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らくらくマスター2 超音波ガイド下中心静脈カテーテル挿入トレーニング

  • ページ数 : 138頁
  • 書籍発行日 : 2011年9月
  • 電子版発売日 : 2012年7月14日
8,360
(税込)
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商品情報

内容

動画でわかる!CVCテクニックの「技」と極意!
臨床において不可欠な一方、侵襲的手技である事から常に合併症の危険を伴う中心静脈カテーテル挿入(CVC)。安全性の高さからも推奨される超音波ガイド下CVCの基本手技を豊富な写真でわかりやすく解説。加えて術者目線の音声付動画を多数用意した。この一冊で、安全なCVCをらくらくマスター!
"らくらくマスター"シリーズ第1弾 「らくらくマスター外科基本手技」は こちらから

序文

監修のことば


中心静脈カテーテル挿入に関してはその歴史は古い.中心静脈ラインはAnbaniacによって1952年に報告されて以来,中心静脈圧測定,肺動脈カテーテル挿入,経動脈的ペーシング,血液浄化療法のルート,血管作動薬ならびに高濃度の投与ラインなど幅広く適応および応用がなされてきたが,何より高カロリー輸液の輸液ラインとして飛躍的に普及してきた.高カロリー輸液は,1932年のHartmannの乳酸ナトリウムを用いた乳酸リンゲル液の開発に端を発した静脈栄養の発展にもとづき,1968年にDudrickらによる高濃度ブドウ糖液をベースにした中心静脈栄養法(TPN)が開発され,経口栄養が十分でない重症患者の長期栄養管理に革新的な飛躍がもたらされ,数多くの改良がなされ今日に至っている.

そのような経過の中で,中心静脈カテーテル挿入は,その解剖学的に重要臓器すなわち大血管,肺,心臓などvital organが隣接する部位での手技であり,しかも解剖学的目印を目安にした盲目的手技,所謂「landmark法」であったことから,以前は十分な経験を有する医師の手に委ねられていたのが実状であった.しかも,生命を脅かすものも含め多くの合併症が高率に起こりうるものでもあった.

しかしながら近年は,本手技も多くの若手医師によって行われることが一般的となりつつある.このことは,前述した所謂「landmark法」から超音波ガイド下穿刺法が導入されてさらに顕著となってきた.そのような状況のもと,特に若手医師にとって重篤な合併症も起こり得るこの手技において,臨床の現場における実践的経験学習のみでは十分とは言えず,解剖学的および手技そのものの基礎知識を習得し,さらにシミュレーションによる実際の手技を修練した上で臨床実践に臨むことがきわめて重要であることは言をまたない.そのような今日,本書を世に出すことはまさに時宜を得たものであると言えるであろう.

本書は「らくらくマスター」シリーズにおける第1編「外科基本手技」に続く,第2編「超音波ガイド下中心静脈カテーテル挿入トレーニング」として,群馬大学大学院病態総合外科 准教授,浅尾高行博士による著書である.浅尾博士の臨床,教育,研究における実績に関しては前書で述べたので繰り返しは避けるが,同氏が,臨床と研究に加え,地道にそして熱意をもって医学生教育,卒後教育に取り組み,試行錯誤を繰り返しながら実践して来た教育法の中での中心静脈カテーテル挿入に関する教育実践の集大成である.

本手技を「らくらくマスター」する事と同時に,前述した,また本書でも述べられている,時として生命を脅かす合併症の発生を念頭に置いて,正確な解剖の知識と個々の症例におけるその解剖の偏位の可能性も心しつつ,「慎重」かつ「丁寧」に手技を遂行する重要性を付言して,監修の言葉とする.


「やってみて 言って聞かせて させてみて
褒めてやれねば 人は動かじ」 山本五十六


2011年9月 吉日

群馬大学大学院病態総合外科学
教授 桑野 博行


はじめに


CVC(central venous catheterization)は、実臨床において不可欠であるが、侵襲的手技のため一定の頻度で合併症を伴う.目に見えず触診もできない血管に合併症を最小限にカテーテルを留置するため長年工夫が重ねられてきた結果、超音波装置の利用とガイドワイヤーを使用したカテーテル留置法が推奨されるに至った.生検やドレナージなどで行われてきた超音波ガイド下穿刺と異なり、超音波ガイド下CVCには、血管穿刺独特のコツが必要である.超音波を使ったCVCは医療安全の面から推奨されており研修医にも指導することが求められているが、CVCを超音波下に行う手法の歴史が浅いため手探りで習得せざるを得ない現状である.

