睡眠薬プラクティカルガイド ―正しい知識で誤用を防ぐ

  • ページ数 : 189頁
  • 書籍発行日 : 2012年5月
  • 電子版発売日 : 2013年1月1日
¥4,180(税込)
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商品情報

内容

全体の処方量が年々増加し,また長期服用者の多くが薬を減量されない状態にあるなど、睡眠薬の安易な処方とその後の対応の拙さに警鐘が鳴らされています。その背景にある要因のひとつである「処方する医師の知識不足」を解消するため、本書では睡眠薬の「正しい考え方」「種類ごとの特徴と適切な使い方」「睡眠薬にまつわる誤解」を解説します。睡眠薬を処方する機会がある全ての医師必読の内容です。

序文

本書は睡眠薬を少しでも有効に使用していただくことを願って企画された.睡眠障害はきわめて多い病態であり,睡眠薬を必要とする国民は多い.また,睡眠障害に起因する健康被害は隠れた,しかし解決すべき重大な課題である.残念ながらその恩恵に預かっていない人は多く,その背景には睡眠・睡眠薬に対する知識・理解の不足や誤解が存在している.また,このことは睡眠薬の誤使用問題と表裏一体の関係でもある.睡眠薬はあらゆる診療科で広く使用されており,処方しない医師はいないと言ってもいいほど,日常診療においては基本的な治療薬である.それだけに,この薬剤が今より少し適切に使用されるだけで,国民の健康を飛躍的に底上げすることができる可能性がある.本書がこの点にいくらかでも貢献できれば望外の喜びである.

本書は常法に従い,はじめに総論的解説,後半には各論を配置する構成となっており,その意味では常識的なものであろう.しかし睡眠薬に焦点を当てた成書は意外に数少なく,読者にとってなじみやすいことを第一に考慮したものである.睡眠薬を使用していくには,睡眠という生理現象に対する最低限の知識は不可欠であり,そのための1章も設けたので,本書を手に取られた方はまずそこには目を通していただきたい.しかし,それ以外の章は読者の関心に応じてどこからお読みいただいてもよい内容になっている.睡眠薬には誤解・先入観が多いので,最終章にある身近な疑問からお読みいただくのもよいであろう.執筆者陣は日本睡眠学会を中心に活躍されている方々が中心であり,薬の書物という固いイメージとは違って睡眠診療の現実に即した記述となっているので,「あと一歩の診療の質の向上」を目指している臨床家にはきっとお役に立つものと自負できるものに仕上がった.

最後に,本書の出版に際して多大なお世話をいただいた,中外医学社の岩松宏典氏,森本俊子氏に厚く御礼を申し上げる次第である.


2012年4月

石郷岡 純

目次

I 睡眠薬(睡眠障害改善薬)の考え方

 1.睡眠薬とは何か?

  A.睡眠薬とは―不眠と睡眠薬の関係

  B.睡眠薬の使用上の原則と実態

 2.睡眠薬を使うために必要な睡眠障害の基礎知識

  A.不眠とは何か?

  B.不眠と短時間睡眠の関係

  C.不眠症状と不眠症の関係

  D.概日リズムと睡眠

  E.不眠の疫学

  F.不眠の原因

  G.不眠の原因としての睡眠時無呼吸症候群

  H.不眠の原因としてのレストレスレッグス(むずむず脚)症候群

  I.不眠の原因としてのうつ病

  J.不眠の原因としての夜間排尿

 3.睡眠薬が必要な睡眠障害・不要な睡眠疾患

  A.不眠を呈する睡眠障害とその治療

  B.睡眠薬増量前に行うべきこと

  C.睡眠薬使用に対する葛藤が強い場合

  D.非薬物療法の技法を生かした睡眠薬離脱

 4.なぜ睡眠薬を使うのか(睡眠が改善すると何が変わるのか)?

  A.不眠症

  B.睡眠時間と睡眠不足

  C.不眠と精神疾患との関連性

  D.不眠と生活習慣病

  

II 睡眠薬(睡眠改善薬)の種類と特徴

 1.ベンゾジアゼピン受容体(GABAA受容体作動薬)

