プライマリ・ケア医のための基本薬の使い分け

  • ページ数 : 320頁
  • 書籍発行日 : 2024年12月
  • 電子版発売日 : 2024年12月17日
4,400
(税込)
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商品情報

内容

「この病態にはどの薬を選ぶ?」「この薬を使うときの注意点は?」「新薬はどうやって使えばいい?」
診療時のこれらの疑問に最短アクセス!
全20章、疾患や薬効分類別に、これだけは知っておきたい「基本薬」に焦点を絞り、使い分けや留意点をまとめました。
各章の執筆は新進気鋭の中堅医師が担当し、総合診療医・伊東完氏が編集を担当。実臨床に即したノウハウとともに、「使い分けの表」など図表を多用しており、「非専門領域における定番の薬物療法」「事典では会得しにくい各領域の薬の重み付け」のイメージを固めるのに役立つ1冊です。
医師向け勉強会サービス「Dr.’s Prime Academia」の連動企画で好評だった講演を基に、それぞれの演者による書き下ろしを加えました。

<本書で取り上げるテーマ>
解熱鎮痛薬/ステロイド経口薬・注射薬/高血圧治療薬(基礎編)/高血圧治療薬(応用編)/抗不整脈薬/抗凝固薬/抗血小板薬/抗ヒスタミン薬/抗アレルギー薬/気管支喘息薬/便秘薬/過敏性腸症候群治療薬/糖尿病治療薬(基礎編)/糖尿病治療薬(応用編)/抗菌薬(静注薬編)/抗菌薬(経口薬編)/前立腺肥大症治療薬/過活動膀胱治療薬/アトピー性皮膚炎治療薬/褥瘡治療薬

序文

はじめに


私がドクターズプライム社を初めて知ったのは、2022年の夏だった。当時の私は専攻医として当時所属していた筑波大学附属病院・病院総合内科コースの広報も担っていたが、それを見た当時ドクターズプライム社の社員だった大貫康平様から、医師向けの勉強会視聴サービス「Dr.’s Prime Academia」での講演依頼のご連絡をいただいた。しかし、ドクターズプライム社は創業して数年のベンチャー企業である。ようやくコワーキングスペースから移動して東京・浅草にオフィスを構えられたという段階なので、資金も決して潤沢ではなかったであろう。講演の報酬として所属する診療科の宣伝をしてよいという話であったが、言い換えれば、これは金銭的報酬が発生しないという意味でもあった。

当初、Dr.’s Prime Academiaの講演依頼にいわゆる「大御所」と呼ばれる医師が集まらなかったのは、必然であった。ところが、この世はおもしろくできていて、Dr.’s Prime Academiaの周りには新進気鋭の医師が集まってきた。事実上の無報酬でも自分の考えを世間に発信したいと思う医師がたくさんいたのである(何を隠そう、私もその一人だった)。こうして、ベンチャー企業ならではの明るさと高揚感が、どこか閉塞感のある医療現場で日々奮闘している草莽(そうもう)の医師へと伝播した。ドクターズプライム社を仲立ちにして医師同士の交流も盛んになり、2022年末に行った忘年会も大盛況に終わった。人材不足と金銭不足に苦しみながらも、封建的かつ閉鎖的な日本の医療界を、皆が全力で駆けていた。

そうこうしているうちに、ドクターズプライム社の知名度が上がった。元々は(ベンチャー企業の例にもれず)大企業相手に闘争心を燃やしていた同社にも、大企業と連携する機会が増えた。大企業向けに、質の担保された特別企画を組む必要が生じるわけである。老舗の医療情報サイトである日経メディカルとの連携が始まったのも、この段階である。両者の意見のすり合わせを経て、本書の元になる「初期研修医がおさえたい薬のつかいわけ」企画が始まった。これは名前の通り、プライマリ・ケアにおける頻用薬の使い分けを扱う講演企画で、主にDr.’s Prime Academiaの立ち上げ当初から関わっている医師の中でも当該領域に精通したメンバーがその解説に当たることになった。

