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- 消化器がん薬物療法 副作用マネジメント プロのコツ 第3版
商品情報
内容
標準治療をできるだけ長く・患者負担なく継続するための『プロのコツ』を解説した好評シリーズの最新版。
5年ぶりの全面改訂で, 最新のレジメン・ガイドラインに対応。より使いやすく, よりわかりやすく!
改訂ポイント
1.最新の標準治療レジメンに項目と内容を一新。どの副作用にいつごろ注意すべきか、どの薬剤から減量すべきか、チャートもさらに充実。
2.副作用対策編も最新のエビデンスに更新。新しく登場した支持療法薬についても解説。
3.免疫チェックポイント阻害薬の副作用(irAE)の項目もさらに充実。
4.新たに「緩和医療薬の副作用対策」の章を追加。特徴的な副作用とその対策がわかる。
ますますパワーアップしたこの1冊で、副作用マネジメントにはもう悩まない!
序文
第3版 序
消化器がん治療における副作用マネジメントは、近年ますます重要性を増している。特に、がん薬物療法の進歩に伴い、新しい治療法が登場するなかで、医師は患者さんの苦痛を軽減し、治療効果を最大限に引き出すための知識と技術を常に更新し続けなければならない。本書は、各方面のエキスパートたちがこれまでの経験を基に、実践的なアプローチを読者の方々に提供することを目的としている。
昨年、進行胃がんに対するゾルベツキシマブ、大腸がんの後方ラインにフルキンチニブ、胆管がんにはタスルグラチニブなど、新薬が相次いで承認された。近年では、免疫チェックポイント阻害薬の登場により免疫関連有害事象(irAE)が確実に増えてきており、医療現場では多くの苦労があったかと思う。毎年登場する新薬によって治療の選択肢は広がっているが、一方で、副作用マネジメントはますます困難で複雑になってきている。それらに適切に対処するためには、専門的な知識と臨床経験が不可欠である。また、最近では医療現場においてチーム医療の重要性が強調されている。副作用マネジメントは医師だけではなかなか上手く実施できず、薬剤師や看護師を含む医療スタッフ全体で患者に対応することが求められている。本書は、医師だけでなく、治療に携わるすべての医療スタッフにとって有用でわかりやすい内容となるよう心掛けた。
本書の執筆には、各レジメンの臨床試験に携わったエキスパートたちが参加しており、実践的な知見を余すところなく盛り込んでくれている。症状別の項目では、思考経路をわかりやすく図示し、担当医師が迅速に判断できるよう配慮されている。これにより患者さんの苦痛を和らげ、治療に対する信頼を築く手助けとなることを期待する。
私たちが直面する進行がんという強敵を蹴散らすには、多くの課題がある。しかし、医療チーム全体で協力し合うことで、これらの課題を克服し、癌患者さん達にとってより良い未来が切り開かれるものと信じている。この改訂第3版が、消化器がん治療に関わるすべての医師・医療従事者にとって必携の書となり、日々の診療において役立つことを心より願っている。
2024年12月
北海道大学病院腫瘍センター診療教授
小松嘉人
目次
第Ⅰ章 はじめに
消化器がん治療体系概略 小松嘉人
治療を始める前に 佐藤太郎
第Ⅱ章 レジメン別プロのコツ
1 胃がん
一次治療
①[HER2 陰性 Nivo を使う場合]
SOX or CAPOX or FOLFOX+ Nivo 佐藤太郎
②[HER2 陰性 Nivo を使わない場合]
S-1 +CDDP or Cape + CDDP 安藤孝将
③[HER2 陽性]
SOX or CAPOX or XP or SP + Tmab 結城敏志
④[Claudin 陽性]
