MRのためのCKDハンドブック

  • ページ数 : 160頁
  • 書籍発行日 : 2013年9月
  • 電子版発売日 : 2014年10月17日
1,320
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商品情報

内容

チーム医療のために欠かせない一冊!

慢性腎臓病(CKD)とその集学的治療について、基本的な知識をわかりやすく解説したテキスト。各ポイントには「Self Check」のコーナーが設けられているので、知識の確認や予習・復習にお役立ていただけます。

序文

チーム医療とはよく聞かれる言葉ですが,医師同士だけではなく看護師や薬剤師,栄養士,臨床検査技師,臨床工学技士,作業療法士らが協力して,患者さんの治癒・社会復帰に向け安心で安全な医療を行うことです.私が医師になりたての頃は,医師が医療の中心でありピラミッド型で一方方向の指示系統で医療がなされていました.また,患者さんや家族に対する病態や治療方針などについてのインフォームド・コンセント(IC)も十分ではなかったと思います.しかし,現在患者さんは医療の中心にあり,チーム医療のリーダーは医師ですが,各医療スタッフは互いの役割や立場を尊重し患者さん本位の医療がなされています.また,医師も診療科の壁をなくし医療に参加しています.

最近,看護師や薬剤師,栄養士,臨床検査技師に腎臓内科領域の疾患について理解を深めてもらいたいとの想いから「メディカルスタッフのための腎臓病学」(中外医学社)を刊行しました.特に,職種ごとに知ってもらいたいポイントもコンパクトにまとめましたので,活用していただきたいと願っています.これまで私は,医薬情報を正しく速やかに知らせてくれている医薬情報担当者(Medical Representative:MR)の諸君もメディカルスタッフの一員だと思っており,関連学会での"よくわかる教育セミナー"や市民公開講座などへの積極的出席を勧めてきました.MR諸君にとっては自社製品の特徴と副作用等を正しく理解し,私たちに紹介してくれるとともに,他社の同種製薬の知識を得ることも大変重要だと思っています.

今回,「メディカルスタッフのための腎臓病学」の姉妹本として「MRのためのCKDハンドブック」を上梓することに致しました.最近,国内外ともに注目されている慢性腎臓病(CKD)についての基礎知識を学び,現在私たちが行っている集学的治療の概要を知っていただきたいと願っています.

各ポイントにSelf Checkのコーナーを設けてありますので,CKDについての簡単な予習・復習にご活用ください.また,CKD症例に対する薬物療法の治療のポイントを私の経験も含めまとめました.総論のはじめに,医薬情報担当者(Medical Representative:MR)の役割―医師からみたMRへの期待―を私なりに述べましたので,最初に読んでいただきたいと思います.

本書が少しでもMR諸君のお役にたてれば大変嬉しく思います.しかし,物足りない解説もあろうかと思いますので,皆さんの忌憚のないご意見をいただければ幸いです.

最後に,本書の刊行にあたり薬剤の資料収集等にご理解・ご協力いただきました関連製薬会社のMRの方々並びに中外医学社の皆さまに厚くお礼申し上げます.


2013年夏

神田川のほとりにて 富野 康日己

目次

§1.総 論

A.医薬情報担当者(Medical Representative:MR)の役割−医師からみたMRへの期待−

B.慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)とは?

 1.定義・分類

 2.原因疾患:生活習慣病,メタボリックシンドローム

 3.一般的療法:生活習慣の修正

§2.各論:疾患の理解と薬物療法

1.糖尿病腎症 Diabetic nephropathy

 1.病態・分類

 2.病期分類

 3.症状・合併症

 4.診断・検査

 薬物療法

  Ⅰ.血糖管理

   1.選択的DPP-4阻害薬

     ●エクア(ビルダグリプチン)

     ●ジャヌビア(シタグリプチンリン酸塩水和物)

     ●テネリア(テネリグリプチン臭化水素酸塩水和物)

