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- こどもの検査と処置の鎮静・鎮痛
商品情報
内容
専門の小児麻酔科医のいる病院はまだまだ少なく、実際の小児の鎮静・鎮痛は一般小児科医が探り探り行っているという現実がある。本書では、非専門医が処置するのに必要な知識やコツ、ピットフォールなどを平易かつ分かりやすく解説している。著者には各項目について精通しているエキスパートを配し、コンパクトながらも重要な知識を網羅している。専門医を置くことができない施設は必携と言える。
序文
小児が検査や処置を受ける時には,鎮痛や鎮静が必要となることがままあります.痛みを伴う処置に鎮痛が必要であるのは言うまでもありませんが,痛みがなくても,数十分間,じっとしていることが難しい幼児や小児では鎮静が必要となります.検査や処置を受ける子供たちが苦痛や恐怖を味わうことなく,また,上気道閉塞や呼吸抑制,循環抑制をきたさず,必要な検査や処置が安全に,効率よく行えれば理想的です.緊急の検査で絶飲食制限が行えない場合には誤嚥の危険性もあります.検査や処置を担当したり,検査中に読影などに関与する医師以外に,鎮痛や鎮静を受ける子供にずっと目を配り必要なモニターを使用しながら見守れる医師が付いているのが望ましいですが,検査や処置は手術室外で行われることが多く,大部分の施設で麻酔科医がかかわれないのが現状です.本書は,小児科医,外科系医師,歯科医師が検査や処置の際の鎮痛・鎮静を安全に行うための基本的な知識やコツやポイント,考慮すべき注意点を簡潔にわかりやすくまとめたものです.
前半は総論を述べていて,上気道管理,合併症,絶飲食基準,小児救急室での管理などを説明し,医療事故と判例を紹介しています.後半は各論で個々の検査を取り上げ,それぞれの投与経路の異なる麻酔薬の使用方法について具体的に説明しています.
本書の企画・編集者で静岡県立こども病院麻酔科医長の堀本 洋先生は手術室外での検査や麻酔の安全性について常々関心が深く,その改善に力を注いでこられ,本書を企画されましたが,本書が完成する前に不慮の事故で帰らぬ人となってしまわれました.ぜひとも刊行を遂行するために,先生のご意志を引き継がせていただきました.本書は堀本先生の遺作ともいうべきものです.
これまで小児の鎮痛や鎮静に携わってこられて苦労されてきた医師や,これから勉強しようとする先生方の一助となれば幸甚であります.
2013年8月31日
編集者
目次
I 総論
1.鎮痛・鎮静中の安全性を確保するには〈堀本 洋〉
A 子どもの鎮静時のリスク
B リスク軽減への方策
2.小児の鎮痛・鎮静薬使用前評価〈山口嘉一〉
3.鎮静・鎮痛薬使用時の合併症〈木村朱里 守本倫子〉
A 鎮静の方法
B 鎮静薬により起こりうる合併症
C 合併症の生じる機序
D 解剖学的な気道狭窄症例
E 合併症を引き起こさないために
4.日本の子どもの鎮静の実態と合併症〈勝盛 宏〉
A 対象と方法
B 結果
5.鎮静時の上気道管理(挿管,声門上ディバイス)〈北村祐司〉
A まずはポジショニングから
B 気道確保器具による利点と欠点
C 器具を挿入するときには深い鎮静を
D 声門上ディバイスを有効に使う
E 思わぬ気道確保困難時にも声門上ディバイスを
F 鎮静時の新しい上気道管理法の可能性
6.鎮静・鎮痛前絶飲食基準〈木内恵子〉
A 絶飲食時間設定の必要性について
B 鎮静・鎮痛の程度と飲食制限の必要度
7.鎮静に伴う医療事故と判例〈木ノ元直樹〉
A 麻酔事故における争点
B 麻酔薬投与の適否(医薬品添付文書違反の有無)
C 患者管理・観察義務違反
D 説明義務違反
8.救急室での小児の鎮静・鎮痛〈井上信明〉
A 救急室における鎮静・鎮痛の特徴
B 救急室での鎮静の実施を決定する前に考察すべきこと
C 普段から準備しておくこと
