EBM耳鼻咽喉科・頭頸部外科の治療2015-2016

  • ページ数 : 688頁
  • 書籍発行日 : 2015年5月
  • 電子版発売日 : 2015年11月20日
17,600
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商品情報

内容

最新のエビデンスに基づく日常診療の確かな道標となる知見をこの1冊に集約したスタンダードテキストが登場!

日常の診療での疑問な事項、最近注目されている疾患の治療、世界で行われている最新の治療の現場などを厳選し、日本における各分野の専門家によって「序論」、「指針」、「エビデンス」、「根拠となった臨床研究の問題点と限界」、「患者に対応する際の注意点」、「コメント」を紹介する形式になっています。
耳鼻咽喉科・頭頸部外科の専門医ならびに若い研修医の実地臨床での診断・治療の判断材料として役立つ1冊に。

EBMシリーズ

序文

1990年代後半より急速に普及してきたEBM(evidence‒based medicine)は個々の臨床医のあやふやな経験や直感に頼らずに,科学的に実証された根拠に基づいて,最適な治療法を選択,実践するための手法です.外来や病棟での患者の疑問点の解釈だけでなく,治療ガイドラインやクリニカル・パスの作成,健診プログラムの評価,卒前・卒後教育および生涯教育,医療行政の策定,さらには論文の採択の判断材料など多種多様の医療・医学の内容と質に貢献してきております.

Banglawala博士は2015年に,耳鼻咽喉科の主要な4つの国際誌において2011‒2013年に掲載された5,729編の論文のうち,僅か3.3%がランダム化比較試験(RCT)であったと報告しています.領域別の割合では,鼻副鼻腔(31%),耳(26%),頸部・咽喉頭(23%),腫瘍(5.3%),形成・再建(3.7%)となっています.また46%が内科的介入のRCT,38%が外科的介入,16%が混合型介入となっています.2000‒2005年の同様の調査と比較して,RCTの数は倍増していますが,質の面からは改善の余地があるという結果でした.今後は高品質の研究デザインが求められていることを意味しています.

「EBM耳鼻咽喉科・頭頸部外科の治療2010‒2011」として発刊してから早くも5年間が経過し,本書を2015‒2016年版として上梓することになりました.5名の編者によって,耳領域,鼻副鼻腔領域,咽頭領域,喉頭領域,頭頸部領域を分担し,日常の診療での疑問な事項,最近注目されている疾患の治療,世界で行われている最新の治療の現況などを厳選し,本邦における各分野の専門家によって「序論」,「指針」,「エビデンス」,「根拠となった臨床研究の問題点と限界」,「患者に適応する際の注意点」,「コメント」を紹介して頂く形式となっております.

本書が耳鼻咽喉科・頭頸部外科の専門医ならびに若い研修医の実地臨床での診断・治療の判断材料として役立つことができれば,編者として望外の喜びです.最後に,ご多忙な折に執筆をお引き受け頂いた先生方にこの場を借りて深謝する次第です.

