- m3.com 電子書籍
- Annual Review 神経2020
商品情報
内容
※本製品はPCでの閲覧も可能です。
製品のご購入後、「購入済ライセンス一覧」より、オンライン環境で閲覧可能なPDF版をご覧いただけます。詳細はこちらでご確認ください。
推奨ブラウザ: Firefox 最新版 / Google Chrome 最新版 / Safari 最新版
序文
序
神経科学の発展および神経疾患の病態解明とそれに基づく治療法の開発は日進月歩です.しかし本領域は無限といってよいくらい広くかつ深く進歩し続けています.したがって,神経科学および神経疾患の研究の進歩の全容をできる限り理解しようとすると,膨大な時間と費用を要します.このような状況に対応すべく,本書「Annual Review神経」は,第一線で活躍している神経科学者たちに,年々際限なく生み出されるup to dateの知見を凝集して,ひとまとめにして提供することを目的として企画されています.
最近の世の中の大きな話題は,人工知能(artificial intelligence: AI)による社会におけるヒトの業務の代替でしょう.お掃除ロボット,自動車の自動運転,将棋の人工棋士,金融における株購入と売却の判断など,枚挙にいとまがないほどのAIがすでに社会に流布しています.そしてこのAIは医学や医療の場においても例外でなく確実に活用されつつあります.本巻ではここに注目して,いち早く画像診断におけるAIの活用状況を取り上げました.この「AIを用いた神経画像診断」をはじめとして,各領域横断的な本年の動向として,「AMEDの難病研究に対する取り組み」「Naポンプ遺伝子変異関連神経疾患」「小脳と認知機能」「非アルツハイマー病タウオパチーにおけるtau-PET」「複合現実と人工知能によるradiomicsと脳神経外科precision surgery」「シロスタゾールを含めた抗血小板薬の長期併用による脳梗塞再発予防効果: CSPS.com試験」の魅力的なトピックスを取り上げ,専門家に詳しく解説していただきました.
また,基礎領域から臨床までの各セクションのおいてもこの1年間の最新のトピックスを網羅しました.臨床領域では,急速な発展を遂げている急性期血栓回収療法の新たな展開や脳動脈瘤の新たな治療戦略などに注目し,さらに疾患の診療ガイドラインの刷新が毎年絶え間なく行われており,今回はHTLV-1関連脊髄症(HAM)およびてんかん診療ガイドラインの新たな内容に着目し解説していただきました.
本巻の各章が読者の日常診療や研究の糧となれば,編集者としてこれに優る喜びはありません.最後に,ご執筆いただきました先生方に編集委員一同より心から御礼申し上げます.
2020年1月
編集者一同
目次
I. Basic Neuroscience
1.神経生理
1 神経細胞の自発活動による記憶の調節〈野村 洋〉
自発活動と記憶の固定化
自発活動と記憶形成
自発活動と記憶の想起
今後の展望
2 概日リズムより短い周期の体内時計:ウルトラディアンリズム〈榎木亮介〉
概日リズムの発振メカニズム
ウルトラディアンリズムの発振メカニズム
視床下部で観察されるウルトラディアンリズム
室傍核/傍室傍核領域に見いだされる細胞内カルシウムのウルトラディアンリズム
概日リズムとウルトラディアンリズムの分子メカニズム
ウルトラディアンリズムの調節機構
ウルトラディアンリズム研究の今後
2.神経病理
1 Globular glial tauopathy〈田中英智 柿田明美〉
疾患概念
亜型
病理所見の詳細
臨床所見
近年の知見
2 免疫チェックポイント阻害薬により発症するミオパチー(筋炎)〈?尾昌樹〉
免疫チェックポイント阻害薬(ICPis)の現状
ICPisの副作用とミオパチー
ICPisによるミオパチー
筋病理所見
3.生化学(分子生物学)
1 神経疾患に対する核酸医薬の現状と展望〈吉岡耕太郎 横田隆徳〉
核酸医薬
デュシャンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy: DMD)
脊髄筋萎縮症(spinal muscular atrophy: SMA)
トランスサイレンチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(TTR-FAP)
今後の展望
2 神経回路の修復メカニズム〈植田尭子 村松里衣子〉
神経細胞外環境による制御
神経細胞内因的な制御
神経回路の修復と臓器連関
3 Muse細胞による修復医療と神経再生治療〈出澤真理〉
体内に入れれば「自動運転」が可能なMuse細胞
傷害組織で修復を行うストレス耐性のMuse細胞
点滴で傷害部位に集積できるMuse細胞
Muse細胞は遺伝子導入や分化誘導を必要としない
HLA適合や免疫抑制薬投与を必要としないドナーMuse細胞の投与
Muse細胞のby-stander効果
脳梗塞モデルにおけるMuse細胞の神経回路網の再建
将来展望
4.画像
1 てんかんにおけるMRI解析〈曽根大地〉
機械学習
脳ネットワーク解析
構造MRI
拡散MRI
灌流MRI
機能MRI
MRS
2 パーキンソン病における新たな拡散MRI技術の応用〈鎌形康司 アンディカ クリスティナ 青木茂樹〉
新たな拡散MRI
新たな拡散MRIのパーキンソン病病態評価への応用
展望
II. 本年の動向
1 AMEDの難病研究に対する取り組み 〜難治性疾患実用化研究事業2018〜2019年度の事業内容〈木村 円〉
難治性疾患実用化研究事業の代表的な成果
データシェアリング
2 Naポンプ遺伝子変異関連神経疾患〈池田啓子〉
Naポンプの脳での役割
Naポンプ遺伝子変異を原因とする神経疾患
Genotype-structure-phenotype relationships
ATP1A3の病態モデルマウス解析からの病態理解
3 小脳と認知機能〈東山雄一 田中章景〉
小脳と健常者の認知機能
小脳-大脳ネットワーク
臨床的知見〜cerebellar cognitive affective syndrome
変性疾患におけるcerebellar cognitive affective syndrome
その他の疾患領域について
CCAS/Schmahmann scale
小脳損傷による認知機能障害のメカニズム
4 AIを用いた神経画像診断〈椎野顯彦〉
深層学習の発展―より深い層に
神経画像診断におけるAIの現状
医療用AIの開発―AIドクターの誕生
5 非アルツハイマー病タウオパチーにおけるtau-PET〈互 健二 島田 斉〉
tau-PETリガンドの開発状況
PSPにおけるtau-PET
CBDにおけるtau-PET
他のFTLDにおけるtau-PET
PBB3化合物による非ADタウオパチーへの有効性
6 複合現実と人工知能によるradiomicsと脳神経外科precision surgery〈郭 樟吾 杉本真樹〉
VR・AR・MRの概説と違いについて
XR表現を得るための医用画像解析
VRによる手術シミュレーションと教育
MR技術による脳神経外科手術支援の実際
7 シロスタゾールを含めた抗血小板薬の長期併用による脳梗塞再発予防効果: CSPS.com試験〈豊田一則〉
脳梗塞再発予防の抗血小板併用療法
シロスタゾールを用いた脳梗塞再発予防臨床試験のバトンリレー
CSPS.comの試験デザイン
試験の成績
考察と今後の展望
III. 各種疾患
1.感染・炎症疾患
1 HTLV-1関連脊髄症(HAM)の新たな診療ガイドライン〈山野嘉久〉
HAMとは
HAMの診断
HAMの経過・予後
HAMの疾患活動性分類
HAMの治療
HAMならびにHTLV-1陽性患者の診療におけるQ&A
ガイドラインの今後の課題
2 インフルエンザ脳症成人例の臨床像〈森田昭彦 亀井 聡〉
インフルエンザ脳症の疫学
成人インフルエンザ脳症の臨床像
成人インフルエンザ脳症の予後不良因子
成人インフルエンザ脳症の病態
成人インフルエンザ脳症の治療
3 アミロイドーシスと感染・伝播〈関島良樹〉
プリオン病と感染・伝播
AAアミロイドーシスと感染・伝播
アミロイドβタンパク(Aβ)の伝播
αシヌクレインの伝播
タウの伝播
今後の展望
2.脳血管障害
1 塞栓源不明の脳塞栓症に対するダビガトランのRE-SPECT ESUS試験: 日本人サブグループ解析〈内山真一郎〉
ESUSの概念と診断基準
RE-SPECT ESUS試験の結果
日本人サブグループ解析の結果
日本人サブグループ解析結果の解釈
