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- ⑥最新 網膜循環疾患コンプリートガイドー所見・検査,疾患と診断・治療のすべて<眼科診療エクレール>
商品情報
内容
網膜循環疾患の診療は,近年,急速に進歩した眼底画像検査―とくにOCTの普及やOCTAの導入と,新規薬剤―抗VEGF薬の登場により,大きく様変わりした.本書では,経験豊富なエキスパートが,最新のエビデンスに基づいて,網膜循環疾患の所見・検査,疾患と診断・治療を網羅して詳しく解説.眼科のなかで最も“hot”な領域である網膜循環疾患の診療のすべてがここにある.
序文
序文
長年,網膜循環疾患の病態評価は視力検査,眼底検査,フルオレセイン蛍光眼底造影(FA)が中心であった.しかし近年,急速に進歩した眼底画像検査によって,従来はよく分からなかった病態が次々と明らかにされ,病態理解に基づいた治療が行われるようになってきた.特にOCT の功績は極めて大きく,これまでの2次元の評価から,網膜の精細な3 次元観察が可能となった.そして,OCT Angiography(OCTA)の導入も,病態理解に大きな進歩をもたらした.OCTA では網膜毛細血管網の各層を生体下で非侵襲的に描出することが可能となり,網膜毛細血管網や新生血管に関する新しい知見が次々と得られるようになった.当初,撮影は3 mm × 3 mm の黄斑部の狭い範囲に限られていたが,技術革新によって,あっという間に眼底周辺部までの広範囲の網膜血管像が描出できるようになった.近い将来,OCTA がFA にとって代わる時期が来ることが予感される.
その一方で,網膜循環疾患の治療は長い間,網膜光凝固が中心であった.網膜無灌流領域に対する光凝固によって,硝子体出血や新生血管緑内障の予防が行われている.しかし,網膜循環疾患のもう一つの課題であった黄斑浮腫に対しては,格子状光凝固,硝子体手術,ステロイド,t− PA など様々な治療が行われてきたものの,決して満足のいく結果は得られなかった.そんな中で,抗VEGF 薬の登場が黄斑浮腫診療を一変させたのは間違いない.ただ,抗VEGF 薬は即効性があり,効果は劇的ではあるが,その反面で再発が課題でもある.OCT により網膜厚を繰り返し定量的に計測することが可能になったことで,現在行われているようなPRN レジメンでの抗VEGF 薬投与が普及するようになり,視力予後は格段に改善している.
本書では,経験豊富なエキスパートの先生方に,網膜循環疾患の所見・検査,疾患と診断・治療について,最新のエビデンスに基づいて,網羅的にご解説をお願いした.ご執筆くださった先生方に,厚く御礼を申し上げる.
近年の眼底画像検査の進歩によって網膜循環疾患の病態理解が深まり,新たな評価が可能となった結果,マネージメントは大きく変化した.新規薬剤の登場によって,治療方法も様変わりした.しかし,かつてFA がゴールドスタンダードであった時代のBVO study やCVO study の結果は,今でも重要な教訓として残されている.変化する臨床の場にあっても,これらの教訓を忘れることのないように願うものである.