D 鎮静への系統的アプローチ
E 記録
F 鎮静を避ける方法
II 各論
1.鎮静の分類〈釜田峰都〉
A 鎮静の分類
B 検査中における鎮静レベルの評価
2.個々の鎮静
A.MRI〈釜田峰都〉
A MRI検査特有の注意点およびリスクを理解する
B MRI検査時のリスクを減らすために
B.経胸壁心エコー検査時の鎮静〈満下紀恵〉
A 対象
B 鎮静薬投与前の工夫
C 鎮静薬使用
C.心臓カテーテル〈釜田峰都〉
A 心臓カテーテルで行われる検査・治療や合併症
B 全身麻酔の必要性
C 静岡こども病院における鎮静方法
D.脳波検査時の鎮静〈堀本 洋〉
A トリクロホスナトリウムと抱水クロラール
B 経口・経直腸鎮静薬で鎮静失敗した場合の対処
E.核医学検査〈藤永あゆみ〉
A 静岡県立こども病院における核医学検査の現状
B 当院の「検査時鎮静指針」
C 具体的な鎮静方法
D 麻酔科管理での鎮静
F.消化管内視鏡検査〈藤永あゆみ〉
A 前処置
B 鎮静方法
C 全身麻酔
D モニターと必要な準備
E 検査後
F 合併症
G.歯科治療時〈野口いづみ〉
A 歯科における鎮静法の適応症
B 鎮静法の実際
C ハンディキャップ児について
D 歯科における問題点と注意
H.マルク・ルンバール検査時の鎮静・鎮痛〈堀本 洋〉
A マルクとルンバールとでどちらが痛みや恐怖感が強いか? またその痛みの強さはどのくらいか?
B マルク・ルンバール時に望まれる鎮静・鎮痛法
C 文献上使用されているマルク・ルンバール時鎮静・鎮痛薬
D 静岡県立こども病院での鎮静・鎮痛薬
E プロポフォール投与の実際
3.新生児・乳児期早期鎮静方法〈伴由布子〉
A Feed and wrap法
B トリクロホスナトリウム・抱水クロラール
C 静注鎮静薬
D その他
4.亜酸化窒素を用いた鎮痛〈堀本 洋〉
A 亜酸化窒素の基礎的薬理
B 亜酸化窒素の使用法
C 臨床的適応
D 副作用
E 利点
5.静脈麻酔薬による鎮静,鎮痛
A.プロポフォール〈鈴木康之〉
B.バルビタール(チオペンタールナトリウム,チアミラールナトリウム)〈鈴木康之〉
C.デクスメデトミジン〈中村文人 竹内 護〉
D.ケタミン〈中村文人 竹内 護〉
6.経口・注腸鎮静薬の使い方
A.トリクロホスナトリウム(トリクロリール?シロップ10%)〈諏訪まゆみ〉
B.抱水クロラール(エスクレ?坐剤)〈諏訪まゆみ〉
7.局所麻酔薬,局所麻酔薬テープ・クリームによる鎮痛〈梶田博史〉
A 局所麻酔の注意点
B 代表的な局所麻酔薬
C 局所麻酔薬の合併症
D 局麻テープとクリーム
8.鎮静・鎮痛時設備,体制,モニター〈小林 充〉
A 小児の鎮静の特徴とモニタリングの重要性
B モニタリングの種類
C AAP・AAPDのガイドラインの概要
D 鎮静中および緊急時に必要な準備,体制
9.静岡県立こども病院における検査時鎮静指針〈堀本 洋〉
10.鎮静・鎮痛時プレパレーション〈棚瀬佳見 亀島里美 岩崎浩康〉
A MRI検査におけるプレイ・プレパレーション方法の開発と実践<鎮静薬なし編>
11.鎮静後の帰宅基準〈渡邉文雄〉
A 鎮静後の帰宅基準
B 鎮静後に起こりうる合併症
C 当院での日帰り鎮静後の流れ
D 入院の必要性を判断
E 帰宅後のフォローアップ
MRI検査時の鎮静に関する共同提言(案)早見表
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書籍情報
- ISBN:9784498145306
- ページ数:214頁
- 書籍発行日:2013年9月
- 電子版発売日:2014年4月18日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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