CVCに限らず手技の習得には、原理と利点・欠点を理解したうえで効率的なプログラムにしたがってトレーニングを積むのが早道である.本書は、群馬大学附属病院のCVC認定制度における教育事業の一環として企画されたCVCハンズオンセミナーで使用したテキストをもとに、超音波ガイド下CVCの理論とコツを解説した指南書である.ガイド下穿刺であっても針を進めるのは術者の「手」であることにかわりはないので穿刺の基本手技についてもトレーニング法とともに解説した.静止画では理解しにくいポイントは、術者の目線で撮影した動画をダウンロードして役立てていただきたい.

本書には2種類のインストラクションビデオを用意している.ダウンロードサイトより入手して利用されたい.また,Lesson番号の横の2次元バーコード(QRコード)をiPhoneやiPadの内蔵カメラで取り込むと,該当するLessonのインストラクションビデオをストリーミング動画として見ることもできる.

本書が安全なCVCの一助になれば幸いである.


2011年9月 吉日

群馬大学大学院病態総合外科学
浅尾 高行

目次

インストラクションビデオの入手方法

第1章 CVC総論

CVC(central venous catheterization)とは

中心静脈穿刺と末梢静脈穿刺

CVCの適応

リスク評価

アクセス血管の選択

血管穿刺法の選択

カテーテルの挿入法の選択

マキシマル・バリア・プリコーションと施行場所

挿入に伴う主な合併症

合併症の予防と早期対応

第2章 超音波装置による血管の描出

Section 2.1 血管描出のトレーニング

Lesson 1 プローブの持ち方と調整法

Lesson 2 プローブの操作法

Lesson 3 スキャン方向の補正

Lesson 4 プローブの回転角の補正

Section 2.2 内頸静脈の描出

Lesson 5 内頸静脈の描出

Section 2.3 鎖骨下静脈の描出

Lesson 6 鎖骨下静脈の描出の実際

Section 2.4 上腕皮静脈の描出

Lesson 7 上腕尺側皮静脈の描出

Section 2.5 大腿静脈の描出

Lesson 8 大腿静脈の描出

第3章 超音波ガイド下穿刺

Section 3.1 ガイド下穿刺トレーニング

Lesson 9 超音波ガイド下穿刺での穿刺法

Lesson 10 穿刺距離感覚をマスター

Lesson 11 Loss of resistance

Lesson 12 ビームに沿った穿刺

Lesson 13 プローブ固定法によるガイド下穿刺

Lesson 14 針先の追尾

Lesson 15 追尾法によるガイド下穿刺

Lesson 16 浅い血管の穿刺 短軸法

Lesson 17 浅い血管の穿刺 長軸法

Section 3.2 超音波ガイド下穿刺の基本

Section 3.3 内頸静脈のガイド下穿刺

Lesson 18 内頸静脈のガイド下穿刺の実際

Section 3.4 上腕皮静脈のガイド下穿刺

Lesson 19 上腕尺側皮静脈のガイド下穿刺の実際

第4章 超音波を用いたLandmarkの設定と穿刺

Section 4.1 超音波Landmarkの設定法トレーニング

Lesson 20 短軸スキャンでの超音波Landmarkの設定

Lesson 21 長軸スキャンでの超音波Landmarkの設定

Section 4.2 Landmark法穿刺トレーニング

Lesson 22 長針をまっすぐに穿刺

Lesson 23 穿刺角の設定

Lesson 24 試験穿刺を用いた穿刺法

Lesson 25 鎖骨下静脈穿刺のトレーニング

Section 4.3 内頸静脈のLandmarkの設定と穿刺

Lesson 26 超音波を用いた内頸静脈のLandmarkの設定と穿刺

Section 4.4 鎖骨下静脈のLandmarkの設定

Lesson 27 超音波を用いた鎖骨下静脈のLandmarkの設定の実際

Section 4.5 鎖骨下静脈の穿刺

Lesson 28 試験穿刺を用いた鎖骨下アプローチの実際

Section 4.6 Landmark法による上腕皮静脈穿刺

Lesson 29 Landmarkを利用した上腕尺側皮静脈穿刺の実際

第5章 セルジンガー法

Section 5.1 セルジンガー法トレーニング

Lesson 30 ガイドワイヤーの操作

Lesson 31 ダイレーターとカテーテルの操作

Section 5.2 セルジンガー法の実際

Lesson 32 PICCでのセルジンガー法の実際

Section 5.3 シースダイレーターを用いたセルジンガー法

Lesson 33 太いカテーテルの挿入法の実際

第6章 CVポート造設

Lesson 34 ポート造設法の実際

第7章 トレーニング用教材の作成法

■文献

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書籍情報

  • ISBN:9784498051065
  • ページ数:138頁
  • 書籍発行日:2011年9月
  • 電子版発売日:2012年7月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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