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CCUエキスパート看護マニュアル Part3.輸液,人工呼吸,心肺蘇生 ―知識編チェックリスト付き

  • ページ数 : 116頁
  • 書籍発行日 : 2011年6月
  • 電子版発売日 : 2012年6月30日
3,300
(税込)
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商品情報

内容

循環器看護のエキスパート集団、榊原記念病院のSakakibara Registered Nurse(SRN)のスキルとノウハウ、そしてその養成プログラムを元に作成された「CCUエキスパート看護マニュアル」が電子版となり登場です。

<Part3の主な収録内容>
・輸液管理
・酸素療法の管理
・経皮的心肺補助循環法の管理
・人工呼吸器の管理
・持続的血液限外濾過法の看護
・心肺蘇生法
・CCUエキスパートの育成

序文

榊原記念病院は,心臓外科のパイオニアの一人である故榊原仟東京女子医科大学教授が,一人でも多くの心臓病患者を救うことと,循環器医療に携わる医師や看護師の教育のために日本心臓血圧研究振興会に附属する循環器専門の臨床研究施設として,1977年11月に設立しました.病院設立当初は,ICUに附属した設備としてCCU(coronary care unit)4床を稼働させ,1984年に独立した10床のCCUになりました.

当初のCCUは,その用語の意味のとおり,冠動脈疾患患者を収容して治療と看護を行っていましたが,循環器治療の進歩と変遷とともに,その機能や役割も変化してきました.たとえば,1980年代は,通常の経皮経管的冠動脈形成術であるPOBAが主流でしたが,1990年代に冠動脈ステントに移り,同時にDCAやロータブレーターなどの新たな冠動脈形成術が開発され,そして,循環補助の内科的システムとして,経皮的人工心肺システムPCPSが導入されました.それにより,左冠動脈主幹部やLAD近位部に対するPTCAの治療適応が拡大し,身体侵襲の大きい外科的治療から侵襲の少ない内科的治療へとシフトし,重症循環不全患者の急性期の救命率も格段に進歩したような印象があります.とくに,1980年~1990年代は日本の高度成長期の真最中であり,日本の食事が欧米化するとともに,肥満や高脂血症を生み,その結果,虚血性心疾患の罹患患者の増大と若年化傾向があったため,CCUの果たした役割は大きいと思います.

また,CCUの設備も大きく様変わりしました.心電図モニターは,単に心電図をモニターするものではなく,数多くの身体所見をモニターすることができるようになり,それら刻々と変化するデジタル数値をあらゆる方法でトレンドすることができるようになりました.また,人工呼吸器や補助循環装置は,小型化されつつ高性能のコンピュータを内蔵した機械に変化していきました.CCUで働く看護師は,患者の身体を,自分の手で触れ,目で見て,耳で聞いて観察するだけではなく,生体モニター画面や,人工呼吸器,補助循環装置のデジタル画面をみて,そこに表示される数値も管理しなくてはならなくなりました.その結果,機械の取り扱いやデータのアセスメントに苦手意識をもつ看護師は,CCUやICUにあるモニターやME機器をみただけで,圧倒されてしまうのではないでしょうか.

本書は,そんな看護師のために,CCUに入室する患者の代表的な疾患の治療と看護,それぞれの循環管理の実際を図や写真を用いてわかりやすく解説し,そして,CCUナース育成のために必要なチェックリストを紹介することを目的に作成しました.執筆は,榊原記念病院のCCU・ICUで働くSRN(Sakakibara Registered Nurse)が行いました.担当したSRNは,自分の持っている技術と知識を出し惜しみすることなく執筆しましたので,足掛け4年の歳月をかけ,大変多くのボリュームになってしまいましたが,中外医学社の宮崎氏のご尽力により,3分冊にして,発刊することができました.深く感謝いたします.本書が,循環器の急性期に対する苦手意識を克服することに役立つことを祈念しています.


