レジデントのための これだけ抗菌薬

  • ページ数 : 304頁
  • 書籍発行日 : 2024年12月
  • 電子版発売日 : 2024年12月21日
4,840
(税込)
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商品情報

内容

研修医に必要な最低限の知識をコンパクトにまとめた入門書

「本当に“これだけ”にしてしまい、すみません」
抗菌薬はもちろん、抗真菌薬、抗ウイルス薬、それらを使いこなすための土台となる感染症診療の基本的な考え方、臨床で出会う主要な微生物のまとめなど、この本一冊でベッドサイドで抱えがちな感染症診療の悩みの大部分を解消できるのではないか、という自負があります。(まえがきより)

序文

はじめに

本書の執筆のお話を頂いたのは2023年の初夏、COVID-19が5類感染症になって間もない頃のことでした。普段から140文字を超える文章を書かない私。人様が見る書籍の執筆、しかも単著と、あまりのプレッシャーから、当時勤務先の近くにあった「ラーメン二郎」一橋学園店の小ラーメン(850円)ヤサイニンニクしか喉を通らず、夜も8時間しかグッスリ眠れない日々を送ったことが昨日のことのように思い出されます。この文章を皆さんが読んでいるということは本書が無事発刊されたということだと思いますが、この『これだけ抗菌薬』は読んで字のごとく、なんと抗菌薬についてのみ書いた教科書ではありません。

抗菌薬のことはもちろん、抗真菌薬、抗ウイルス薬、それらを使いこなすための土台となる感染症診療の基本的な考え方、臨床で出会う主要な微生物のまとめなど、「痒いところに手が届く」どころか、何が原因で痒いのか、痒みのメカニズムは何か、どの手でポリポリかくのが一番気持ちいいのか……に迫らんばかりの充実したコンテンツで構成されています。手前味噌で恐縮ながら、この本1冊だけでベッドサイドで抱えがちな感染症診療の悩みの大部分を解消できるのではないか、という自負があります。皆さんの感染症診療への理解を進める材料として通読してもよし、ベッドサイドでパッと見るクイック・リファレンスとしてもよし、末長くお役立ていただければ著者として恐悦の至りです。

なんと言いましょうか、本当に“これだけ”にしてしまい、すみません。そんな本書ですが、発刊までにはたくさんの方にご協力を頂きました。まずは既存の知識に多様性のエッセンスを添え奥行きを与えて下さった井本一也先生、毎日一緒に原稿を音読しエラーを忌憚なく指摘してくれた佐久間結菜先生、非専門の視点から鋭いコメントを寄せてくれた平岡修先生。そして豊富な臨床経験から繰り出されるさながら青天井の知識を元に、より実践的なアイディアを与えて下さった谷山大輔先生、私自身の感染症診療の手解きをし、コンサルタントとしての道標を示して下さった人生の師といっても過言でない小田智三先生。先生方どなたかのご協力を欠けば本書の完成はありませんでした。ここに最大級の深謝を申し上げます。

最後に、あまりにも自由すぎる締切の設定とほとんど無限とも言える修正で多大なご迷惑をお掛けしたにも関わらず、文句ひとつ言わず快く対応して下さった日本医事新報社編集部の皆様にはお礼の申し上げようもございません。

さて、この本を手に取った時点ですでに皆さんも感染症診療という沼(といってもキレイな沼)に腰まで浸かっているも同然です。

“Once done is half done.”

始めてしまえば半分終わったも同然なのです。ページをめくって、もう半分を始めてみませんか?


2024年12月

髙野哲史

目次

第1章 感染症診療の基本的アプローチ

1.1 感染症診療のロジック

1.2 その① 患者背景の把握

1.3 その② 感染臓器の診断

1.4 その③ 原因微生物の推定

1.5 その④ 抗微生物薬の選択

1.6 その⑤ 治療経過の予測と評価

第2章 細菌のグルーピング

2.1 7つのグループに分ける

2.2 グラム陽性ブドウ球菌

2.3 グラム陽性連鎖球菌

2.4 グラム陰性桿菌

2.5 グラム陽性桿菌

2.6 グラム陰性球菌

2.7 グラム染色で染まらない細菌

2.8 真菌

第3章 β-ラクタム系抗菌薬

3.1 β-ラクタム系抗菌薬の特徴

3.2 ペニシリン系抗菌薬

3.3 セフェム系抗菌薬

3.4 カルバペネム系抗菌薬

3.5 モノバクタム系抗菌薬

第4章 β-ラクタム系以外の抗菌薬

4.1 どんなときに使うか

4.2 フルオロキノロン系抗菌薬

4.3 テトラサイクリン系抗菌薬

4.4 マクロライド系抗菌薬

4.5 アミノグリコシド系抗菌薬

4.6 ST合剤

4.7 メトロニダゾール

4.8 リンコマイシン系抗菌薬

第5章 抗MRSA薬

5.1 抗MRSA薬とは

5.2 グリコペプチド系抗菌薬

5.3 リポペプチド系抗菌薬

5.4 オキサゾリジノン系抗菌薬

5.5 抗MRSA薬のまとめ

第6章 抗真菌薬

6.1 真菌感染症のアプローチ

6.2 アゾール系抗真菌薬

6.3 エキノキャンディン系抗真菌薬

6.4 ポリエン系抗真菌薬

6.5 その他の抗真菌薬

6.6 カンジダ血症のマネジメント

第7章 抗ウイルス薬

7.1 ウイルス感染症のアプローチ

7.2 抗インフルエンザ薬

7.3 抗ヘルペスウイルス薬

7.4 COVID-19治療薬

付録1:術後感染症予防のための抗菌薬の使い方

付録2:抗微生物薬「略号・一般名・商品名」早見表

付録3:妊娠と抗微生物薬

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書籍情報

  • ISBN:9784784901555
  • ページ数:304頁
  • 書籍発行日:2024年12月
  • 電子版発売日:2024年12月21日
  • 判:B5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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