わかりやすい電気メスの本 自分の武器を知る!

  • ページ数 : 208頁
  • 書籍発行日 : 2014年4月
  • 電子版発売日 : 2017年7月21日
3,300
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商品情報

内容

知って使えば手術が変わる? 電気メスを基礎から徹底解説!

難しい電気メスの参考書ではなく、漫画を見ながら楽しく一気に読破できる本です。外科医のみならず、臨床工学技士や手術室の看護師にもとても役立つ内容となっています。

序文

はじめに

─宮本武蔵 五輪書 著者の解釈─

“武いくさ道具の利をわきまゆるに,いづれの道具にても,おりにふれ,時にしたがい,出いであう会もの也.“

→どんな武器であっても,使う機会,タイミングに応じて,それが最大限の力を発揮する潜在能力を有する.

これは私の愛読書である,宮本武蔵の『五輪書 地の巻』の一節です.現代の外科医にとって,電気メスは“武器”であり,多種多様なモードの潜在能力をいかに発揮させるかが,手術成績を左右するのではないかと考えています.

“道具以下にも,かたわけてすく事あるべからず.あまりたる事はたらぬことと同じ事也.人をまねせず共,我身に随ひ,武道具は手にあふやうにあるべし.将卒共に物にすき,物を切らふこと悪あしし.工夫肝要也.”

→道具だけに限ったことではないが,好き嫌いをはっきりさせてはいけない.自分の好みに必要以上にこだわることは,その好みのものの多面性を熟知していないことに等しい.(好き嫌いではなく,また)人のまねをするのでもなく,自分の身の丈に合わせて,武器の本質を正しく自分の手におぼえこませる必要がある.(戦場において)指揮をする者も,(指揮をうけて)最前線で戦う者も,武器の好き嫌いがあってはいけない.武器の特性を考察し,最大限の効果を発揮することが大切である.


2014年3月

桜木 徹

目次

序章 電気メス(高周波手術装置)に興味のある方へ

1.金属のメスで直接切れば血が出ます

2.電気メスのコンセプトは「血を出さないで切る」

3.雷から放電を考える

4.ジュ-ル熱とは

もっと深く!! 1.体内諸臓器の抵抗値を考える

第1章 電気メスはなぜ切れる? 主役はジュ-ル熱、放電は脇役

1.電流は患者さんの身体の中を流れている

2.ジュ-ル熱と放電熱

3.それでは、なぜ切れるか?

4.電流密度の高い状況がなぜ必要か?

5.なぜ「連続的な電流」が必要なのか?

もっと深く!! 2.究極の1点-電気メスの場合はア-ク放電を利用する

第2章 人体はなぜ感電しないのか?

1.感電とは?

2.電気メスの電流は高周波を使用している

3.人体で試してみました

もっと深く!! 3.どれくらいの周波数の高周波電流を用いなければならないのか?

第3章 そもそも凝固coagulationとは何?

1.凝固の定義

2.身近な蛋白質の変性から考えてみよう

3.熱が細胞に与える影響は?

4.熱が生体の蛋白質に与える影響まで掘り下げてみよう

エナジ-・マスタ-への道 1.Media(plasma cloud、 steam envelope)という考え方

第4章 放電凝固 fulgurationの理論 主役は放電熱、ジュ-ル熱はかすんでしまう

1.放電による凝固モ-ドの基本は断続波である

2.デュ-ティ-サイクルduty cycleとは?

3.クレストファクタ-とは?

4.放電凝固モ-ドでは組織に触れず、高い電圧をかける

もっと深く!! 4.バジングbuzzingについて

もっと深く!! 5.飛び込みで考える切開と凝固

エナジ-・マスタ-への道 2.ソフト凝固SOFT COAGを考えるための基本用語

第5章 ソフト凝固SOFT COAG(無放電凝固)とは?

1.ソフト凝固SOFT COAGは放電を必要としない

2.無放電凝固と比較して考えてみる

3.先端電極としてボ-ル電極、IO電極が有用

4.エフェクト(電圧)が低いと、凝固層が深くなる

5.ソフト凝固は万能ではない

もっと深く!! 6.単極電極による凝固の経時的変化

エナジ-・マスタ-への道 3.切開Cutと凝固Coagのパラドックス

第6章 近代電気メスの仕組み 電気凝固システムの基本的な回路から考える

1.一般的な電気メスの仕組み

2.ラジオがなぜ聞こえるか?から考えてみよう

3.スパ-クギャップ方式から真空管へ

4.トランジスタ導入─現在の回路の完成

もっと深く!! 7.なぜ放電を利用して発振回路がつくれるか?

第7章 なぜVIOは優れているのか?

1.CPUを搭載した電気凝固システム

2.VIOの各種モ-ドについて

3.これがVIOの真骨頂-出力の自動制御

4.自動制御のアルゴリズム

もっと深く!! 8.実は電圧も変化している

もっと深く!! 9.パワ-ピ-クシステム(PPS)とは

第8章 VIOの代表的な各種モ-ド

1.定格負荷抵抗値とは?

2.それでは電気メスではどうなっているのか?

3.それぞれのモ-ドの特徴

もっと深く!! 10.VIOの定格負荷抵抗はどのように考えるのか?

第9章 ForceTriad エネルギ-プラットフォ-ム

1.ForceTriadの各種モ-ド

2.では、Valleylabモ-ドは?動物実験の結果を比較して考えてみる

3.なぜこのような高いパフォ-マンスが再現可能か?

4.グラフで見るForceTriadのモ-ド

5.VIO300Dと比較して考えるForceTriad

第10章 バイポ-ラデバイス

1.バイポ-ラデバイスの基本的な考え方

2.VIOのバイポ-ラシステム

3.BiClamp

4.LigaSure

5.ENSEAL

6.3つのシ-リングデバイスの比較-では、どれを使用するか?

もっと深く!! 11.RF60接続ENSEALの高い耐圧性を再考察する

第11章 対極板の役割は「縁の下の力持ち」It works behind the scenes!

1.対極板部位でなぜ熱傷が起こりえるのか?

2.対極板発展の歴史

3.ほとんどの対極板は分割型

4.VIOの対極板の貼付方向は決まっている

5.他の対極板は、貼る方向を考える必要があるのか?

第12章 電気メスの原理 放電現象を中心に

1.放電現象とは

2.ア-ク放電

3.高周波放電

4.生体の電気的性質

5.生体の熱伝導

もっと深く!! 12.ア-ク放電をさらに深く考えてみる

エナジ-・マスタ-への道 4.Ecosurgery

最終章 一歩だけ、前に 電気メスの歴史

1.原始的な止血法と生体物理学としての発見

2.CushingとBovieの功績

3.真空管の導入

4.真空管からトランジスタへ-ソリッドステ-ト型電気メスの到来-

5.スプレ-モ-ドの創始-電気メス装置に新風を吹き込む-

6.CPU搭載へ

7.付属品の発達


年表

参考文献・参考資料

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784307203258
  • ページ数:208頁
  • 書籍発行日:2014年4月
  • 電子版発売日:2017年7月21日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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