2015年4月 茶崖を見下ろして

編者代表 池田勝久

目次

I.耳領域

A.急性中耳炎

1.急性中耳炎に対する抗菌薬のエビデンスは?〈林 達哉〉

2.急性中耳炎に対する鼓膜切開のエビデンスは?〈高橋吾郎 水田邦博〉

3.肺炎球菌ワクチンは急性中耳炎の予防に有効か?〈保富宗城 山中 昇〉

B.滲出性中耳炎

1.小児滲出性中耳炎に対する鼓膜切開術,鼓膜チューブ留置術のエビデンスは?〈伊藤真人〉

2.滲出性中耳炎に対する通気療法,アデノイド切除術のエビデンスは?〈吉田晴郎 高橋晴雄〉

3.滲出性中耳炎の薬物療法のエビデンスは?〈仲野敦子〉

4.好酸球性中耳炎の治療法は?〈松原 篤〉

5.耳管開放症の治療法は?〈日高浩史 小林俊光〉

C.慢性中耳炎

1.慢性中耳炎に対する点耳または経口抗菌薬のエビデンスは?〈高橋邦行 山本 裕 高橋 姿〉

2.慢性中耳炎に対する鼓室形成術,乳突削開術のエビデンスは?〈萩森伸一〉

3.真珠腫性中耳炎に対する鼓室形成術のエビデンスとは?〈小森 学 小島博己〉

D.感音難聴

1.突発性難聴に対するステロイド,循環改善薬,抗ウイルス薬のエビデンスは?〈神崎 晶〉

2.突発性難聴に対する高気圧酸素療法のエビデンスは?〈曾根三千彦〉

3.外リンパ瘻の診断と治療のエビデンスは?〈杉崎一樹 池園哲郎〉

4.急性低音障害型感音難聴の治療法のエビデンスは?〈佐藤宏昭〉

5.聴神経腫瘍の治療選択のエビデンスは?〈高田雄介 須納瀬 弘〉

E.補聴器,人工中耳,人工内耳

1.補聴器のエビデンスはあるのか?〈杉内智子〉

2.人工中耳医療のエビデンスは?〈土井勝美〉

3.成人の人工内耳のエビデンスは?〈茂木英明 宇佐美真一〉

4.小児の人工内耳のエビデンスは?〈樫尾明憲 山岨達也〉

F.耳鳴

1.耳鳴に対する薬物治療のエビデンスは?〈五島史行〉

2.耳鳴に対する音響療法,認知行動療法のエビデンスは?〈小川 郁〉

G.めまい

1.抗めまい薬のエビデンスは?〈青木光広〉

2.メニエール病に対する薬物治療のエビデンスは?〈下郡博明〉

3.メニエール病に対する中耳加圧療法のエビデンスは?〈將積日出夫 高倉大匡 坪田雅仁〉

4.メニエール病に対する内リンパ囊開放術のエビデンスは?〈北原 糺〉

5.BPPVに対する耳石置換法のエビデンスは?〈今井貴夫〉

6.前庭神経炎に対するステロイドのエビデンスは?〈佐藤 豪〉

7.慢性期のめまいに対する平衡訓練のエビデンスは?〈山中敏彰〉

8.めまいに対する抗不安薬,抗うつ薬などのエビデンスは?〈清水謙祐〉

H.顔面神経麻痺

1.顔面神経麻痺に対するステロイドと抗ウイルス薬のエビデンスは?〈?田昌史 塚原桃子〉

2.顔面神経麻痺に対する顔面神経減荷術のエビデンスは?〈山田啓之 羽藤直人〉

3.顔面神経麻痺後遺症の予防法・治療法のエビデンスは?〈東 貴弘〉

II.鼻副鼻腔領域

A.アレルギー性鼻炎・花粉症

1.衛生仮説のエビデンスは?〈櫻井大樹 岡本美孝〉

2.健康食品の有効性のエビデンスは?〈三輪正人〉

3.点鼻薬性鼻炎治療のエビデンスは?〈池田勝久〉

4.感作・発症における遺伝因子と環境因子のエビデンスは?〈山田武千代 藤枝重治〉

5.舌下免疫療法の有用性のエビデンスは?〈後藤 穣〉

6.デポステロイド筋肉注射による有害事象のエビデンスは?〈橋口一弘〉

7.喘息への増悪因子へのエビデンスは?〈鈴木元彦〉

B.副鼻腔炎・関連疾患