CAPOX or FOLFOX+ Zolbetuximab 奥中真白/古岡桃果/中山厳馬/設樂紘平
⑤条件付き一次治療 原田一顕/小松嘉人
二次治療
①weekly PTX+RAM 廣中秀一
②条件付き二次治療 川本泰之/小松嘉人
三次治療~
①FTD/TPI 細川 歩/田村穂高
②Nivolumab(Nivo) 水野太朗/室 圭
③Trastuzumab Deruxtecan(T-DXd) 丹羽美香子/大木 暁/山口研成
2 大腸がん
一~ニ次治療
①FOLFOX or FOLFIRI+抗EGFR 抗体薬 宮嶋佑輔/川上武志/山﨑健太郎
②FOLFOX or FOLFIRI+抗VEGFR 抗体薬 中積宏之/小松嘉人
③CAPOX+ BEV 武藤 理
④ SOX+ BEV 小松嘉人
⑤ IRIS or SIR(+BEV) 小松嘉人
⑥5 -FU +ℓ-LV or UFT +LV or S-1+ BEV、CET/PANI 澤田憲太郎/小松嘉人
⑦ FOLFOXIRI or CAPOXIRI+ BEV 加藤健志
ニ次治療
CAPIRI+ BEV 生本太郎/小髙雅人
三次治療~
①FTD/TP(I +BEV) 坂本秀男/佐竹悠良
②Fruquintinib 桶本 大/三島沙織/吉野孝之
③Regorafenib(REG) 丹羽美香子/大木 暁/山口研成
④IRI+抗EGFR 抗体薬 田原幹之/辻 晃仁
特殊
①[BRAF陽性]ENCO+CET(+BINI) 山本一将/坂東英明
②[HER2 陽性]PER +Tmab 松原裕樹/中村能章
③[NTRK 融合遺伝子陽性]ENTR or LARO 谷口浩也
④[MSI-H]Pembro、Nivo、Nivo+Ipi 桶本 大/三島沙織/吉野孝之
3 食道がん
一次治療
① Nivo(or Pembro) +化学療法 佐野桃子/加藤 健
②Ipi +Nivo 村岡未沙子/川上尚人
③[Nivo が使えない]FP or FOLFOX 土井綾子/辻 靖
二次治療~
①Nivo or Pembro 山本幸子
②[ICI 以外の二次治療レジメン]
PTX(DTX)or FP or 5 -FU+NDP or mFOLFOX6 原田一顕/小松嘉人
4 膵がん
一~二次治療
① modified FOLFIRINOX(mFFX) 加藤紘大/池田公史
②GEM+nab-PTX 小林 智/上野 誠
③GEM+S-1 尾阪将人
④S-1 or GEM 中村路夫
二次治療~
①nal-IRI+5 -FU/LV 原田一顕/小松嘉人
二次治療~(特殊)
①[BRCA陽性]Olaparib 川本泰之/小松嘉人
5 胆道がん
一~二次治療
① GC+ Durva/Pembro 井岡達也
②GCS 井岡達也
③Pemigatinib 濵口智美/上野 誠
④Futibatinib 小倉 望/森實千種
6 肝細胞がん
一次治療
①Atezo+ BEV 加藤紘大/池田公史
② Sorafenib 柴 知史/奥坂拓志
③Lenvatinib 上嶋一臣/工藤正俊
④Durvalumab+Tremelimumab(STRIDE) 上嶋一臣/工藤正俊
二次治療~
①Regorafenib(REG) 小笠原定久
②Ramcirumab(RAM) 奥坂拓志
③ Cabozantinib(CAB) 須田剛生
7 GIST
① Imatinib 澤木 明
②Sunitinib 村中徹人
③Regorafenib(REG) 小松嘉人
④Pimitespib 小松嘉人
8 消化管NET
① Everolimus 白石和寛/山本 駿
②Sunitinib 白石和寛/山本 駿
③Octreotide LAR・Lanreotide 白石和寛/山本 駿
④Streptozocin 竹内 啓
⑤放射線核種標識ペプチド治療(PRPT) 竹内 啓
