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- 京大眼科版 基礎からのOCT・OCTA入門
商品情報
内容
豊富なOCT・OCTAの画像を提示し,読影ポイントを解説しています。また,OCT・OCTA活用の疾患別解説では,京大眼科の専門外来におけるノウハウが凝縮されています。
専攻医,若手眼科医におすすめです。日々の疾患の診断や治療にお役立て下さい。
序文
序文
わが国でOCTが一般的になりだしたのは,OCT3000が販売された2002年にさかのぼります。それから二十数年を経て,OCTは日常臨床で欠かすことのできない検査機器になりました。今では,OCTで得られた所見に基づいた疾患の病態理解や治療マネージメントが一般化しました。
OCTがこのように普及した理由はいくつかあります。まずは,非散瞳下で非侵襲的に,かつ単時間に撮影が可能であることが挙げられます。受診するごとに繰り返し検査が可能であり,OCT所見に基づいた治療方針の決定や, 治療効果の判定が可能となりました。次に,眼底検査と異なり,検査画像を他者と共有することができる上に,数値データとして評価できる点が挙げられます。最後に,診療報酬点数が算定できることも大きな理由となるでしょう。
今やOCT検査は,日常診療で欠かすことのできないものになっていますが,効率的な検査や読影を行うためには,ある程度の慣れや知識が必要です。まず,何と言っても正常像を理解することが最も重要です。正常所見を知らなければ異常を指摘できないのは言うまでもありません。さらに,それぞれの疾患に応じて注目すべき箇所を知ることが重要です。緑内障の評価には,cpRNFLや黄斑部の縦スキャンから神経線維層,神経節細胞層に注目しますし,MEWDS,AZOORが疑われる場合には,視細胞の外層,エリプソイドゾーンに注目します。また早期・中期加齢黄斑変性では,網膜色素上皮下のドルーゼン,上皮上のシュードドルーゼン,神経網膜内のhyperreflectivefociに注目する必要があります。
本書では,京大眼科の専門外来で培ってきたOCTの活用方法を具体的な症例をもとに解説しています。京大眼科の経験のエッセンスがぎゅっと凝縮した内容となっています。読者の皆様にとって,明日からの診療の一助となることを願っています。
2024年11月
京都大学大学院医学研究科眼科学 教授
辻川明孝
目次
1章 OCT読影の基礎
1 OCTの原理
2 自覚症状と問診
3 撮影のコツ
4 正常所見とアーチファクト
5 異常所見の見方
①硝子体
②出血
③白斑,hyperreflective foci
④網膜剥離
⑤網膜虚血
⑥脈絡膜
⑦黄斑部新生血管
⑧滲出性変化
⑨神経線維束欠損
⑩外層萎縮(変性疾患,黄斑疾患を含む)
6 en-face OCTの原理・見方
7 前眼部OCTの原理,正常所見と異常所見の見方
8 術中OCTの原理・活用
9 AO-OCTの原理・活用
2章 OCTA読影の基礎
1 OCTAの原理
2 正常所見とアーチファクト
3 OCTAのパラメーター
4 異常所見の見方
①無灌流領域
②網膜新生血管
③黄斑部新生血管
3章 OCT・OCTAの診療への活用
1 前眼部疾患
2 緑内障
3 網膜硝子体界面病変(後部硝子体剝離,黄斑円孔,硝子体黄斑牽引症候群)
4 黄斑上膜
5 網膜剝離
6 糖尿病網膜症
7 網膜動脈閉塞症
8 網膜静脈閉塞症
9 網膜細動脈瘤
10 病的近視
11 パキコロイド関連疾患
12 ドルーゼン,PED
13 滲出型加齢黄斑変性
14 萎縮型加齢黄斑変性
15 黄斑疾患(黄斑部毛細血管拡張症)
16 黄斑部炎症性疾患
17 黄斑部新生血管
18 網膜変性疾患
19 ぶどう膜炎
20 腫瘍
21 視神経疾患
4章 OCTの用語
OCT所見の用語
5章 Q&A
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書籍情報
- ISBN:9784784914050
- ページ数:264頁
- 書籍発行日:2024年11月
- 電子版発売日:2024年12月14日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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