2024年10月
担当編集 辻川明孝
目次
Chapter 1 所見
1.1 正常 (大音壮太郎)
TOPICS 高解像度OCTAで見る網膜毛細血管構造
TOPICS OCTAの加算平均法を用いた脈絡膜毛細血管板イメージング
1.2 出血 (コンソルボ上田朋子)
1.3 無灌流領域(NPA) (村尾史子,三田村佳典)
TOPICS OCTAの画像解析から得られた毛細血管網の新知見
1.4 網膜新生血管 (坪井孝太郎)
1.5 硬性白斑 (荻野 顕)
TOPICS 硬性白斑の超微細構造
1.6 軟性白斑 (松原 央)
1.7 黄斑浮腫 (本田 茂) 1.8 retinal whitening (引地泰一)
1.9 高血圧変化,動脈硬化 (張野正誉)
1.10 disorganization of the retinal inner layers(DRIL) (村上智昭)
Chapter 2 検査
2.1 フルオレセイン蛍光眼底造影(FA) (森 隆三郎)
2.2 インドシアニングリーン蛍光眼底造影(ICGA) (稲垣美保,安川 力)
2.3 OCT(光干渉断層法) (松宮 亘)
2.4 OCT angiography(OCTA) (加登本 伸)
2.5 網膜撮影 (平野隆雄)
TOPICS 最近の話題-AI眼底カメラ
2.6 レーザードップラー (長岡泰司)
2.7 レーザースペックルフローグラフィ(LSFG) (廣岡季里子,石田 晋)
2.8 AO-SLO(補償光学付き走査型レーザー検眼鏡) (中尾新太郎)
Chapter 3 疾患と診断
3.1 単純糖尿病網膜症(DR) (福津佳苗,野田航介)
3.2 増殖糖尿病網膜症(PDR) (岩瀬 剛)
3.3 糖尿病黄斑浮腫(DME) (森 雄貴)
COLUMN DMEの疫学
TOPICS OCTA所見とDMEの関係をめぐる最近の研究
3.4 未熟児網膜症(ROP) (福嶋葉子)
3.5 網膜動脈分枝閉塞症(BRAO) (海保朋未,馬場隆之)
3.6 網膜中心動脈閉塞症(CRAO) (佐藤大夢,中澤 徹)
3.7 網膜静脈分枝閉塞症(BRVO) (長谷川泰司)
3.8 網膜中心静脈閉塞症(CRVO) (志村雅彦)
3.9 parafoveal acute middle maculopathy(PAMM) (福山 尚)
3.10 網膜細動脈瘤(RAM) (木村修平)
3.11 黄斑低形成 (松下五佳)
3.12 家族性滲出性硝子体網膜症(FEVR) (近藤寛之)
3.13 黄斑部毛細血管拡張症(MacTel) (古泉英貴)
TOPICS MacTel type 2診療の最新動向
3.14 網 膜血管腫状増殖(RAP),perifoveal exudative vascular anomalous complex(PEVAC) (橋谷 臨,丸子一朗)
COLUMN retinal capillary macroaneurysm
3.15 Coats病,Eales病 (齊藤千真,秋山英雄)
3.16 放射線網膜症 (河野剛也)
3.17 高血圧網膜症 (西信良嗣)
3.18 血液疾患に伴う網膜変化 (兼子裕規)
3.19 COVID-19感染・ワクチン接種後の網膜血管障害 (慶野 博)
3.20 大動脈炎症候群(高安病,脈なし病) (井上裕治)
3.21 腎性網膜症 (望月清文,坂口裕和)
3.22 妊娠網膜症 (石龍鉄樹)
3.23 眼虚血症候群 (喜田照代)
3.24 近視眼に生じる血管関連病態 (山城健児)
3.25 先天網膜血管異常 (永井由巳)
3.26 結核性ぶどう膜炎 (武田篤信)
3.27 梅毒性ぶどう膜炎 (髙瀬 博)
3.28 サイトメガロウイルス網膜炎(CMVR) (蕪城俊克)
3.29 急性網膜壊死(ARN) (臼井嘉彦)
3.30 フォン・ヒッペル・リンドウ病(VHL病) (高橋綾子)
TOPICS VHL病の新規治療薬HIF-2α阻害薬への期待
3.31 網膜血管増殖性腫瘍(VPRT) (加瀬 諭)
3.32 眼外傷,網膜振盪 (恩田秀寿)
3.33 インターフェロン網膜症 (野崎実穂)
3.34 Purtscher網膜症 (恩田秀寿)
3.35 緑内障 (井上俊洋)
TOPICS 網膜における神経血管ユニットの機能と障害
Chapter 4 治療
4.1 汎網膜光凝固と黄斑浮腫の予防 (村田敏規)
4.2 毛細血管瘤に対するレーザー光凝固 (瓶井資弘)
4.3 抗VEGF(血管内皮増殖因子)治療 (高村佳弘)
4.4 ステロイド療法 (杦本昌彦)
4.5 硝子体手術 (田中 慎,門之園一明) TOPICS 術前の抗VEGF 薬投与の意義と注射時期
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書籍情報
- ISBN:9784521750569
- ページ数:336頁
- 書籍発行日:2024年11月
- 電子版発売日:2024年12月6日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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