     ●スイニー(アナグリプチン)

     ●トラゼンタ(リナグリプチン)

     ●オングリザ(サキサグリプチン水和物)

   2.食後過血糖改善薬

     ●グルコバイ(アカルボース)

     ●ベイスン(ボグリボース)

   3.ビグアナイド系経口血糖降下薬

     ●メトグルコ(メトホルミン塩酸塩)

   4.速効型インスリン分泌促進薬

     ●ファスティック(ナテグリニド)

   5.スルホニルウレア系経口血糖降下薬

     ●グリミクロン(グリクラジド)

     ●アマリール(グリメピリド)

   6.チアゾリジン誘導体

     ●アクトス(ピオグリタゾン塩酸塩)

   7.インスリン

     ●ヒューマログ〔インスリンリスプロ(遺伝子組換え)〕

   8.その他

     ●アンプラーグ(サルポグレラート塩酸塩)

   ■CKD: 糖尿病腎症での血糖降下薬の使い方


  Ⅱ.血圧コントロール

   1.アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬

     ●タナトリル(イミダプリル塩酸塩)

     ●コバシル(ペリンドプリルエルブミン)

     ●チバセン(ベナゼプリル塩酸塩)

   2.アンジオテンシン・AT1受容体阻害薬(ARB)

     ●ディオバン(バルサルタン)

     ●ニューロタン(ロサルタンカリウム)

     ●ブロプレス(カンデサルタンシレキセチル)

     ●ミカルディス(テルミサルタン)

   3.直接的レニン阻害薬(direct renin inhibitor: DRI)

     ●ラジレス(アリスキレンフマル酸塩)

   ■CKD:糖尿病腎症での降圧薬の使い方

2.慢性腎炎症候群:慢性糸球体腎炎―IgA腎症,ループス腎炎―

 1.IgA 腎症 IgA nephropathy

  1.病態・分類

  2.症状・合併症

  3.診断・検査

  薬物療法

   1.抗血小板薬

     ●コメリアン(ジラゼプ塩酸塩水和物)

     ●ペルサンチン―L(ジピリダモール)

   2.止血薬

     ●アドナ(カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物)

 2.ループス腎炎 Lupus nephritis

  1.病態・分類

  2.症状・合併症

  3.検査成績

  薬物療法

     ●プレドニン(プレドニゾロン)

     ●ネオーラル(シクロスポリン)

     ●エンドキサン(シクロホスファミド水和物)

     ●ブレディニン(ミゾリビン)

   ■CKD進行例:慢性糸球体腎炎での薬剤の使い方


3.ネフローゼ症候群 Nephrotic syndrome

 1.微小変化型ネフローゼ症候群 minimal change nephrotic syndrome (MCNS)

  1.病態・分類

  2.症状・合併症

  3.診断・検査

 2.膜性腎症 membranous nephropathy(MN)

  1.病態・分類

  2.症状・合併症

  3.診断・検査

 薬物療法

   ■CKD: ネフローゼ症候群での薬剤の使い方


4.高血圧性腎硬化症(良性,悪性)Hypertensive nephrosclerosis

  1.病態・分類

  2.症状・合併症

  3.診断・検査

 薬物療法

   1.Ca拮抗薬(CCB)

     ●コニール(ベニジピン塩酸塩)

     ●アムロジン(アムロジピンベシル酸塩)

     ●アテレック(シルニジピン)

   2.利尿薬

     ●フルイトラン(トリクロルメチアジド)

     ●ラシックス(フロセミド)

     ●ダイアート(アゾセミド)

     ●アルダクトンA(スピロノラクトン)

     ●セララ(エプレレノン)

   3.α遮断薬

     ●カルデナリン(ドキサゾシンメシル酸塩)

   4.α・β遮断薬

     ●アーチスト(カルベジロール)

   5.β遮断薬

     ●メインテート(ビソプロロールフマル酸塩)

