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- こだわる! 神経ブロック 下肢
商品情報
内容
神経ブロック麻酔は骨盤や下肢の手術において不可欠な技術であり,その効果的な実施は術後の患者の快適性や回復速度に直結します. 歴史を理解し,多面的に適応を判断し,自分の得意な手技だけに固執することなく,より良い方法を探求する指導医の目線と手技を詳しく学べる1冊. 整形外科医による執刀医の視点での下肢手術術式の解説により,現場でよりよい麻酔の実践につながる! 解剖学的構造や超音波画像の詳細な解説と症例に基づく実践的なアプローチが,下肢神経ブロックの初心者からベテランまで臨床現場で即座に活用できる内容.
序文
序文
昨年の上肢編に続き,「こだわる! 神経ブロック」の下肢編を形にすることができました.本書も,神経ブロックの初心者からベテランまで,下肢の神経ブロックについて「アップデートしたい!」と思ったときに活用できることを目指しています.
今回の「下肢編」では,前作以上に多くの専門家にご協力いただきました.札幌医科大学整形外科学講座の先生方には,下肢手術の主要な術式について執刀医の視点からわかりやすく解説していただいています.また,麻酔科の執筆陣は,EDRA(欧州区域麻酔学会の専門医)を取得した,もしくは取得を目指しているような,情熱と国際的な視点を併せ持つ方々であり,最新の知見を基に基礎から応用まで幅広く解説していただきました.本書の解説を通して,読者の皆さまが自信を持って神経ブロックの技術を活用できるようサポートします.
本書のもうひとつの特徴は,単なる下肢神経ブロックの手技解説にとどまらない多岐にわたる内容です.指導医は,患者の状態・合併症リスク・術式の特徴・施行者の技術などを総合的に考慮して最適なブロックの適応を判断しています.また,「神経ブロックvs. 脊髄幹麻酔」や「神経ブロックvs. 膝関節周囲注射」といった手技の比較にも触れました.歴史を理解し,多面的に適応を判断し,また自分の得意な手技だけに固執することなく,常に広い視野を持ってより良い方法を探求する.本書はそんな指導医の目線をイメージして,実践的な内容になるように構成しています.
「術後鎮痛の質」が,手術を受けた患者の満足度だけでなく,術後回復やリハビリテーションなどさまざまな影響を及ぼすと感じている読者がいらっしゃるのではないでしょうか.間違いなく,下肢の神経ブロックは術後マルチモーダル(多面的な)鎮痛を支える重要な柱となります.本書にある,神経ブロックの質を向上させるためのさまざまな「こだわり」を,ぜひ自分のものにしてください.
最後に,上肢編に続いて監修いただいた山蔭道明教授,編集意向を汲んで丁寧に対応してくださった中外医学社の上岡里織様・笹形佑子様,下肢手術や神経ブロックに情熱を注ぐ執筆者の皆さま,そして支えてくれた家族に深く感謝いたします.この本が読者の皆さまの診療や活動に少しでも役立つことを願っています.
2024年9月
五輪橋整形外科病院麻酔科
汲田 翔
札幌医科大学医学部麻酔科学講座
澤田 敦史
目次
CHAPTER 1 解剖,歴史,ブロック解説
SECTION 1 下肢の臨床解剖〈汲田 翔〉
1.下肢の支配神経
2.末梢枝の支配領域
SECTION 2 歴史〈中澤圭介〉
1.全身麻酔と局所麻酔の始まり
2.脊髄くも膜下麻酔の始まり
3.20世紀半ばまでの脊髄幹ブロックの歴史
4.脊髄幹ブロックから末梢神経ブロックへの変遷と現代の風景
5.下肢ブロックの歴史―3 in 1 Block
6.周術期抗凝固療法による鎮痛戦略の変化
7.ESRA股関節置換術の鎮痛ガイドライン2019
8.ESRA膝関節置換術の鎮痛ガイドライン2022
SECTION 3 大腿神経ブロック〈相川勝洋〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.体表のランドマーク
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
9.描出のポイント
10.穿刺のポイント
11.薬剤投与のポイント
12.カテーテル挿入のポイント
13.文献考察
SECTION 4 大腿三角・内転筋管ブロック〈藤野隆史〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.体表のランドマーク
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
9.描出のポイント
10.穿刺のポイント
11.薬剤投与のポイント
12.カテーテル挿入のポイント
13.文献考察
SECTION 5 外側大腿皮神経ブロック〈汲田 翔〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.体表のランドマーク
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
9.描出のポイント
10.穿刺のポイント
11.薬液投与のポイント
12.文献考察
SECTION 6 閉鎖神経ブロック〈吉田敬之〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.体表のランドマーク
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
9.描出のポイント
10.穿刺のポイント
11.薬剤投与のポイント
12.文献考察
SECTION 7 腰神経叢ブロック〈佐古澄子 小野寺美子〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.体表のランドマーク
【外側アプローチ】
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
【Shamrockアプローチ】
9.穿刺時の写真
10.超音波解剖
11.描出のポイント
12.穿刺のポイント
13.薬剤投与のポイント
14.カテーテル挿入のポイント
15.文献考察
SECTION 8 腸骨筋膜下ブロック〈菊池 賢〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.体表のランドマーク
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
9.描出のポイント
10.穿刺のポイント
11.薬剤投与のポイント
12.カテーテル挿入のポイント
13.文献考察
SECTION 9 PENGブロック〈菊池 賢〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.体表のランドマーク
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
9.描出のポイント
10.穿刺のポイント
11.薬剤投与のポイント
12.カテーテル挿入のポイント
13.文献考察
SECTION 10 iPACKブロック(膝窩動脈関節包間ブロ
〈津久井亮太 酒井規広〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.体表のランドマーク
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
9.描出のポイント
10.穿刺のポイント
11.薬液投与のポイント
12.文献考察
13.内転筋管から膝窩神経叢をブロックできる?
