糖尿病療養指導グリーンノート

  • ページ数 : 460頁
  • 書籍発行日 : 2019年9月
  • 電子版発売日 : 2019年9月18日
5,280
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商品情報

内容

実践的な内容をポケットサイズに盛り込み,現場のおともに役立つ一冊.

もはや本邦の国家的課題ともいえる糖尿病の適切な診療を実現するためには,幅広い専門知識と技術を有する多職種の医療スタッフがチームで療養指導に取り組むことが重要である. 本書では,糖尿病の療養指導を行ううえで欠かすことのできない基礎知識や病態,他科の連携,患者ケアなどのポイントを簡明に解説した.

>『 グリーンノート』シリーズ

序文

厚生労働省が行った国民健康・栄養調査によると,総人口の約6人に1人が糖尿病患者・予備群であり,また高齢糖尿病患者については増加の一途をたどるなど,糖尿病対策は国家的課題である.このような多くの糖尿病患者・予備群に対し,糖尿病専門医の数は限られており,適切な糖尿病診療を実現するためには,非専門医との良好な病診連携,多職種より構成されるチーム医療体制の構築が極めて重要である.医師の指導のもと,医療スタッフが幅広い専門知識と技術を持ち,患者・家族と良好な信頼関係を構築し,個々人に対し最適な療養指導を行うことが求められる.その際,診断早期から患者本人に正確な知識・技術を身に付けていただき,療養継続のモチベーションを持っていただくことが治療中断を避けるという観点から重要である.

患者の日常生活が治療行為でもある糖尿病診療では,治療や療養指導の場は医療施設内のみに留まることなく,患者の自宅や職場にも及ぶ.また超高齢社会となった現在の日本において,フレイル・要介護状態・認知症を伴った高齢糖尿病患者は増加しつつあり,治療や介護の場は地域全体へと拡がっている.地域それぞれの特性に応じて,医療資源・人的資源を有効に活用して活動することも求められる.

こうした現状を鑑み,糖尿病の療養指導を行ううえで欠かすことのできない基礎知識,病態把握,他科との連携,患者ケアなどのポイントを簡明に解説し,実際の臨床現場で役立つ実践的な内容を含むマニュアルを企画した.本マニュアルを有効活用することで,患者が本来備えている自己管理能力が最大限引き出され,糖尿病治療に納得・満足してくれることを衷心より願う.


2019年8月

横浜市立大学内分泌・糖尿病内科教授
寺内 康夫

目次

1.糖尿病療養指導士のススメ

1 糖尿病療養指導士とは

2 医師から

3 看護師から

4 薬剤師から

5 管理栄養士から

6 臨床検査技師から

7 理学療法士から

2.糖尿病療養指導士の役割

1 療養指導の必要性

2 療養指導チーム

3 糖尿病教室

4 糖尿病患者会(糖尿病「友の会」)

5 療養指導ネットワーク

6 関連する団体

7 サマーキャンプ

8 Team Diabetes Japan(TDJ)

3.糖尿病とは

1 糖尿病の診断基準

2 糖尿病の病型分類

3 血糖コントロールの指標

4 糖尿病の治療目標

5 糖尿病治療の基本

6 糖尿病の合併症

7 合併症の病期と指標

8 インスリン製剤の種類

9 GLP-1受容体作動薬の種類

10 経口血糖降下薬の種類

11 糖尿病合併症治療薬の種類

4.糖尿病と療養指導の現状

1 世界の糖尿病の現状

2 日本の糖尿病の現状

3 糖尿病療養指導に関する国内外の現状

4 糖尿病に対する地域の取り組み

5 医療費および生活費の問題

5.糖尿病患者の心理と行動

1 糖尿病発症時の患者の心理

2 糖尿病療養中および治療変更時の心理

3 合併症発症時の心理とケア

4 糖尿病患者と接する際に注意すること

5 糖尿病患者のセルフケア

6 自己効力感(self-efficacy)