第Ⅲ章 副作用症状別プロのコツ
1 全身
① Infusion related reaction /敏感反応 中野真太郎/小松嘉人
②倦怠感 中野真太郎/小松嘉人
③筋肉痛・関節痛 太宰昌佳
④創傷治癒遅延 中村路夫
2 消化器
①口内炎(口腔粘膜炎) 伊藤 憲
②食欲不振 進藤吉明
③悪心・嘔吐 進藤吉明
④下痢 石黒 敦
⑤便秘 石黒 敦
⑥消化管潰瘍・出血・穿孔 畑中一映
⑦肝機能障害・黄疸 曽我部 進
⑧腸炎 佐々木尚英/小松嘉人
⑨膵炎 佐々木尚英/小松嘉人
⑩B 型肝炎ウイルス再活性化 中井正人
3 腎・泌尿器
①蛋白尿 田村穂高/細川 歩
②腎機能低下 田村穂高/細川 歩
③血尿 田村穂高/細川 歩
4 呼吸器
①間質性肺疾患・薬剤性肺障害 朝比奈 肇
5 循環器
①心機能障害(心不全) 石森直樹
②高血圧 石森直樹
③血栓症 中村路夫
6 血液
①血小板減少症 白鳥聡一
②貧血 白鳥聡一
③播種性血管内凝固症候群(DIC) 作山浩希/野村(羽床)琴音/西内崇将/辻 晃仁
7 神経
①視覚障害 糀谷嘉起/工藤敏啓
②味覚障害・嗅覚障害 糀谷嘉起/工藤敏啓
③末梢神経障害・聴覚障害 糀谷嘉起/工藤敏啓
④うつ・不安 大鶴 徹/坂井大介
⑤頭痛・めまい・ふらつき 大鶴 徹/坂井大介
8 皮膚
①爪囲炎 小林良充/小松嘉人
②皮疹 小林良充/小松嘉人
③手足症候群 小林良充/小松嘉人
④色素沈着 原田一顕/小松嘉人
⑤脱毛 原田一顕/小松嘉人
⑥掻痒感 本田琢也
9 代謝
①浮腫 岩永一郎
②抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH) 岩永一郎
10 感染症
①発熱性好中球減少症(FN)、ワクチン接種 辻 靖
11 眼
①流涙症、涙道閉塞 八木澤允貴/小松嘉人
②視覚障害(眼科医の視点から) 鈴木茂伸
12 生殖
①妊孕性低下 工藤正尊/工藤ありさ/良川大晃
13 免疫チェックポイント阻害薬による副作用(irAE)
①重症筋無力症と筋炎 鈴木重明
②1型糖尿病 三柴裕子/今川彰久
③甲状腺機能障害 大月道夫
④下垂体機能障害 蔭山和則
⑤眼障害(ぶどう膜炎) 臼井嘉彦
第Ⅳ章 消化器がんの緩和ケア
早期からの緩和ケアの関わり 敦賀健吉
緩和治療薬(オピオイド・ステロイド)の副作用症状別プロのコツ
①オピオイドによる悪心・嘔吐 梶浦新也
②オピオイドによる便秘症 梶浦新也
③ステロイドによる不眠、オピオイドによる眠気 近藤千尋/瀧川千鶴子
④オピオイドによる排尿障害 大場洋子/瀧川千鶴子
⑤オピオイドによる掻痒感 大場洋子/瀧川千鶴子
⑥オピオイドによる呼吸抑制 近藤千尋/瀧川千鶴子
⑦オピオイド・ステロイドによるせん妄 上村恵一
⑧オピオイドによるミオクローヌス 上村恵一
第Ⅴ章 消化器がん薬物療法との上手なお付き合い
①がん患者のアピアランスケア 三宅亜矢
②心のケア 塚本汐奈/野村(羽床)琴音/村上あきつ/辻 晃仁
③意思決定支援 塚本汐奈/野村(羽床)琴音/村上あきつ/辻 晃仁
④Hazardous drug に対する曝露対策 齋藤佳敬
付録
CTCAE v5.0 - JCOG
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書籍情報
- ISBN:9784758322454
- ページ数:544頁
- 書籍発行日:2025年1月
- 電子版発売日:2025年1月14日
- 判:B6変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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