現状の課題と今後の展望
2 積極的降圧療法の脳卒中再発予防効果に関する多施設共同無作為化比較試験 (RESPECT Study)〈北川一夫〉
RESPECT Studyの背景
RESPECT Studyのデザイン
RESPECT Studyの進捗状況
RESPECT Studyで得られた結果
RESPECT Studyを含むメタ解析で示せたこと
3 脳梗塞のバイオマーカー〈吾郷哲朗〉
発症予測
診断予測
脳梗塞発症後の生体応答
転帰予測
4 もやもや病感受性遺伝子RNF213の遺伝子解析研究の現況〈宮脇 哲〉
もやもや病と関連するRNF213 variantの網羅的検索
RNF213 p.Arg4810Lysの臨床的意義
もやもや病と診断されない頭蓋内動脈狭窄とRNF213 p.Arg4810Lysの関連
全身の血管疾患とRNF213 p.Arg4810Lys
RNF213の機能解析
5 脳動脈瘤の数値解析に基づく治療戦略〈藤村宗一郎 村山雄一〉
コイル塞栓術後の脳動脈瘤に対する血流解析と再開通予測
治療におけるコイル選択による違い
FDステント留置シミュレーションと血栓化予測
CFDやFEMが持つ診断補助ツールとしての可能性
6 急性期血栓回収療法の現状と課題〈山本司郎 山上 宏〉
発症から6時間以内/内頚動脈・中大脳動脈閉塞
発症時刻不明・発症6〜24時間に対する有効性
血栓回収機器の進歩
虚血コア領域と虚血ペナンブラ領域の評価
中大脳動脈末梢(M2以遠)閉塞,脳底動脈閉塞
広範囲虚血コア領域例
頭蓋内動脈硬化性閉塞/頚動脈狭窄病変からのタンデム閉塞
脳卒中救急医療システムの整備
3.脳腫瘍
1 がんゲノム医療の脳腫瘍領域における現状と展望〈田中將太〉
がんゲノム医療とは
遺伝子パネル検査
日本における遺伝子パネル検査の開発状況
脳腫瘍領域における遺伝子異常
本邦における個別化医療・がんゲノム医療の脳腫瘍領域での現状と課題
今後の展望
2 脳機能マッピングの次なるステップ〈貴島晴彦〉
歴史的背景
覚醒下手術の評価
覚醒下手術と術中MRI併用
覚醒下手術によるマッピング
感覚運動関連領域の腫瘍と脳機能解析
高次脳機能の解析
小脳の機能
周辺機器の開発
4.外傷
1 頭部外傷における血液バイオマーカー〈末廣栄一 鈴木倫保〉
頭部外傷において,バイオマーカーは血液脳関門を通過するのか?
血液バイオマーカーによる脳損傷の定量評価と予後予測
軽症頭部外傷の診断における血液バイオマーカーの有用性
画像診断困難症例における血液バイオマーカーの有用性
スポーツによる脳振盪の鑑別における血液バイオマーカーの有用性
2 テロによる多数傷病者への医療対応(事態対処医療)と脳神経外科〈戸村 哲〉
TEMS(tactical emergency medical support)とTCCC(tactical combat casualty care)
爆発物が用いられたテロにおける傷病者の特徴
テロによる多数傷病者への医療対応と脳神経外科
5.変性疾患
1 痙攣性発声障害の診断基準と治療〈兵頭政光〉
病因に関する研究
本邦における疫学調査
診断基準と重症度分類の作成
治療のエビデンス確立と保険適用承認への展開
2 睡眠と神経変性疾患〈皆川栄子〉
ヒトの睡眠の特徴と加齢性変化
アルツハイマー病と睡眠
パーキンソン病と睡眠
6.中毒・代謝疾患
1 Niemann-Pick病C型とミグルスタット〈?山快夫〉
Niemann-Pick病C型とは
臨床病型
診断
治療の現状
2 急性ポルフィリン症とヒトへミン〈若月里江 渡邊一樹 宮嶋裕明〉
病型
病態
症状
診断
治療
慢性期管理
7.脱髄・免疫性疾患〈森 雅裕〉
1 進行性多発性硬化症の治療
二次進行型多発性硬化症について
一次進行型多発性硬化症
進行型多発性硬化症の病態機序
二次進行型多発性硬化症の治療
一次進行型多発性硬化症の治療
その他の進行型多発性硬化症に対する治療
2 免疫介在性壊死性ミオパチー:最近の動向〈漆葉章典 西野一三〉
筋炎の新しい病型分類
臨床像
筋病理
自己抗体
病態機序
治療
8.末梢神経障害
1 神経束のくびれを伴う前・後骨間神経麻痺〈越智健介〉
本邦手外科領域における特発性AIN/PIN麻痺の病態理解と治療法の変遷
神経束間剥離術は有用か?