1.急性鼻副鼻腔炎の診断のエビデンスは?〈保富宗城 山中 昇〉

2.好酸球性副鼻腔炎の診断のエビデンスは?〈藤枝重治〉

3.好酸球性副鼻腔炎の治療のエビデンスは?〈太田伸男〉

4.アスピリン減感作療法の鼻ポリープに対するエビデンスは?〈村田潤子 谷口正実〉

5.鼻洗浄のエビデンスは?―洗浄液の成分,機序を踏まえて―〈竹野幸夫 久保田和法〉

6.アレルギー性真菌性副鼻腔炎に対する治療のエビデンスは?〈岡野光博 金井健吾〉

7.糖尿病に起因する副鼻腔疾患のエビデンスは?〈原田 保〉

8.副鼻腔炎による嗅覚障害の治療のエビデンスは?〈都築建三〉

9.IgG4関連疾患による鼻副鼻腔疾患のエビデンスは?〈高野賢一 氷見徹夫〉

10.鼻腔通気度測定法のエビデンスは?〈内藤健晴〉

11.鼻閉による睡眠障害のエビデンスは?〈中田誠一〉

12.耳鼻咽喉科診療の院内感染対策のエビデンスは?〈森 繁人〉

C.嗅覚障害

1.感冒罹患後の嗅覚障害の治療のエビデンスは?〈近藤健二〉

2.外傷性嗅覚障害の治療のエビデンスは?〈立川隆治 石橋卓弥〉

3.嗅覚検査による神経変性疾患の診断のエビデンスは?〈池田勝久〉

D.手術治療

1.鼻副鼻腔内反性乳頭腫再発のエビデンスは?〈中丸裕爾〉

2.外傷性鼻性髄液漏の治療のエビデンスは?〈松脇由典〉

3.鼻涙管閉鎖症治療のエビデンスは?〈竹内裕美〉

4.鼻中隔矯正術にEBMはあるのか?〈比野平恭之〉

5.内視鏡下経副鼻腔眼窩手術のエビデンスは?〈唐木將行〉

6.嗅覚障害を治すための手術のエビデンスは?〈小林正佳〉

7.Balloon sinuplastyの治療のエビデンスは?〈朝子幹也〉

8.術後パッキングは必要か?〈児玉 悟〉

III.口腔・咽頭領域

A.口腔疾患

1.口内炎のエビデンスに基づいた治療法は?〈内藤健晴〉

2.口臭症のエビデンスに基づいた治療法は?〈鈴木幹男 喜友名朝則 上原貴行〉

3.口腔乾燥症のエビデンスに基づいた治療法は?〈山村幸江〉

4.口腔アレルギー症候群のエビデンスに基づいた治療法は?〈白崎英明〉

5.舌炎のエビデンスに基づいた治療法は?〈土井 彰 赤木博文〉

6.舌痛症のエビデンスに基づいた治療法は?〈前田英美〉

7.咽喉頭異常感症のエビデンスに基づいた治療法は?〈愛甲 健 折舘伸彦〉

8.味覚障害のエビデンスに基づいた治療法は?〈任 智美〉

B.口腔・咽頭の感染症

1.急性咽頭・扁桃炎のエビデンスに基づいた治療法は?〈坂東伸幸〉

2.扁桃周囲膿瘍のエビデンスに基づいた治療法は?〈黒野祐一〉

3.咽後膿瘍のエビデンスに基づいた治療法は?〈鈴木正志 渡辺哲生〉

4.深頸部膿瘍のエビデンスに基づいた治療法は?〈川内秀之〉

C.扁桃疾患

1.扁桃病巣疾患に関する科学的エビデンスは?〈高原 幹〉

2.皮膚疾患に対する扁桃摘出術の有効性は?〈小林里実〉

3.IgA腎症に対する扁桃摘出術の有効性は?〈堀田 修〉

4.骨・関節疾患に対する扁桃摘出術の有効性は?〈小林茂人 木田一成〉

5.PFAPA症候群に対する扁桃摘出術の有効性は?〈上田征吾 原渕保明〉

D.睡眠時無呼吸症候群

1.成人睡眠時無呼吸症候群のエビデンスに基づいた治療法は?〈千葉伸太郎〉

E.唾液腺疾患

1.耳下腺炎のエビデンスに基づいた治療法は?〈笹村佳美〉

2.唾液腺症のエビデンスに基づいた治療法は?〈河田 了〉

3.シェーグレン症候群のエビデンスに基づいた治療法は?

