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- きどにゃんとゆく!水・電解質を学ぶ旅 腎生理がわかれば、水・電解質異常がわかる! 改訂2版
商品情報
内容
水・電解質を理解する秘訣は,やっぱり腎臓の進化を学ぶこと.そして,最新のエビデンスもしっかり学ぶことでした. 腎臓に詳しい猫と一緒に腎臓の進化と腎生理について学ぶことのできる「きどにゃん」シリーズ,その最初の1冊が,初版の刊行から6年以上を経てついに改訂!
知的好奇心を刺激する面白さはそのままに,初版の刊行以降に蓄積された数多のエビデンスをたっぷりと盛り込んでアップデートしました.最初からじっくりと読みこんで,腎臓の進化に思いを馳せるもよし.臨床での相棒としながら,興味のある部分から読んでみるもよし.あなたなりの形で,きどにゃんとの旅を楽しんでください.研修医や若手医師はもちろん,腎臓についてもっと詳しく知りたいすべての人におすすめの一冊です.
また,2021年発行の「きどにゃんとゆく!酸塩基平衡を学ぶ旅 腎生理がわかれば、酸塩基平衡もわかる!」と合わせて読むと,さらに理解が深まります.
序文
改訂2版の序
本書「きどにゃんとゆく! 水・電解質を学ぶ旅 腎生理がわかれば、水・電解質異常がわかる!」の初版を執筆して,約6年の月日が経ちました.本書は,私にとって,「水・電解質異常」を腎生理を通じて理解する試みのきっかけを与えてくれたものです.
本書をはじめとした私が執筆した3冊のきどにゃんシリーズは,「腎生理・病態生理を理解して,水・電解質異常に対応しよう」というコンセプトが根底にあります.よって,理屈っぽい記載が多く,類書にあるようなマニュアル的な記載が少ないことから,私の周りの専攻医には,解りづらいという感想が多いのが事実でした.しかし,今回,改訂版の執筆の機会を頂いたということは,このコンセプトに関して,読者の皆様に一定のご支持をいただいたものと考えております.よって,本改訂においても,きどにゃんシリーズのコンセプトを堅持し,初版執筆時に私が理解していなかったことや,近年の「水・電解質異常」「腎生理」「心腎疾患」に関する進歩について等を,改定・追記しました.さらに,初版で述べなかった「高Na血症」「低K血症」,そして,超高齢社会に臨床に欠かせない「シックデイ・ルール」に関する項目を新たに追加しました.
最後に,日々の臨床場において私を支えてくださっている滋賀医科大学総合内科学講座・東近江総合医療センターの皆様,そして,初版の執筆時から,企画・編集に多大なるご尽力を賜りました小池亜美氏をはじめとした南山堂編集部の皆様に心からの感謝の意を表します.
2024年12月
きどにゃん 中の人
滋賀医科大学総合内科学講座 教授
国立病院機構東近江総合医療センター 内科診療部長
杉本俊郎
目次
総論 腎生理を簡単に理解する方法
第1話 腎臓の進化を考えると腎生理がわかる(前半)
魚から哲学者へ
淡水から,糸球体・遠位尿細管ができた
海に戻った魚,海からまた淡水へ戻った魚
第2話 腎臓の進化を考えると腎生理がわかる(後半)
落ちこぼれの魚 ~シーラカンスとハイギョ~
陸への挑戦 ~両生類,爬虫類~
代謝の亢進,高濾過・高吸収型の腎臓の哺乳類
第3話 原尿の旅 ~原尿の流れを理解すれば腎生理はわかる!~
尿細管が機能するための原則
近位尿細管の機能
ヘンレループの機能
遠位曲尿細管の機能
集合管 ~皮質集合管の機能~
水の再吸収
尿素の働き
対向流交換系
第4話 カリウムの生理
Kは細胞内電位を決め,細胞の興奮を調節する
ヒトの腎臓のnatureは,多量に摂取されていたKに対応している
Kの流れ
近位尿細管,ヘンレループ,遠位尿細管でのK
集合管,アルドステロン感受性尿細管でのK代謝
Kの調節と,Naと細胞外液量調節の関係
食事による高K血症を防ぐ仕組み
第5話 原尿の流れを考えながらみる尿化学検査・血液腎機能のみかた
腎生理に基づく尿化学検査のみかた