特発性AIN/PIN麻痺の外科的治療法
特発性AIN/PIN麻痺に対する前向き多施設共同研究
NAにも「神経束のくびれ」は存在する?
特発性AIN/PIN麻痺とNAの関係整理にむけて
広義のNAにおいて予想される病態と治療方針
2 CIDPの維持療法(Ig静注と皮下注)と最新の話題〈飯島正博〉
IVIg維持療法による有効性の検証
SCIg維持療法による有効性の検証
免疫グロブリンによる維持療法に関わるトピックス
9.神経筋疾患
1 ネマリンミオパチーの遺伝学的研究〈宮武聡子 松本直通〉
NMの原因遺伝子オーバービュー
新たなNMの原因遺伝子KLHL40,MYPNの同定
NMの分子診断
RNA-seqで明らかになったNEB関連NMの"隠された"変異
病態解析と治療への展望
2 神経筋疾患における糖脂質抗体測定〈楠 進〉
ギラン・バレー症候群(GBS)
多巣性運動性ニューロパチー(MMN)
慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(CIDP)
IgMパラプロテイン血症を伴うニューロパチー
中枢神経疾患と糖脂質抗体
3 筋疾患の画像診断〈野寺裕之〉
筋画像検査の概要
筋疾患での画像所見
新しい筋画像検査・解析法
10.自律神経疾患
1 排尿機能における中枢神経系ネットワーク〈橘田岳也〉
排尿反射
機能的脳画像
健常者における機能的脳画像
排尿障害患者における機能的脳画像
2 自己免疫性自律神経節障害〈中根俊成〉
自律神経節アセチルコリン受容体とは
抗gAChR抗体測定とその病原性
AAGの臨床:自律神経症状
AAGの臨床:自律神経外症状(extra-autonomic manifestations)
AAGの多様性:抗gAChR抗体陽性を示す特殊な症例
AAGの検査
AAGの治療
今後の展望と課題
11.機能性疾患
1 てんかん診療ガイドライン2018〜改訂ポイントと最近の動向〜〈神 一敬〉
検査
薬物治療
外科治療
今後の展望
2 皮質-皮質間誘発電位(CCEP)の有用性〈三國信啓〉
脳局在機能診断とネットワーク診断
皮質-皮質間誘発電位(CCEP: cortico-cortical evoked potential)
てんかんにおけるCCEPの有用性
脳腫瘍におけるCCEPの有用性
システムとしての脳機能の解明
CCEP測定の実際
12.小児
1 小児水頭症治療の進歩
内視鏡的第三脳室底開窓術ETVについて
脈絡叢焼灼術CPCについて
シャントの選択
水頭症治療における新しい方法
2 小児の動静脈短絡疾患
遺伝的背景を有する疾患群
遺伝的背景を有さない疾患群
その他
日本における小児動静脈瘻疾患の年間検出率,治療報告について
便利機能
- 対応
- 一部対応
- 未対応
-
全文・
串刺検索 -
目次・
索引リンク - PCブラウザ閲覧
- メモ・付箋
-
PubMed
リンク - 動画再生
- 音声再生
- 今日の治療薬リンク
- イヤーノートリンク
-
南山堂医学
大辞典
リンク
- 対応
- 一部対応
- 未対応
対応機種
-
iOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:45.4MB以上(インストール時:107.3MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:181.6MB以上
-
AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください
外部メモリ:45.4MB以上(インストール時:107.3MB以上)
ダウンロード時に必要なメモリ:181.6MB以上
- コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
- コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
- Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
- Androidロゴは Google LLC の商標です。
書籍情報
- ISBN:9784498328488
- ページ数:381頁
- 書籍発行日:2020年4月
- 電子版発売日:2020年4月3日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
お客様の声
まだ投稿されていません
特記事項
※今日リンク、YNリンク、南山リンクについて、AndroidOSは今後一部製品から順次対応予定です。製品毎の対応/非対応は上の「便利機能」のアイコンをご確認下さいませ。
※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。
※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍(iOS/iPhoneOS/AndroidOS)が必要です。
※書籍の体裁そのままで表示しますため、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。