  A.BZ受容体作動薬誕生までの睡眠薬

  B.GABAA受容体とBZ系薬剤の作用

  C.BZ系薬剤の睡眠作用と副作用

  D.BZ系薬剤の副作用

  E.長時間作用型から短時間作用型へ

  F.選択的ω1受容体作動薬の開発

  G.新しいGABAA受容体作動薬の開発

  H.その他

 2.メラトニン受容体作動薬

  A.ラメルテオンの薬理作用

  B.ラメルテオンの開発試験成績

  C.ラメルテオンの副作用・薬物相互作用

  D.ラメルテオンの効果的な使用方法

 3.その他の睡眠改善薬

  A.睡眠,覚醒の神経機構

  B.各種受容体に対する薬理作用の臨床的効果

  C.睡眠作用を有する薬物

  D.抗ヒスタミン薬

  E.開発中の薬剤

 4.使われなくなった睡眠薬

  A.睡眠薬開発の歴史

  B.使われなくなった睡眠薬

  C.睡眠薬自殺の有名人―睡眠薬は怖いというイメージ根源

  D.今後使用が減少する可能性の高い睡眠薬

 5.睡眠薬一覧

  A.不眠症治療薬

  B.睡眠障害関連治療薬

  

III 睡眠薬(睡眠障害改善薬)の使い方

 1.睡眠薬の選び方と用法

  A.不眠症の疫学と概念

  B.ベンゾジアピン系

  C.非ベンゾジアゼピン系(非BZ)系

  D.BZ系と非BZ系の選択および使用方法

  E.メラトニン受容体(MT1/MT2受容体)アゴニスト(ラメルテオン)

  F.抗うつ薬の睡眠薬としての効果

  G.睡眠薬の中止法

 2.用量の決め方と切り替え方

  A.BZ系,BZアゴニスト睡眠薬の用量調整と切り替え方

  B.多剤併用からの減量,切り替え方

  C.BZ系,BZアゴニスト睡眠薬でコントロールが不十分な場合の切り替え方

 3.睡眠薬の効果を上げるための服薬指導,生活指導

  A.いわゆる不眠症の成り立ち

  B.睡眠薬の効果を上げるための服薬指導

 4.睡眠薬はいつまで続けるのか?

  A.中止のタイミングと方法

  B.睡眠薬の中止に困難を伴うとの予想が必要なケース

  C.睡眠薬の中止には慎重を期すべきケース

 5.高齢者に対する睡眠薬の処方

  A.疫学

  B.加齢と睡眠

  C.高齢者への睡眠薬投与についての考え方

  D.高齢者に生じやすい副作用(奇異反応,睡眠覚醒リズムの乱れ,ふらつき)

  E.交代勤務者の睡眠障害に対する睡眠薬の処方

  F.生活習慣病を合併した不眠に対する睡眠薬の処方

  G.併用薬服用者に対する睡眠薬の処方

  H.メラトニン受容体アゴニスト―ラメルテオン(ロゼレム)

 6.不眠症治療中に考えていくべきこと

  A.不眠症診断は適切か?

  B.睡眠薬に反応しない不眠症にどう対処するか?

  C.原発性不眠症と他の睡眠障害の合併の対処法

  D.不眠症の治療

 7.副作用を知っておくと名医になれる

  a.持ち越し効果

   A.疫学調査

   B.実験的研究

   C.考察

  b.奇異反応,異常行動

   A.奇異反応(paradoxical reaction)

   B.異常行動

  c.依存性,離脱症状

   A.依存,嗜癖,乱用についての復習

   B.BZ依存の類型

   C.ベンゾジアゼピン依存の症候と問題点

   D.BZ依存の治療

  d.健忘

   A.BZ系薬剤による記憶障害の特徴

   B.BZ系睡眠薬による記憶障害の危険因子

   C.BZ系薬剤による健忘への対策

  e.ふらつき,転倒

   A.平衡機能のメカニズム

   B.睡眠薬によるふらつき・転倒のリスク

   C.転倒予防を考えた睡眠薬投与

   D.その他の転倒予防と対策

   E.リスクの評価と情報の共有

  

IV 睡眠にまつわる誤解を解く

  1.眠れないくらいでは死なないのでできるだけ使わない?!

  2.睡眠薬は意識を下げる薬?

  3.睡眠薬は睡眠を深める?!

  4.超短時間作用型睡眠薬は安全か?

  5.早く寝るために服用する,昼寝の時に使う?!

  6.服用してから眠くなるまで待つ?!

  7.途中覚醒した時に飲めばよい?!

  8.時差ぼけに睡眠薬は有効か?

  9.睡眠薬を飲むくらいならお酒で寝た方がよい?!

  10.睡眠薬を大量に飲むと死ぬか?

  11.睡眠薬を飲み始めるとやめられない?

  12.用量が多いと依存になりやすい?

  13.睡眠薬を飲み続けるとぼけるのか?

  14.長く服用すると効かなくなるか?


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書籍情報

  • ISBN:9784498017887
  • ページ数:189頁
  • 書籍発行日:2012年5月
  • 電子版発売日:2013年1月1日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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