バスキュラーアクセス治療学

  • ページ数 : 300頁
  • 書籍発行日 : 2013年6月
  • 電子版発売日 : 2014年1月31日
13,200
(税込)
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商品情報

内容

バスキュラーアクセス(VA)の機能・形態に関わるトラブルの解決法を網羅的かつ詳細に提示するハンドブック。

修復法の解説ではPTA法と外科的手技の双方につき詳述している。2005年に初のガイドラインが策定されたVAも、診療の標準化が進み、個別の患者への細やかな対応が求められる段階に移りつつある。

新時代の透析医療を支える医師、技師、看護師など、すべての医療者のために。

序文

「シャントは上手に作って,上手に使う」と,故太田和夫教授がよく話されていたが,バスキュラーアクセス(VA)の作製と管理はこのことに尽きる.本書は,「上手に作る」ことに主眼を置いて,編集させていただいた.しかしどんなにうまく作製しても,シャントは非生理的血流を有し,頻回の穿刺にさらされる.そのために生じた内膜肥厚と狭窄によって,さまざまなトラブルが発生する.シャントはその性質上,ある一定のトラブルを避けることができないのである.このようにして生じたトラブルに対して,外科治療だけでなく,インターベンション治療が普及し,修復の方法も多岐にわたるようになった.

例えば,シャント閉塞に対しては,従来外科的血栓除去術が施行されていたが,現在は,経皮的血栓溶解,吸引などさまざまな方法がある.また,外科治療とインターベンションのハイブリッド治療も試みられている.VAの作製と修復には,腎臓内科医,泌尿器科医,一般外科医,放射線科医などさまざまな職種の医師がかかわっているが,その背景によって考え方が異なる.本書ではVAIVTと外科治療のバランスを考えて,どのようなバックグラウンドの医師でも参考にできるよう配慮した.

VAの外科治療においては,多くの革新的なアイデアが試みられているが,残念ながら治療法・修復法についてまとまったテキストがほとんどない.「研究会で知った治療法を行ってみたいが,具体的な手技や注意点がわからず,実践することができない」といった悩みを持つ医師は多いであろう.さまざまな治療法の知識を持っていれば,その病態に最も適した治療を実践できる.いわゆる「引き出し」を多くもつことは重要と考える.本書で学んだ治療法を1つでも取り入れて,引き出しを増やし,一例,一例の貴重な経験をその引き出しの中に入れてほしい.

良好なバスキュラーアクセスを維持管理することは,患者のみならず,透析スタッフにおいても重要課題であろう.昨年発刊した「バスキュラーアクセス診断学」に引き続いて,本書で学んだ知識を実践していただき,患者の治療に役立ていただければと願う.当該の第一人者の先生方に,明日からでも使える知識・考え方・技術を惜しげもなく投入していただき,素晴らしい内容となった.また監修は,前書に引き続き大平整爾先生にお願いし,貴重なご意見をいただいた.おかげで多岐で複雑なVA治療法の編集をどうにか進めることができ,本書として結実した.本書にかかわったすべての方々に,この場を借りて厚く御礼申し上げる.


2013年6月

春口 洋昭

目次

1 現状と歴史

2 血管吻合

3 バスキュラーアクセス作製

4 バスキュラーアクセス修復(AVF)

5 バスキュラーアクセス修復(AVG)

6 バスキュラーアクセスの閉塞(AVF,AVG)

7 静脈高血圧症に対するVAIVT

8 静脈高血圧症に対する外科治療

9 過剰血流・スチールに対する血流調節法

10 瘤に対する治療

11 感染

12 アクセス関連痛に対する治療

13 バスキュラーアクセス治療の将来展望

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784498224001
  • ページ数:300頁
  • 書籍発行日:2013年6月
  • 電子版発売日:2014年1月31日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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