SECTION 11 坐骨神経ブロック(傍仙骨)〈津久井亮太〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.体表のランドマーク
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
9.描出のポイント
10.穿刺のポイント
11.薬液投与のポイント
12.文献考察
13.坐骨神経と梨状筋の位置関係
14.Parasacral ischial plane(PIP)block
SECTION 12 坐骨神経ブロック(臀下部・前方・膝窩部)〈村木真美〉
1.総説
【臀下部アプローチ】
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.体表のランドマーク
7.穿刺時の写真
8.超音波解剖
9.描出のポイント
10.穿刺のポイント
11.薬剤投与のポイント
12.カテーテル挿入のポイント
13.文献考察
【前方アプローチ】
14.効果範囲
15.適応
16.合併症
17.体位
18.体表のランドマーク
19.穿刺時の写真
20.超音波解剖
21.描出のポイント
22.穿刺のポイント
23.薬剤投与のポイント
24.カテーテル挿入のポイント
25.文献考察
【膝窩部アプローチ】
26.効果範囲
27.適応
28.合併症
29.体位
30.体表のランドマーク
31.穿刺時の写真
32.超音波解剖
33.描出のポイント
34.穿刺のポイント
35.薬剤投与のポイント
36.カテーテル挿入のポイント
37.文献考察
SECTION 13 足関節ブロック〈加賀屋菜々 笹川智貴〉
1.総説
2.効果範囲
3.適応
4.合併症
5.体位
6.描出のポイント
7.穿刺のポイント
8.薬液投与のポイント
9.文献考察
CHAPTER 2 下肢手術 術式の解説
SECTION 1 大腿骨近位部骨折 整形外科〈小助川維摩〉
1.疾患情報
2.手術適応
3.手術法・使用デバイス・展開のアプローチの種類
4.手術体位
5.手術による合併症
6.術後リハビリ
7.麻酔科に要望すること
SECTION 2 大腿骨近位部骨折 麻酔科〈石岡慶己〉
1.術後痛の程度
2.必要となる麻酔・神経ブロック
SECTION 3 人工股関節全置換術(THA)整形外科〈小助川維摩〉
1.疾患情報
2.手術適応
3.手術法・使用デバイス・展開のアプローチの種類
4.手術体位
5.手術による合併症
6.術後リハビリ
7.麻酔科に要望すること
SECTION 4 人工股関節全置換術(THA)麻酔科〈菊池 賢〉
1.術後痛の程度
2.必要となる麻酔・神経ブロック
SECTION 5 人工膝関節全置換術(TKA)整形外科〈岡田葉平〉
1.疾患情報(概要)
2.手術適応
3.手術法
4.手術体位
5.手術による合併症
6.術後リハビリ
7.麻酔科に要望すること
SECTION 6 人工膝関節全置換術(TKA)麻酔科〈酒井規広〉
1.想定される術後痛の程度
2.必要となる麻酔・神経ブロック
3.術後のリハビリテーションへの対応と介入―麻酔科医の視点から
4.整形外科医・麻酔科医―お互いへの期待と要望
SECTION 7 外反母趾手術 整形外科〈村橋靖崇〉
1.疾患情報
2.手術適応
3.手術法・使用デバイス・展開のアプローチの種類
4.手術体位
5.手術による合併症
6.術後リハビリ
7.麻酔科に要望すること
SECTION 8 外反母趾手術 麻酔科〈羽二生 顕 笹川智貴〉
1.足関節ブロック
2.坐骨神経ブロック
3.術式によって麻酔方法は変更すべきか
4.リバウンドペインを予防するためには
SECTION 9 大腿切断術 整形外科〈岡田葉平〉
1.疾患情報(概要)
2.手術適応
3.手術法
4.手術体位
5.手術による合併症
6.術後リハビリ
7.麻酔科に要望すること
SECTION 10 大腿切断術 麻酔科〈汲田 翔〉
1.術後痛の程度
2.必要となる麻酔・神経ブロック
CHAPTER 3 Clinical Questionsに応える
SECTION 1 合併症〈新田麻子〉
CQ1—1 術後神経障害の現状や予防法を知りたい
CQ1—2 実際に神経障害が発生した場合の診察や評価について知りたい
CQ1—3 神経ブロック後の術後転倒事故を予防する対策について知りたい
SECTION 2 下肢手術に対する脊髄幹麻酔・下肢ブロックの現在地〈津久井亮太〉
CQ2—1 下肢手術に対する,脊髄幹麻酔と神経ブロックの使い分けについて知りたい
コラム 日帰り手術とmotor sparing block〈吉田敬之〉
CHAPTER 4 整形外科手技を理解する
SECTION 1 徹底解剖! 膝関節周囲多剤注射〈汲田 翔〉
1.概要
2.膝関節周囲の解剖と投与部位
3.効果
4.使用する薬剤
5.局所麻酔薬中毒
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書籍情報
- ISBN:9784498056206
- ページ数:178頁
- 書籍発行日:2024年11月
- 電子版発売日:2024年11月14日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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