7 変化ステージモデル

8 糖尿病エンパワーメント

9 糖尿病コーチング

6.療養指導の方法と患者への支援

1 療養指導の目標

2 教育計画の作成

3 患者教育の方法

4 療養指導のための教材

5 療養指導のPDCAサイクルとアセスメント

6 療養指導の評価と修正

7 セルフケア行動への支援

8 家族への支援

9 心理的な支援

10 社会的な支援

7.ライフスタイル・ライフイベントに合わせた療養指導

1 就学者

2 規則的な生活の就労者

3 不規則な生活の就労者

4 筋肉を動かす仕事が中心の就労者

5 専業主婦

6 就労していない成人患者

7 高齢者

8 妊娠・出産

9 旅行

10 就職・職業

11 手術

12 栄養不良

13 運転免許

14 保険

15 禁煙

16 サプリメント

17 人生の最終段階

8.食事療法の療養指導

1 摂取エネルギーおよび栄養組成の決定法

2 食・生活習慣の問診と指導

3 食品交換表を用いた指導

4 カーボカウントを用いた指導法

5 献立作成と食事記録

6 補食・間食の指導

7 外食や特別な行事での食事の指導

8 アルコールの指導

9 食べる順番の指導

10 欠食に対する指導

11 グリセミックインデックス(GI)とローカーボ

12 糖尿病腎症の食事指導

13 肥満合併糖尿病の食事指導(成人)

14 糖尿病合併妊娠,妊娠糖尿病の食事指導

15 摂食障害を伴う糖尿病の食事指導

16 低栄養を伴う糖尿病の食事指導

17 食事療法が長続きしない場合の対処療法

9.運動療法の療養指導

1 運動療法の効果

2 運動療法の種類と強度

3 運動処方の決定法

4 1型糖尿病への運動療法

5 2型糖尿病への運動療法

6 肥満合併糖尿病への運動療法

7 高齢者糖尿病への運動療法

8 運動療法継続のための療養指導

9 合併症を有する糖尿病患者への運動療法

10 運動療法における施設や器具の利用

11 運動療法をしてはいけない場合

10.インスリン注射の療養指導

1 インスリン療法の考え方

2 自己注射の指導

3 血糖自己測定(SMBG)の指導

4 視力障害,神経障害,筋力低下を伴う患者への指導

5 強化インスリン療法とBOT療法の指導

6 持続血糖モニタリング(CGM)の指導

7 CSIIとSAPの指導

8 インスリン療法の副作用

11.GLP-1受容体作動薬の療養指導

1 GLP-1受容体作動薬の考え方

2 GLP-1受容体作動薬の指導

3 GLP-1受容体作動薬の副作用

12.糖尿病内服薬の療養指導

1 糖尿病内服薬治療の考え方

2 内服のタイミングと服薬指導

3 糖尿病内服薬の副作用

4 内服中断に対する指導

5 糖尿病合併症治療薬

13.糖尿病急性合併症やシックデイの療養指導

1 低血糖の鑑別診断

2 糖尿病治療に伴う低血糖

3 低血糖の療養指導

4 糖尿病ケトアシドーシス・高浸透圧高血糖症候群の療養指導

5 シックデイとは

6 シックデイの対応とシックデイルール

14.糖尿病合併症の療養指導

1 糖尿病網膜症

2 糖尿病腎症

3 糖尿病神経障害

4 動脈硬化症・大血管障害

5 足病変・フットケア

6 高血圧

7 脂質異常症

8 肥満症とメタボリックシンドローム

9 感染症

10 歯周病

11 認知症

12 がん

13 うつ,精神疾患

14 骨粗鬆症,骨折

15 フレイル,サルコペニア,ロコモティブシンドローム

15.糖尿病の検査

1 血糖コントロールの指標

2 インスリン分泌能とインスリン抵抗性の検査

3 腎機能検査・尿検査

4 脂質・肝機能検査

5 画像検査

6 その他の合併症の検査

16.特殊な状況での療養指導

1 膵臓移植・膵島移植の療養指導

2 遺伝性糖尿病の療養指導

3 震災時や災害時の療養指導

4 療養指導における患者とのトラブルと対処法

5 糖尿病治療における医療過誤とリスクマネジメント

6 小児から内科へのトランジション

7 病棟とクリニックでの療養指導

8 薬局での療養指導


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書籍情報

  • ISBN:9784498123847
  • ページ数:460頁
  • 書籍発行日:2019年9月
  • 電子版発売日:2019年9月18日
  • 判:B6変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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