているため,東洋医学的な治療を志す鍼灸師にとって,日常の鍼灸臨床で困ることはないと自負している.さらに完成度の高い東洋医学的な治療を目指したい場合には,拙著『天・地・人治療』と併せて読んでいただくと,これまでもっぱら縦系と考えられてきた経絡についての横系としての側面とその運用方法が理解できると思う.
本書が,鍼灸臨床を学ぶ方や日々臨床に勤しんでいる方のために少しでもお役に立てれば幸いである.また,前版『変動経絡検索法〈VAMFIT〉』に対する様々なご意見をお寄せいただいた方々にも感謝申し上げる.
2024年8月吉日
木戸 正雄
目次
第1章 VAMFITへの導入
1.はじめに
2.VAMFITの簡単体験
第2章 VAMFITの概説
1.経絡の調整ですべての疾患を治療できる
2.経絡治療における診断
3.本治法と標治法
4.主訴をとるのには寒熱波及経絡への施術が有効
5.動作に対応して変動経絡が決定できるか?
6.頸部を診ることが全体を診ることである
7.変動経絡が運動障害を起こす
8.頸部で全経絡の診断ができる
9.頸部は気街としても最重要部位である
10.診断穴,治療穴としての頸入穴
11.頸入穴と下合穴との位置的関係
12.大絡と下合穴
13.頸入穴と変位下合穴
第3章 VAMFITの実際(頸入穴VAMFIT)
1.VAMFIT(頸入穴VAMFIT)の運用法
1)VAMFITに使用する要穴
2)変動経絡(寒熱の波及している経絡)検索の仕方
3)補助的変動経絡検索[腰部のVAMFIT]
4)治療方式
5)本治法への運用
2.霊亀八法について
3.治療効果の比較
1)VAMFITと霊亀八法の比較
2)本治法のみと本治法プラスVAMFITの比較
4.腰痛を惹き起こす異常経絡と特効穴である委中との関係
5.VAMFIT運用上の留意点
1)刺鍼による愁訴の変化の把握
2)治療順序の原則
3)本治法の効果判定も頸部の変化で
6.VAMFIT運用時の刺鍼穴の意義
1)入穴=絡穴
2)根穴=井穴
3)溜穴=原穴
7.症例
8.症例のまとめ
1)いわゆる五十肩の例
2)複視の例
9.VAMFITの利得
10.脈位脈状診の訓練に活用
11.この章のまとめ
第4章 霊背兪穴VAMFITと刺熱穴VAMFIT
1.頸部膀胱経で行う治療の簡単体験
2.頸部に膀胱経一行線の穴がある
3.頸部後側に大杼・風門・肺兪・厥陰兪・心兪がある
4.2種の背兪穴を使い分ける
5.刺熱論における督脈上の兪穴
6.霊背兪穴VAMFITと刺熱穴VAMFIT(霊背兪穴・刺熱穴の診断と治療)
7.症例
第5章 VAMFITの応用
1.正経十二経以外の寒熱の波及部位
2.奇経八脈への応用
3.VAMFIT―奇経本治法(「新治療システム」改め)について
1)新治療システム
2)奇経治療について
3)時任奇経について
4)新宗穴の設定
5)奇経本治法
6)VAMFIT―奇経本治法
7)脈診によるVAMFIT―奇経本治法診断
4.陰陽表裏一対療法
5.十八絡脈・十二皮部への応用
6.十二経別への応用
7.経脈・絡脈・経別流注図
8.十二経筋への応用
第6章 「素経脈」(正経十二経にも奇経にも属さない経脈)とその臨床
1.正経十二経にも奇経にも属さない経脈
2.『黄帝内経』(『素問』刺腰痛篇第四十一)における素経脈について
1)素経脈の検討
2)素経脈と奇経の関係
3.『黄帝内経素問』(刺腰痛篇第四十一)における素経脈の流注
4.腰痛の原因となる足の「素経脈」と足の三陰三陽経絡
5.足の「素経脈」の重要穴
6.手の素経脈の重要穴
7.その他の重要穴と素経脈の流注
8.素経脈を臨床に活かす
9.「天・地・人―水熱穴治療」と四肢の治療
10.素経脈が「腕か針」の治療領域を拡大する
11.症例
第7章 天・地・人のシステム(VAMFITと併用したい治療システム)
1.気街と天・地・人
2.動脈拍動部と衝脈の気街
3.気街システム完成のヒント
4.連結部は重要部位
5.八虚,八谿,大谷十二分は連結部
6.小宇宙としての人間
7.「天・地・人」治療システムの原則
8.臍は小宇宙としての人体の中心
9.「標幽賦」の天・地・人
10.四総穴の天・地・人との対応
11.三焦は「天・地・人」の「人(体幹)」
12.三焦の治穴
13.症例
14.VAMFITと天・地・人の交点の運用例
15.刺鍼の深浅の天・地・人
16.横に流れる経脈
17.刺鍼してよい経穴(刺鍼要求穴)と刺鍼してはいけない経穴(刺鍼拒否穴)
18.治療家の心得
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書籍情報
- ISBN:9784263241097
- ページ数:228頁
- 書籍発行日:2024年11月
- 電子版発売日:2024年11月21日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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