     ●セレクトール(セリプロロール塩酸塩)

   6.中枢性交感神経抑制薬・血管拡張薬

     ●アルドメット(メチルドパ)

     ●アプレゾリン(ヒドララジン塩酸塩)

   ■CKDでの降圧薬の使い方


5.多発性嚢胞腎 Polycystic kidney disease (PCKD)

  1.病態・分類

  2.症状・合併症

  3.診断・検査

  ■CKD:多発性嚢胞腎での薬剤の使い方


6.痛風腎 Gouty kidney

  1.病態・分類

  2.症状・合併症

  3.診断・検査

 薬物療法

   1.尿酸生成抑制薬

     ●ザイロリック(アロプリノール)

     ●フェブリク(フェブキソスタット)

   2.尿酸排泄促進薬

     ●ユリノーム(ベンズブロマロン)

  ■CKDでの尿酸低下薬の使い方


7.脂質異常症(高脂血症)Dyslipidemia(Hyperlipidemia)

  1.病態・分類

  2.症状・合併症

  3.診断・検査

 薬物療法

   1.コレステロール合成抑制薬:HMG―CoA還元酵素阻害薬

     ●リバロ(ピタバスタチンカルシウム)

     ●ローコール(フルバスタチンナトリウム)

     ●リピトール(アトルバスタチンカルシウム水和物)

     ●メバロチン(プラバスタチンナトリウム)

   2.小腸コレステロールトランスポーター阻害薬

     ●ゼチーア(エゼチミブ)

   3.高トリグリセリド血症治療薬

     ●MDSコーワ(デキストラン硫酸エステルナトリウム?イオウ18)

     ●ペリシット(ニセリトロール)

     ●エパデール(イコサペント酸エチル)

  ■CKDでの脂質異常症改善薬の使い方


8.慢性腎不全 Chronic renal failure (CRF)

  1.病態・分類

  2.症状・合併症

  3.診断・検査

 薬物療法

   1.活性型ビタミンD3

     ●アルファロール(アルファカルシドール)

     ●ロカルトロール(カルシトリオール)

     ●オキサロール(マキサカルシトール)

   2.高リン(P)血症改善薬

     ●ホスレノール(炭酸ランタン水和物)

     ●キックリン(ビキサロマー)

     ●フォスブロック(セベラマー塩酸塩)

   3.Ca受容体作動薬

     ●レグパラ(シナカルセト塩酸塩)

  ■CKDでの活性型ビタミンD3・高P血症改善薬・Ca受容体作動薬の使い方

   4.高K血症治療薬

     ●カリメート(ポリスチレンスルホン酸カルシウム)

     ●アーガメイト(ポリスチレンスルホン酸カルシウム)

  ■CKDでの高K血症治療薬の使い方

   5.尿毒症治療薬(経口吸着炭素製剤)

     ●クレメジン(球形吸着炭)

  ■CKDでの経口吸着炭素製剤の使い方

   6.貧血改善薬

   a.ヒト エリスロポエチン製剤

     ●エスポー〔エポエチンアルファ(遺伝子組換え)〕

     ●ネスプ〔ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)〕

     ●エポジン〔エポエチンベータ(遺伝子組換え)〕

     ●ミルセラ〔エポエチンベータペゴル(遺伝子組換え)〕

   b.鉄 剤

     ●フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)

  ■CKDでのESA・鉄剤の使い方

付録:基礎知識の解説

A.腎臓の構造と機能

 1.腎臓の外観・割面

 2.腎臓の組織像: 糸球体と尿細管

B.急性腎障害 (acute kidney injury: AKI)

C.腎代替療法

 1.血液透析

 2.腹膜透析(continuous ambulatory peritoneal dialysis:CAPD)

 3.腎移植(renal transplantation)


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書籍情報

  • ISBN:9784498076662
  • ページ数:160頁
  • 書籍発行日:2013年9月
  • 電子版発売日:2014年10月17日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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