園医必携 保育園の感染症 第2版

  • ページ数 : 74頁
  • 書籍発行日 : 2013年10月
  • 電子版発売日 : 2014年7月18日
1,980
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商品情報

内容

保育園での感染症における注意点、対策、予防などをまとめた書の改訂第2版。

今般では新しくなったガイドラインを踏まえて、その後の進歩、変化を解説した。免疫機能が未熟な乳幼児も多い保育園では、学校保健とは異なった独自の問題点がある。園医の立ち位置から保育園ならではの問題や対応のポイント、地域における体制作りなどにも言及し、この一冊で、園での感染症対策の全てを網羅できる。園医必携の書です。

序文

はじめに

1.保育園における感染症対策は平成21 年より始まった

保育園における感染症対策は長い間,学校保健に準じて行われてきた.

平成21 年4 月より新しい保育所保育指針が施行され,同年8 月「保育所における感染症対策ガイドライン」が厚生労働省より発表された.ここから保育保健が学校保健より独立した歩みをスタートさせたのである.


保育園における感染症対策~学校保健とは異なる点~

1.保育園では0 歳児から集団保育を行っている

①乳児はすべての臓器,器官が未熟である

特に免疫機能は未発達で,感染症には無防備である
○予防接種が重要になる

消化・吸収機能も未完成で食物アレルギーなどが起こりやすい

皮膚粘膜のバリヤーが脆弱で,障害されやすい

②乳児期は床を這いずり,何でもなめまわす

糞口感染対策が非常に困難

③衛生教育が行き届かない

乳幼児に衛生教育は無理である

2.長時間集団で生活している

保育時間は一般に11 時間で,その上に延長保育もある

3.乳幼児には昼寝の時間があり,寝具を並べて休息をとっている


感染症対策~保育園における新たな取り組み~

1.保育園が全体として組織的に取り組む
保育園の中に感染症対策委員会のような組織を作って,園のスタッフ(園医も含む)保護者および専門家などの意見をすべて取り入れて対応する

2.計画性をもって対応する
年間保健計画の一部として検討し,対応する

3.すべての保育園関係者が共通認識のもと対応する
感染症対策の企画から対応まで,すべての関係者の意見を取り入れ,周知徹底する
感染症の基礎知識を研修・教育する

4.地域の関係諸団体と連携して運用する
対策の運用に際しては,地域の専門家を含む感染症対策支援体制のもと運用する
日頃より地域の感染症対策支援体制との連携を密にしておく


2.これからの園医の役割

新しい保育所保育指針が施行され,子どもたちの健康および安全に関する取り組みが大きく変ってきたが,いまだに園医の役割が明確にされていない.

しかし,その後に出されたガイドラインなどに従って保育保健の質の向上をめざすためには,園医の役割は下表にまとめたように膨大なものとなっている.


これからの園医の役割

1.健康診断
定期2 回以上,必要に応じて臨時健康診断
健康診断に伴う相談など

2.保育所の年間保健計画の策定

○園内に健康・安全委員会を組織する
保護者,園のスタッフ,その他などで構成する
健康および安全対策を盛り込む
感染症,アレルギー性疾患,与薬,備蓄薬品,虐待,事故
災害などの対策

○実施計画も具体的に立てる

3.健康・安全研修および教育
対象: 子ども,保護者および園のスタッフ

4.その他の保育保健関連の相談・指示など

5.地域連携の調整(保育保健関連団体など)


これだけの業務をしっかり行うためには,まず保育園を十分知らなければならない.そのためには少なくとも月1 回程度は保育園へ出向し,保育園の一員として機能するための足固めが必要になってくる.


3.感染症対策は3~5 年で見直しが必要となる

平成21 年8 月に出された「保育所における感染症対策ガイドライン」により,学校保健から保育保健が独立したため,幼稚園児と保育園児の対応において小さなズレが生じた.

また,途中学校保健安全法施行規則の一部改正などもあり,平成24 年11月の見直し作業によって,2012 年改訂版「保育所における感染症対策ガイドライン」が発表された.

改訂のポイントは下表にまとめた.


