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- 国際標準の感染予防対策 滅菌・消毒・洗浄ハンドブック
商品情報
内容
●医療従事者にとって必須の「滅菌・消毒・洗浄」に関する基本的な考え方を国際標準に基づいてゴールを肯定形で記載し,同時にその理由も解説した感染対策の実践書!
●編者が世界各地の医療機関を視察し,現地職員とディスカッションを重ねることで生まれたEBMにもとづく感染対策のグローバルスタンダードがこの一冊に!
●患者と医療者自身の感染予防や,環境や経済面に配慮した感染予防対策が学べる内容.養成校のテキストにも最適!
序文
本書では院内感染予防対策の基本から,医療現場ですぐに実践できる具体的手順まで,「滅菌・消毒・洗浄」に関する基本的な考え方を国際標準に基づいてゴールを肯定形で記載し,同時にその理由がわかるように記載している.教育機関においても教科書的に使用できるように編集している.
「滅菌・消毒・洗浄」は,医療現場で経験的に学ぶことが多く,正確に定義や基本を学ぶ機会が少ない.また,我が国に国際標準に基づいて記載した書物もない.そのため,なんとなくわかっているようでわかっていないことや,理由を理解しないまま行うことで手順があいまいであったりする.
「滅菌・消毒・洗浄」は,一見難しく感じるが,言葉の定義と基本を理解することで国際標準を習得することができる.基本を学ぶことは生涯にわたって使用できる知識を習得するうえで必要不可欠である.
ICHG(Infection Control Hospital Group)研究会は,感染予防対策を勉強する会として,自然発生的に結集した会である.メンバーは,医師,薬剤師,看護師,検査技師,清掃専門従事者,一級建築士,行政従事者,コンサルタント等,感染予防対策に関わる人々である.
今日,インターネットを通じて世界中のガイドラインをはじめとした情報(インフォメーション)が瞬時に入手できる.しかし,ICHG研究会では,毎年のようにEU諸国やアメリカ合衆国,カナダ等の医療機関を実際に視察し,現地の職員とディスカッションすることで,国際標準である生きた情報(インテリジェンス)を得てきた.歴史・文化・言語は,国によって異なるが,感染予防対策の分野においては人と人との関わりであり,操作手順は共通である.
本書ではEBM(Evidence Based Medicine)の考え方を中心に,患者の価値観と意向にそった医療と次の4項目に配慮して記載している.
(1)患者が感染から保護されていること
(2)医療従事者が感染から保護されていること
(3)環境に配慮されていること
(4)経済的であること
ICHG研究会の会員は,職種を超えたパーソンミックスであり,対等会話を通してそれぞれに専門的見方と意見を持ちよることによって,本書を完成させることができた.
世の中は急速に変化している.このような中でポリシーマニュアルの見直しは常に必要であり,新しい知見が入ればいつでも検討し,受け入れる態度が必要であると考える.
ICHG研究会編集委員一同
目次
序文 本書のねらい
I 感染予防対策の基本
1 感染予防対策の基本的事項
(1)感染予防対策の基本
(2)根拠に基づく医療EBM(Evidence Based Medicine)
(3)データに基づく医療
(4)院内感染の国際定義
(5)感染のリンク
2 感染リスクと対策のレベル
3 標準予防策の考え方
4 感染経路別予防対策の考え方
5 細菌の時限爆弾
6 環境の管理と結露・「ほこり」対策
(1)結露とカビ
(2)「ほこり」の管理と無菌操作
(3)安全キャビネットとクリーンベンチ
II 滅菌・消毒・洗浄の基本
1 滅菌・消毒・洗浄の定義
2 滅菌
(1)滅菌する際の基本的条件
(2)滅菌工程のモニタリング
1)管理工程のモニタリング
2)物理的モニタリング
3)生物学的インジケーター(BI:Biological Indicator)
4)化学的インジケーター(CI:Chemical Indicator)
(3)主な滅菌法
1)高圧蒸気滅菌
2)乾熱滅菌
3)過酸化水素低温プラズマ滅菌
4)放射線滅菌
5)エチレンオキサイド(EO)ガス滅菌
6)低温蒸気ホルムアルデヒドガス(LTSF)滅菌
7)超ろ過滅菌
3 消毒
(1)熱による消毒
(2)消毒剤による消毒
1)消毒剤使用時の基本的原則
2)洗浄と消毒,一次洗浄と最終処理
3)消毒剤と抗菌薬の作用機作と副作用
4)消毒剤の滅菌済み製剤と無菌製剤
4 洗浄及び乾燥
(1)洗浄方法,用手法,等
(2)洗浄の確認
III 消毒剤各論
1 消毒剤の抗微生物スペクトルと適応範囲
2 医薬品として使用される主な消毒剤(8種類の消毒剤成分)
(1)グルタラール・フタラール・過酢酸
(2)アルコール類
(3)次亜塩素酸ナトリウム
(4)ポビドンヨード
(5)ベンゼトニウム塩化物
(6)ベンザルコニウム塩化物
(7)クロルヘキシジングルコン酸塩・オラネキシ ジングルコン酸塩
(8)アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩
3 消毒剤の保管及び消毒剤含有綿球等
4 消毒剤の希釈方法
(1)希釈の具体例
(2)消毒剤希釈液の調製
1)創傷部位に用いる消毒剤希釈液の調製
2)深い創傷に用いる消毒剤希釈液の調製
IV 生体に対する消毒
1 注射部位・カテーテル部位・手術部位消毒
(1)皮膚の構造と皮膚消毒
(2)留置期間と感染リスク
2 粘膜の消毒
3 創傷部位の消毒
4 体腔内の消毒禁止
5 手洗い
(1)手洗いの種類
(2)手洗いの手順
(3)手洗いミスの生じやすい点
(4)日常手洗いの意義,タイミング
(5)衛生的手洗いの意義,タイミング
(6)速乾性すり込み式手指消毒剤の意義,実施条件
V 器具・器械に対する滅菌・消毒・洗浄
1 内視鏡の消毒
(1)軟性内視鏡の消毒
(2)硬性内視鏡の滅菌・消毒
2 器具・器械に対する具体的対応
VI リネン類の洗濯と消毒
1 使用済みリネン類の分別・搬送
2 使用済みリネン類の洗濯・消毒処置
3 感染症法における使用済みリネン類の処理
VII 病院環境に対する清掃と消毒・その他
1 基本的事項
(1)環境の消毒の必要性
(2)嘔吐物等の処理手順
2 感染性廃棄物
3 病原体等のBSL分類等
(1)バイオセイフティレベル(Biosafety Level:BSL)
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書籍情報
- ISBN:9784263237175
- ページ数:138頁
- 書籍発行日:2018年11月
- 電子版発売日:2019年4月10日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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