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- 産業保健と看護別冊 心のエネルギーのマネジメント
商品情報
内容
メンタルヘルス不調は検査データのように視覚化できないため、自分の対応になかなか自信が持てない……本書はそんな産業保健スタッフが、対象者の心のエネルギーの状態を適切に把握し、上手にマネジメントして元気に働けるよう支援する方法を解説する。
序文
はじめに
この本を手に取られたあなたは、産業保健スタッフの方でしょうか? 人事・労務の方でしょうか? はたまたメンタルヘルス不調の部下を抱えた上司の方でしょうか?
お手に取られた時点で、すでにメンタルヘルスケアに対して関心をお持ちだと思います。本書は基本的に、産業保健スタッフがメンタルヘルスケアのために行う面接技法について書かれたものですが、人事・労務、上司の方にもお役に立てる部分はあると思います。
産業保健スタッフが行うメンタルヘルスケアの対応については、厚生労働省の示す「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に関しては「職場における心の健康づくり」というリーフレットがあります。「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」にも、同じタイトルのリーフレットがあります。ストレスチェックに対しては「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」が出されています。ですので、それらをご覧になれば、何をするのかという知識は身につきます。ただ、知識があるということと、産業保健という実践の場で対応できるということには大きな隔たりがあります。手引きやマニュアルには、面接で具体的に何をどう話すかという実践知が欠けているからです。
医療系の国家試験に合格したからといって、臨床の場で即座に対応できるわけではありません。国家試験に合格しているから知識はあるはずなのに、即座に実践へ応用が利かないのはなぜなのでしょう。これは当たり前の話で、知識と実践を結び付けるトレーニングがなされていないからです。そのため、国家資格を取ったばかりの医療従事者に対しては、臨床の現場で知識と実践を結び付けるトレーニング期間が設けられています。
一方、産業保健の場合はどうでしょうか? 保健師の資格を取り、産業看護職に就くと決めて、体系的にトレーニングを受けましたか?特にメンタルヘルスケアに関して、どう面接を行うのか、どう判断するのか、明確な方法論は確立されているとは言えません。多くの方が個人個人で実践を積みながら学んでいくという設定になっているのではないでしょうか。
本来、実践知は実践の場で学んでいくものであり、どこまで紙ベースで学べるかという問題はあります。ただ、どのようにするのかというパターンを知ることは、本からでもできます。
一例ですが、メンタルヘルス不調者に対してよく「無理をしないで」と声掛けすると思います。この「無理」とは何かを言語化できますか? あなたの思っている「無理」という状態は、目の前のメンタルヘルス不調者の方と共有できているでしょうか? 本書では言語化する方法、共有する方法を、一つのパターンとして提示しています。
この本がメンタルヘルスケアに対する面接技法の一つとして、みなさまのお役に立てれば幸いです。
2024年10月
楠本 朗
目次
【第1章 メンタルヘルスケアが難しいのはなぜ?】
・1 メンタルヘルスケアにおける産業保健スタッフの役割
・2 メンタルヘルス不調の把握の難しさ
・3 心のエネルギーという概念
・4 エネルギーを枯渇させないために
・5 心のエネルギーのマネジメントのサポート
〈コラム〉
ジャネの予言
単なる仮説では?
【第2章 心のエネルギーのマネジメントとは】
・1 心のエネルギーの見積もりトレーニングの順番
・2 復職判定における心のエネルギーの見積もり
・3 業務の量と質を把握し調整する
・4 心のエネルギーメーターを作成する
・5 エネルギー低下時の注意事項
・6 エネルギーの消耗を来しやすい考え方
・7 復職判定終了時
・8 フォロー面接1
・9 フォロー面接2
・10 フォロー面接3
・11 フォロー面接4
・12 フォロー面接5
〈コラム〉
生活記録表
業務の把握
「気分転換に外へ」は正しい?
完璧主義の上司
スキルトレーニングのタイミング
再休職したときの振り返り
【第3章 専門医につなぐかどうかを見きわめる】
・1 専門医につなぐべきか求められる判断
・2 判断とは比較すること
・3 もともととの比較(連続性の確認)
・4 常識との比較
・5 「理解」に必要なニュートラルな姿勢
・6 心のエネルギー量の見積もり
〈コラム〉
もともとどうだった?
過剰な了解を慎み、過剰な説明を警戒する
専門医に紹介するタイミング
脳内裁判絶賛審理中!
【第4章 心のエネルギーのマネジメント活用事例】
・1 限界を否認するケース
・2 ゴール未確定でエネルギーを枯渇させたケース
・3 躁状態でも治療を嫌がるケース
・4 幻覚妄想を認めるケース
・5 ADHDのケース
・6 介護問題を抱えたケース
・7 「考えなさい」といっても考えないケース1
・8 「考えなさい」といっても考えないケース2
〈コラム〉
アラフィフの否認
上司の不安マネジメント
抗うつ薬の効果をどう説明する?
自他を区別するシールド
上司の評価スタイル
「期待」という怒りの原因
上司の教育スタイル
「はあ」と答える若者
主治医への情報提供依頼書
【第5章 メンタルヘルスケアにおける面接とは】
・1 メンタルヘルスケアにおける3つの業務
・2 面接方法に正解はある?
・3 面接する環境は適切ですか?
〈コラム〉
マネジメントシステム
メーガーの「3つの質問」
メンタルヘルスケアのだいご味
・引用・参考文献
・おわりに
・執筆者紹介
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書籍情報
- ISBN:9784840487573
- ページ数:164頁
- 書籍発行日:2024年12月
- 電子版発売日:2024年11月27日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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