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- よくわかる脳波判読 第3版
商品情報
内容
デジタル時代に対応した待望の改訂版。脳に興味をもつ人が絶対に身に付けなければならない点に絞った。巻末の『卒業試験』でまずは自分の実力測定を。そこから本書を活用すれば、全くわからない人は脳波のエクスパートに、上級者は知識の整理に役立つ。「脳波を理解しても脳波レポートが書けない」という読者からの要望に応えて『脳波のレポートの書き方』も掲載した。日々ご活用を!
序文
はじめに
第3版の出版は時機を得たものです。なぜなら,脳波がデジタル化され,情報量が数倍大きくなり,ペーパーレスとなったことにより脳波検査がより簡便となり,脳波診断がより正確になってきているからです。さらに,高齢者社会を迎え,高齢者のてんかん発作が増えていることも一因です。
このように脳波の重要性が増しているにもかかわらず,脳波を読める医師が少なくなったことを憂慮しています。最近,てんかん診療のウェブ会議で講師の先生がてんかん診療に脳波は不必要だと述べていました。私がてんかん外科治療の術前評価をおこなっていたとき,てんかん外科治療を考慮され紹介されてきた難治性てんかんの中には,若年性欠神発作,若年性ミオクロニーてんかん,心因性発作などが含まれていました。また,側頭葉てんかん,spike-wave stuporなどが精神病と誤診され,精神科に入院されている患者さんにも何回か遭遇しました。また,非けいれんてんかん重積を脳波なしでどのようにして診断・治療されているのでしょうか。
脳波はMRIなどのように答えを視覚的に捉えられないので複雑に感じますが,実際は簡単です。引き算さえできれば十分であり,原理さえ身につければよいのです。
まず卒業試験として,巻末に記載した問題を解いてみてください。自分の実力が分かります。もし,質問や解答がまったく分からない人はこの本を熟読してください。それが脳波を読めるようになる近道です。その後は典型例を見て覚えるだけで脳波のエクスパートになるでしょう。ある程度理解できる人はこの本で知識を整理してください。容易に正答できる方はすでに脳波の実力者です。脳波の講義にこの本を使っていただければ幸いです。
また,読者の要望に答え,この本を読み終えた時には,脳波のレポートが書けるようになる工夫をしました。工夫とは,この本の最後に脳波レポートを掲載し,各章の終わりに,その章に関連したレポートの抜粋(覚醒,睡眠,非突発性異常,突発性異常など)を挿入したことです。なお,最後の脳波レポートにはQ55で使った若年性ミオクロニーてんかんの例を記入しています。
脳波は脳の機能を時系列で見るという意味で,MRIやPETなどとは違う次元の検査です。脳が電気で動いている以上,脳波は心電図と同じで,価値が無くなることはありえません。
この"分かりやすく"書かれた脳波判読教本が脳の臨床に少しでも携わる方々にお役に立てれば幸甚です。
2014年9月
音成龍司
目次
I.波
脳波の構成要素
a.振幅
b.周波数
c.相性
d.位相
e.波形
1)速波活動
2)α波
3)徐波活動
4)てんかん型波形
II.脳波計の周波数特性
1)高周波フィルタ
2)低周波フィルタ
Q1
III.脳波計への入力―脳波計は2点間の電位差を記録
1.G1、G2の電位によって脳波が決まる Q2
2.脳波からG1、G2における電位の推測 Q3 Q4
3.双極導出法の原理
4.基準電極導出法の原理
IV.正常脳波
1.成人
a.覚醒
1)優位律動(dominant rhythm)
2)Organization
3)その他の背景脳波
Q5 Q6
b.賦活(activation)
1)光刺激(photic stimulation)
i.光駆動(photic driving)
ii.光誘発反応(photic evoked response)
2)成人における過呼吸(hyperventilation)
c.睡眠 Q7~Q10
2.加齢
a.加齢による脳波の変化
b.各年代の正常脳波の実際 Q11
3.小児 Q12~Q16
V.ア-チファクト
1.筋電図 Q17
2.EKG Q18
3.パルス(脈波) Q19
4.眼球運動のア-チファクト
a.双極導出の場合の眼球運動 Q20 Q21
b.基準導出の場合の眼球運動 Q22 Q23
5.汗 Q24
6.電極の接着不良 Q25 Q26
7.呼吸器 Q27
8.交流(ハム,hum) Q28
9.機械的 Q29
10.静電気 Q30
VI.頭皮上分布 Q31
VII.モンタ-ジュの特徴
1.同側耳朶基準導出記録の特徴 Q32 Q33
2.平均基準導出記録の特徴 Q34
3.双極と基準電極導出記録における焦点の決定 Q35 Q36
4.誤りやすい双極導出からの分布の決定 Q37
5.誤りやすい双極導出からの焦点の決定 Q38
VIII.異常脳波
1.徐波活動
a.background slow(BS)
b.間欠徐波(IS) Q39
c.持続性徐波(CS) Q40 Q41
d.前頭部優位のδ波と眼球垂直運動との鑑別 Q42
2.てんかん活動(epileptic activity)
a.局在関連てんかん (localization-related epilepsy) Q43 Q44
1)側頭葉てんかん Q45 Q46
2)前頭葉てんかん
3)頭頂葉てんかん
4)後頭葉てんかん Q47 Q48
b.全般てんかん Q49~Q56
3.非てんかん原性てんかん様脳波活動(non-epileptogenic epileptiform EEG activity) Q57~Q61
4.特殊脳波
a.excessive fast Q62
b.asymmetry of spindle Q63
c.周期性異常 Q64~Q70
d.diffuse α(広汎アルファ波型) Q71 Q72
e.spindle coma Q73
5.光刺激特異反応 Q74~Q76
IX.卒業試験 卒業問題Q1~Q3
索引
脳波レポ-ト
抜粋 1.覚醒
2.賦活
3.睡眠
4.非突発性異常
5.突発性異常
報告書例
NOTE
1◇波(wave)
2◇高周波フィルタ-
3◇過呼吸
4◇POSTS vs 14 & 6 Hz陽性棘波
5◇ナルコレプシ-
6◇もやもや病
7◇眼球運動のア-チファクト
8◇陽性棘波
9◇FIRDAと垂直眼球運動との鑑別
10◇側頭葉てんかんの特殊導出例
11◇MST
12◇GTCS
13◇欠神発作
14◇West症候群
15◇Lennox-Gastaut症候群
16◇側頭葉てんかんが疑われる場合
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書籍情報
- ISBN:9784307150705
- ページ数:224頁
- 書籍発行日:2014年10月
- 電子版発売日:2019年6月26日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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