2012 年改訂版「保育所における感染症対策ガイドライン」

改訂のポイント

1.学校保健と保育保健における感染症対策について

2.幼稚園と保育園の"登園のめやす"がまったく同じものになった

3.保育所におけるガイドラインの果たす役割

4.集団保育における乳幼児の問題点

5.激動する予防接種への対応

6.新しい話題

7.保育園における看護職の役割


この改訂をもとに,「園医必携 保育園の感染症」改訂第2 版を編集した.これからの保育園における感染症対策はこの小冊子を十分に使いこなして,進めていただきたい.

2013年8月


遠藤 郁夫

目次

第1章 保育園における感染症対策<遠藤郁夫>

1.共通認識をもって対応する

a.共通認識の拠り所はガイドライン

b.感染症情報は感染症対策の第一歩

c.すべての関係者の声が反映できる組織作り

d.研修・教育は繰り返し

2.組織的に取り組む

a.リーダーが重要になる

b.保健室の整備

3.運用は計画的に

4.地域との連携

a.連携の窓口

b.支援体制の整備

5.感染症対策における園医の役割

a.保育園における園医の役割を考える

b.保育保健における責任者の選定

c.保育保健の拠点(保健室)の整備

d.組織的な運営を支援する

第2章 園医に必要な感染症の知識<遠藤郁夫>

1.保育所における感染症対策ガイドライン

a.ガイドラインの役割とその見直し

b.2012年改訂版「保育所における感染症対策ガイドライン」

2.「保育保健における感染症の手引き2013」

a.感染症の手引き2013

b.保育現場の実践では手引が必要

3.保育園における感染症の流行とは

a.保育園で感染症が流行した(標準化しよう)

b.感染症の流行は,感染症を学ぶチャンス

4.登園のめやす 

a.幼稚園と保育園はまったく同じである

b.医師の意見書が"望ましい"と変わった

c.登園届について地域で対応を検討しよう

5.保育園の感染症

a.感染症の分類

b.潜伏期の長い感染症

c.不顕性感染の多い感染症

d.新しい話題

6.保育園と予防接種

a.乳児期の予防接種

b.小学校へ入るまでの予防接種

c.保護者・職員の予防接種

7.保育園における感染症の対応

a.保育園で対応できる感染症

b.保育園での対応が困難な感染症

第3章 園医にもっと知ってもらいたい保育園の現状と課題<藤城富美子>

1.保育の現状と課題

a.乳児保育の実態

b.保育園の規模

c.長時間保育

d.障害児および慢性疾患児の保育

e.保育環境

f.看護職配置の実態

2.感染症の発症状況

a.1年間の感染症の発生状況

b.0歳クラスの1年間の病気欠席状況

3.日々の衛生管理と健康観察の実際

a.衛生管理

b.日々の健康観察

4.感染症の予防および対策

 保育所における感染症対策ガイドラインの概要

a.保育園で問題となる感染症とその対策

b.感染症発症児の対応と罹患後における登園時の対応

c.予防接種の勧奨

d.感染症発症の際の保育体制

5.保育保健の普及

第4章 保育園サーベイランスについて<安井良則>

1.保育園サーベイランスについて

a.保育園欠席者・発症者情報収集システムの特徴

b.保育園サーベイランスを使用した保育所と園医との連携について

c.保育園サーベイランスのセキュリティについて

2.今後の保育園サーベイランスの全国規模での展開について 

第5章 園医に役立つ感染症一覧表<遠藤徳之・遠藤郁夫>

1.感染経路とその予防方法

2.保育園における感染症流行のめやす

3.保育園で効果のある予防接種

4.保育園での主な感染症と登園のめやす

5.不顕性感染の多い感染症

6.潜伏期の長い(10日以上)感染症

7.対応の難しい感染症

索引

column<遠藤郁夫>

園医が保育園のなかで専門性を活かして機能するための条件

感染症対策の第1歩は感染症サーベイランスである

感染症対策における保護者の役割

なぜ予防接種に追加接種が必要か──ブースター効果について

保育園における感染症対策は時代(時間)とともに変わる

保育園にりっぱな保健室を作ろう (保育保健の質を高めるために必須のもの)

発熱について

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書籍情報

  • ISBN:9784498021211
  • ページ数:74頁
  • 書籍発行日:2013年10月
  • 電子版発売日:2014年7月18日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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