主に口腔乾燥症状(ドライマウス)について〈八木正夫 友田幸一〉

4.IgG4関連唾液腺疾患のエビデンスに基づいた治療法は?〈高野賢一 氷見徹夫〉

5.HIV関連唾液腺疾患のエビデンスに基づいた治療法は?〈吉原俊雄〉

6.ガマ腫の治療のEBMとは?〈太田伸男〉

IV.喉頭領域

A.音声

1.音声障害の問診:自覚症状と聴覚心理的評価のエビデンスは?〈二藤隆春〉

2.喉頭内視鏡検査:ストロボ光源観察のエビデンスは?〈松?洋海 牧山 清〉

3.音声機能検査と音響分析の適切な解釈は?〈齋藤康一郎〉

4.喉頭顕微鏡手術と術後音声治療のエビデンスは?(マイクロフラップ法も含めて)〈渡邊雄介〉

5.ビデオラリンゴスコープ手術のエビデンスは?〈原 浩貴〉

6.局所麻酔下の喉頭内視鏡手術のエビデンスは?〈多田靖宏〉

7.音声改善手術:声帯内注入術のエビデンスは?〈荒木幸仁 塩谷彰浩〉

8.音声改善手術:喉頭枠組み手術,神経筋弁移植術のエビデンスは?〈湯本英二〉

9.痙攣性発声障害の治療のエビデンスは?〈中村一博〉

10.声帯瘢痕の治療のエビデンスは?〈岸本 曜 平野 滋〉

B.喉頭疾患

1.喉頭外傷と喉頭・気管再建治療のエビデンスは?〈大森孝一〉

2.喉頭乳頭腫治療のエビデンスは?〈中西庸介 室野重之 吉崎智一〉

3.喉頭・下咽頭血管腫治療のエビデンスは?〈渡邊健一〉

4.喉頭摘出後の代替音声に関するエビデンスは?〈那須 隆〉

C.嚥下

1.嚥下内視鏡検査と嚥下造影検査のエビデンスは?〈兵頭政光〉

2.嚥下障害に対する筋電図検査と嚥下圧検査のエビデンスは?〈唐帆健浩〉

3.誤嚥性肺炎および嚥下障害の薬物治療のエビデンスは?〈海老原孝枝 海老原 覚〉

4.嚥下機能改善手術のエビデンスは?〈千年俊一 梅野博仁 深堀光緒子〉

V.頭頸部腫瘍領域

A.治療総論

1.導入化学療法のエビデンスは?〈藤井博文〉

2.化学放射線療法のエビデンスは?〈中島寅彦〉

3.術後化学放射線療法のエビデンスは?〈岡野 晋〉

4.分子標的薬のエビデンスは?〈田原 信〉

5.IMRTのエビデンスは?〈古平 毅〉

6.粒子線治療のエビデンスは?〈出水祐介〉

7.超選択的動注化学療法のエビデンスは?〈本間明宏〉

B.治療各論

1)喉頭癌

1.経口的手術のエビデンスは?〈冨藤雅之〉

2.喉頭部分切除術のエビデンスは?〈岩江信法〉

2)下咽頭癌

1.頸部郭清先行化学放射線療法のエビデンスは?〈大月直樹 丹生健一〉

2.下咽頭部分切除術のエビデンスは?〈門田伸也〉

3.同時重複癌のエビデンスは?〈中溝宗永 横島一彦〉

3)鼻副鼻腔癌

1.頭蓋底手術のエビデンスは?〈安里 亮〉

2.内視鏡手術のエビデンスは?〈花澤豊行〉

3.超選択的動注化学療法のエビデンスは?〈本間明宏〉

4)上咽頭癌

1.EBVのエビデンスは?〈吉崎智一〉

2.化学放射線療法のエビデンスは?〈小松正規 田口享秀 折舘伸彦〉

5)口腔

1.舌癌に対する予防的頸部郭清のエビデンスは?〈朝蔭孝宏〉

2.センチネルリンパ節のエビデンスとは?〈松塚 崇 鈴木大士〉

6)中咽頭癌

1.HPVウイルスのエビデンスは?〈家根旦有〉

2.中咽頭癌に対するRobotic surgeryのエビデンスは?〈楯谷一郎〉

7)甲状腺癌

1.甲状腺微小癌に対するエビデンスは?〈伊藤康弘 宮内 昭〉

2.甲状腺癌に対する気管傍郭清のエビデンスは?〈吉本世一〉

3.甲状腺乳頭癌に対する甲状腺全摘,放射性ヨウ素内用療法,TSH抑制療法のエビデンスは?〈蛯名 彩 杉谷 巌〉

4.反回神経再建のエビデンスは?〈讃岐徹治〉

5.甲状腺癌に対する薬物療法のエビデンスは?〈今村善宣 清田尚臣〉

8)唾液腺癌

1.顔面神経再建のエビデンスは?〈橋川和信〉

2.唾液腺腫瘍に対する遺伝子診断のエビデンスは?〈稲垣 宏〉

3.唾液腺癌に対する薬物療法のエビデンスは?〈多田雄一郎〉

9)原発不明癌

1.原発不明癌に対する治療法のエビデンスは?〈松浦一登〉

C.リハビリテーション・患者ケア

1.頭頸部癌治療における口腔ケアのEBMとは?〈片岡智子〉

2.頸部郭清術後リハビリテーションのエビデンスは?〈峯田周幸〉

3.化学放射線療法におけるリハビリテーションのエビデンスは?〈高橋美貴 丹生健一〉

4.口腔癌術後のリハビリテーションのエビデンスは?〈妻木浩美〉

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書籍情報

  • ISBN:9784498062702
  • ページ数:688頁
  • 書籍発行日:2015年5月
  • 電子版発売日:2015年11月20日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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