2011年 3月

榊原記念病院 三浦 稚郁子

目次

1 輸液管理

A. 使用される薬剤

B. 輸液の投与経路

C. 輸液の投与方法

1. 輸液ラインの種類

2. 輸液ラインの作成方法

3. ポンプの特徴とラインの選択

D. 輸液療法中のラインの管理と観察ポイント

1. 輸液ラインの整理と固定

2. 輸液ラインの確認と観察

E. 輸液ラインの交換

1. 輸液ラインの交換方法

2. 留置ライン入れ替え時のラインの交換方法

F. カテコラミン点滴の管理

1. 薬液濃度

2. 投与経路

3. 投与方法

4. 管理と観察ポイント

G. 留置ラインの管理

1. 末梢静脈ラインの管理

2. 中心静脈ラインの管理

2 酸素療法の管理

A. 循環器疾患に対する酸素療法の目的

B. 酸素療法の方法

1. 酸素投与方法の分類と特徴

2. 酸素流量と吸入酸素濃度の関係

3. 酸素流量と吸入酸素濃度を設定するときの注意点

C. 酸素療法の看護

1. 酸素投与前の看護

2. 酸素投与中の患者の観察

3. 合併症の予防と看護

3 経皮的心肺補助循環法の管理

A. 経皮的心肺補助循環法とは

1. 目 的

2. 適 応

3. 禁 忌

B. PCPS挿入時の看護

1. 方 法

2. 必要物品(セルジンガー法)

3. 手 順

4. 挿入時の合併症

5. 看護のポイントと根拠

C. PCPS挿入中の看護

1. PCPS回路の構成

2. PCPS回路の確認とアラーム対応

3. 挿入中の患者の観察

4. 合併症の予防,早期発見

5. 日常生活の援助

D. PCPS離脱時の看護

1. 離脱開始基準

2. 離脱手順

3. 離脱中の観察

E. PCPS抜去時の看護

1. 方 法

2. 必要物品の準備

3. 手 順

4. 止血後の観察

4 人工呼吸器の管理

A. 人工呼吸器とは

1. 人工呼吸器の目的

2. 人工呼吸器の開始基準

B. 人工呼吸器の機能の基本

1. どのような人工呼吸を行うか決めている作動設定機能

2. 患者の状態を測り表示する機能

3. 患者の状態や人工呼吸器の作動を監視し,異常を知らせてくれる機能

C. 気管挿管時の看護

1. 気管挿管の目的

2. 経口気管挿管の手順

3. 気管挿管介助時の看護のポイント

4. 気管挿管直後の看護のポイント

D. 人工呼吸器装着中の看護

1. 患者の観察

2. 人工呼吸周辺機器のモニタリングによる観察

3. 人工呼吸器装着中の看護

4. 鎮静と精神的看護

5. 人工呼吸器による合併症とその看護

E. 人工呼吸器離脱時の看護

1. ウィーニングとは

2. ウィーニングの進め方

3. 抜管基準

4. 抜管介助時の看護

5. 抜管後の看護

F. NPPV療法の看護

1. NPPVの適応

2. 換気モード

3. NPPV中の観察

4. アラームの対応

5 持続的血液限外濾過法の看護

A. 血液浄化法とは

1. 血液浄化の目的

2. 血液浄化の種類

3. 血液浄化法の方法

4. CHDFの合併症

B. カニューレ挿入時の看護

1. ダブルルーメンカテーテル挿入時の必要物品

2. 挿入手順

3. ダブルルーメンカテーテル挿入時の看護のポイント

C. CHDFの看護

1. CHDF実施中の観察

2. CHDF実施中の機械の管理

3. 実施中の重大トラブル

4. 実施中の苦痛へのケア

5. CHDF終了時の観察とケア

6 心肺蘇生法

A. 心肺蘇生法とは

B. 救命の連鎖

C. 心肺蘇生の手順

1. 状況の評価と患者の反応を確認する

2. 蘇生のための人員の確保と物品の調達

3. 気道確保と呼吸の確認

4. 2回の呼気吹き込み

5. 頸動脈の触知

6. 絶え間ない胸骨圧迫と人工呼吸の開始

7. AEDを用いた除細動の手順と除細動後の心肺蘇生

D. 集中治療室における一次心肺蘇生の実際

E. 院内の蘇生手順

7 CCUエキスパートの育成―チェックリスト付き

A. CCU看護師とは

B. CCU看護のSRN育成のための教育

1. OJTの実際

2. Off-JTの実際

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書籍情報

  • ISBN:9784498075863
  • ページ数:116頁
  • 書籍発行日:2011年6月
  • 電子版発売日:2012年6月30日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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