私はこの企画に、一人の演者としてだけでなく、オブザーバーとしても参加していた。しかし、実際に企画が始まってみると、私の想定とは全く異なるコンテンツが次々と生まれて仰天した。「薬のつかいわけ」というからには当該分野の薬剤を均一に網羅することを想定していたのだが、蓋を開けてみれば演者の好みが色濃く反映されたコンテンツになっていたのである。つまり、薬剤ごとに濃淡がはっきりしており、メリハリが付いていた。中には、企画名を度外視して、1つの薬剤をとにかく全力で推す演者もいた。結果として、当初の想定とは全く異なるコンテンツになってしまったものの、「これはこれで面白い!」ということで、ドクターズプライム社や日経メディカルのメンバーとの作戦会議を経て、企画をそのまま続行することにしたわけである。

この「薬のつかいわけ」企画を文章に起こしたのが本書である。活字化されてなお、講演当時の熱気は健在だ。むしろ、書籍化する話が持ち上がったことによって、かえって勢いが出て、迫力が増しているようにすら感じてしまう。私としては、まず、このような熱意を共有する同時代人に恵まれた幸運に心から感謝したい。

本書はこの令和という時代の医療現場をともに駆ける同士のために作られた一冊であり、講演会でも見られた演者の好みもしっかりと反映されている本なので、もしかしたら共感や反感がある箇所があるかもしれない。そういった感想もぜひ、ご自身のプラクティスを見直すきっかけにしていただけると幸いである。最後に、これだけ個性的なメンバーが集まって1つの作品を作り上げるのは決して容易なことではない。本書の刊行をサポートいただいた日経メディカル編集部の江本哲朗様に、この場を借りて感謝申し上げます。


東京医科大学茨城医療センター
伊東 完

目次

はじめに

第1章 解熱鎮痛薬

冨塚 崇史 冨塚メディカルクリニック(宇都宮市)

第2章 ステロイド経口薬・注射薬

冨塚 崇史 冨塚メディカルクリニック(宇都宮市)

第3章 高血圧治療薬(基礎編)

西村 浩貴 Westchester Medical Center Nephrology Fellow

第4章 高血圧治療薬(応用編)

小鷹 悠二 おだかクリニック(宮城県多賀城市)

第5章 抗不整脈薬

栗本 真吾 徳島赤十字病院(徳島県小松島市)循環器内科

第6章 抗凝固薬

中田 円仁 浦添総合病院(沖縄県浦添市)循環器内科

第7章 抗血小板薬

井上 祥 井上内科クリニック(愛知県一宮市)

第8章 抗ヒスタミン薬

高原 恵理子 調布駅前クリニック耳鼻咽喉科(東京都調布市)

第9章 抗アレルギー薬

高原 恵理子 調布駅前クリニック耳鼻咽喉科(東京都調布市)

第10章 気管支喘息薬

庄司 浩気 かすがいクリニック(大阪府箕面市)

第11章 便秘薬

濱田 博史 名古屋大学感染統御学、浜田整形外科内科クリニック(愛知県美浜町)

第12章 過敏性腸症候群治療薬

横尾 貴史 土庫病院(奈良県大和高田市)消化器・肛門病センター

第13章 糖尿病治療薬(基礎編)

小林 尭広 防衛医科大学校病院総合臨床部

第14章 糖尿病治療薬(応用編)

小林 尭広 防衛医科大学校病院総合臨床部

第15章 抗菌薬(静注薬編)

伊東 完 東京医科大学茨城医療センター総合診療科

第16章 抗菌薬(経口薬編)

伊東 完 東京医科大学茨城医療センター総合診療科

第17章 前立腺肥大症治療薬

村上 泰清 村上クリニック(静岡市清水区)

第18章 過活動膀胱治療薬

村上 泰清 村上クリニック(静岡市清水区)

第19章 アトピー性皮膚炎治療薬

谷口 恭 谷口医院(大阪市北区)

第20章 褥瘡治療薬

庄野 文恵 ツカザキ病院(兵庫県姫路市)総合内科/リハビリテーション科

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書籍情報

  • ISBN:9784296205806
  • ページ数:320頁
  • 書籍発行日:2024年12月
  • 電子版発売日:2024年12月17日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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