尿化学検査の考え方の基本は,fractional excretion
尿化学検査 ~各々の項目の意味するところ~
原尿の流れを考えながら,血液腎機能をみる
急性期の病態の腎機能の判断
各論 腎生理を理解して,患者さんの尿細管内の尿の流れを理解しよう
第1話 最も多い電解質異常,低ナトリウム血症の急性期対応
重篤な低Na血症(<125mEq/L)に対する初期対応
低Na血症の病態生理 ~症状と成因について同時に考えながら対応しよう~
いまだ解決していない低Na血症に関する臨床上の争点
第2話 うっ血性心不全と低ナトリウム血症 ~心腎症候群(CRS) と低Na血症~
うっ血性心不全治療の原則
提示症例の病態を腎生理学的に考えると
第3話 利尿薬の使い方
古典的な利尿薬の分類
新しい利尿薬の作用の考え方とその分類法
利尿薬といえば,利尿薬の王様のフロセミド
その他,古典的利尿薬に含まれない新規利尿薬
第4話 高ナトリウム血症 ~超高齢社会のわが国において,今後,増加が危惧される電解質異常~
高Na血症の病態
高Na血症の病態の鑑別
高Na血症への対応の基本
第5話 腎臓からみた高血圧治療
腎生理に基づく高血圧治療 ~ The Laragh Method® ~
腎保護を目指した高血圧治療
サイアザイド系利尿薬と低Na血症
MRAと低Na血症
第6話 慢性腎臓病における高カリウム血症
今回の症例の病態 ~高K血症を中心に~
今回の症例の治療 ~急性期~
高K血症は慢性期でも危険
RAS阻害薬を継続するために最大の努力をすべき
第7話 低カリウム血症 ~鑑別と補正の注意点〜
低K血症の一例
低K血症の成因の鑑別
低K血症の補正に関して
第8話 慢性腎臓病における代謝性アシドーシス
今回の症例の病態 ~高K血症と代謝性アシドーシス~
慢性腎臓病の外来での管理 ~高K血症と代謝性アシドーシスを同時に管理する~
第9話 NSAIDsと電解質異常
NSAIDsが腎機能に及ぼす影響
NSAIDsで困らないようにするためには
第10話 カルシウム・マグネシウムの異常
Ca・Mgを常に電解質の測定に加えよう
見逃されている高Ca血症
高Ca血症の病態と初期対応
高Ca血症の原因
ミルク―アルカリ症候群から,カルシウム―アルカリ症候群へ ~薬剤性高Ca血症に気をつけよう~
高Ca血症と悪性腫瘍
Mgの異常 ~種々の電解質の異常の影にMg代謝異常あり!~
第11話 慢性腎臓病におけるシックデイ・ルールと電解質異常
超高齢社会のわが国において,薬剤による急性腎障害・電解質異常の発症に注意すべきである
第12話 急性期の輸液の一考察
急性期の輸液の基本,循環を改善させる蘇生 ~最新の輸液理論とは~
維持輸液 ~何を維持するのか?~
メリハリのある輸液を ~急性腎盂腎炎の初期輸液~
腎障害の患者の輸液 ~リンゲル液のKの投与は?~
第13話 救急外来で遭遇する電解質異常 ~アルコール依存症と高血糖緊急症~
アルコール依存症・高血糖緊急症の代謝異常の本質は,グルコース代謝の異常
アルコール依存症はあらゆる電解質異常を引き起こす
高血糖緊急症 ~糖尿病性ケトアシドーシスの一例~
第14話 運動誘発性熱中症
人類は元来脱水に強いはず?
なぜ巷では,運動時に水分補給が必要といわれているのか? ~運動時の体温調節~
運動時のEHRIとは?
2%か4%か?
運動誘発性低Na血症
EHRIの対応は,運動開始前に終わっている? ~処暑環境下への順化がEHRIの予防で最も重要~
主要な略語
索 引
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書籍情報
- ISBN:9784525259020
- ページ数:332頁
- 書籍発行日:2025年1月
- 電子版発売日:2025年1月16日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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