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肩こり・頚部痛クリニカルプラクティス 整形外科臨床パサージュ10

  • ページ数 : 310頁
  • 書籍発行日 : 2011年8月
  • 電子版発売日 : 2017年9月25日
13,750
(税込)
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商品情報

内容

運動器総合医の外来診療と保存療法のために 整形外科臨床パサージュ「肩こり・頚部痛クリニカルプラクティス」編

パサージュシリーズ第10弾。整形外科医にとって最も難しい症状の一つである「頚部痛・上肢のしびれ」の診察・診断の進め方について、チャートや表を辿ることにより簡単に確実に理解できることを目的とし、豊富な症例とシェーマーによりわかりやすくポイントを解説。

整形外科臨床パサージュシリーズ

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序文

頚部痛・上肢のしびれを主訴として来院される患者さんの数は多い.しかしこれらを主訴とする患者さんを正確に診断するにはかなりの臨床能力を要する.なぜならば,痛みやしびれの部位が限定されづらく多様であること,同一疾患によっても痛みやしびれの程度と部位が異なること,痛みやしびれの程度と部位には個人差が大きいこと,痛みやしびれは画像所見に乏しいものが多いこと,さらには関連痛や放散痛の存在など,診断を迷わせる要素が多い.一方,疼痛やしびれの原因が筋腱にあるのか,頚髄,頚椎からか,腕神経叢から末梢神経に起因するのか,血行障害によるのか,そして神経内科的疾患が原因なのか,これらの鑑別も悩むところである.筆者も,初診時の診断がその1,2 年後に間違っていたという苦い思いを数例経験している.実際にはかなりの患者さんの診断を誤っているかもしれない.

本書の目的は,このように整形外科医にとって最も難しい症状のひとつである「頚部痛・上肢のしびれ」の診察・診断・治療の進め方について,チャートや表をたどることにより簡単に確実に理解できるというものである.そこでまず,川口善治先生に病歴の取り方,発症様式と症状から想起すべき疾患を概説していただき,稲見聡先生,種市洋先生には鑑別診断の進め方について述べていただいた.さらに田口敏彦先生は実際の身体所見の取り方に必要な手技,徴候を整理して示されている.画像診断としては,馬場久敏先生らは,X 線写真,MRI などのみかたを,豊富な症例とシェーマによりわかりやすくポイントを説明していただいた.次に高岸憲二先生は肩痛・肩こりの診察の進め方をチャートと疼痛部位の図から概説されている.玉井和哉先生は肩痛・肩こりの鑑別診断について,畑幸彦先生は肩痛・肩こりの身体所見の取り方について示されている.肩の診察には,多くの機能テストや疼痛誘発テストがあるが,実際に行うことを想定して手技をわかりやすく解説されている.また近年の進歩の著しい肩痛・肩こりの画像診断の要点について柴田陽三先生が多くの画像で説明されている.

痛みを主訴とする患者さんに対して,私達整形外科医は満足な治療を行っているだろうか.診断がついた時点で,整形外科医の任務を果たした気になっていないだろうか.整形外科医の務めはまだ終わっていない.患者さんに対して,痛みが生じる理由を丁寧に説明し,行いうる治療方法を提示をして,患者さんと相談しながら疼痛・しびれを和らげる努力が必要である.そのような観点から,本書の後半は,頚部痛,上肢のしびれを来す代表的疾患の一つ一つを,それぞれの疾患のエキスパートの先生に,どのような疾患か,診断の進め方,画像・所見,鑑別診断,治療の進め方とその方法を紹介していただいた.特に治療の進め方では,治療方針の立て方,患者さんへの説明,日常生活上の注意,保存治療の具体的な方法など,少し詳細に記載していただいた.患者さんの満足が得られるよう,それぞれの患者さんに合った治療を行っていくうえで参考にしていただければ幸いである.

私の臨床の守備範囲は肩から手指に限られており,頚椎,頚髄の疾患の治療経験はわずかである.そこで富山大学整形外科の川口善治先生に小生の不得手な頚椎・頚髄病変の診断・診察・治療の進め方について,編集していただいた.川口善治先生のおかげで,本書は整形外科医にとって最も難しい,頚部痛・上肢のしびれの診察・診断・治療の進め方についてのアルゴリズムをフローチャートや表で示すことにより視覚的にも理解しやすい書となっている.本書の目的は,前述したように頚部痛・上肢しびれの診察,診断,治療の簡便な外来の手引き書である.外来診察室に常備されて,診察時に気軽に参照していただければ幸いである.


2011年7月

信州大学医学部運動機能学
加藤博之

目次

1 頚部痛・上肢のしびれの診断

頚部痛・上肢のしびれの診察の進め方

頚部痛・上肢のしびれの鑑別診断の進め方

頚部痛・上肢のしびれの身体所見の取り方

頚部痛・上肢のしびれの画像診断の進め方

2 肩痛・肩こりの診断

肩痛・肩こりの診察の進め方

肩痛・肩こりの鑑別診断の進め方

肩痛・肩こりの身体所見の取り方

肩痛・肩こりの画像診断の進め方

3 頚部痛・上肢のしびれ・肩痛・肩こりをきたす主な疾患の診断と治療

頚椎の疾患

頚椎症性脊髄症

頚椎症性神経根症

頚椎椎間板ヘルニア

変形性頚椎症

後縦靱帯骨化症

リウマチ性脊椎炎

透析性(破壊性)脊椎症

化膿性脊椎炎

腫瘍性疾患

いわゆる頚肩腕症候群

外傷性頚部症候群

肩関節疾患

肩腱板断裂

肩峰下インピンジメント症候群

肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)

石灰性腱炎,滑液包炎

投球障害肩(いわゆる野球肩)

頚椎から腕神経叢の神経性腫瘍

肩関節周囲の末梢神経障害

上肢の疾患

胸郭出口症候群

肘~手部の末梢神経障害

末梢神経疾患

代謝性疾患

血行障害


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書籍情報

  • ISBN:9784521732206
  • ページ数:310頁
  • 書籍発行日:2011年8月
  • 電子版発売日:2017年9月25日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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