eBook 聴診トレーニング 心音編

  • ページ数 : 100頁
  • 書籍発行日 : 1994年12月
  • 電子版発売日 : 2014年6月27日
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商品情報

内容

聴診は豊富な情報を患者から得ることのできる基本的なツールであり、その重要性に今も変わりはない。聴診技術の向上は経験の問題ともいえるが、この音声データからは多くの病態の聴診所見が解説を加えて録音されており、繰り返して学ぶことにより技術の向上がはかれます。

音声を聴く際には、実際に聴診器を用いて聴診する場面を想定し、可能なかぎりヘッドホンをご利用ください。

序文

心臓血管系の聴診は,患者を診療するにあたって最も早期から手がけられた手技の一つであります.しかも関連作法である視診・触診を併用しますと,かなりの正確さで心臓血管疾患の診断に寄与するのみならず,その重症度までも評価できるのです.これに用いる道具は聴診器のみでよく,それ以外には我々に天性として備わっている五感だけです.

過日,心室中隔欠損症と動脈管開存症を有する患者がともに,カラードプラ・エコー検査のみで聴診がなされていなかったためか見逃されていました.弁膜症の患者も悪性腫瘍の場合と同様,自覚症状に乏しい時期には決して自ら医療を求めるものではありません.先天性奇形や弁膜症の患者は,心筋が障害されてはじめて症状が発現するケースが多いのです.しかしそうなってからでは中隔欠損閉鎖術や弁置換術を受けても完治しません.

種々のハイテク装置が用いられるようになった現今,心臓血管系の病態異常も詳細に理解されるようになってきました.そうなりますと,心電図はもとより他のどの検査法よりも長期にわたってはぐくまれてきた聴診を含む診察作法は,その価値がいっそう高くなるべきでしょう.そのためにも,いま一度,聴診作法とその解釈に関して習練してみることはよい機会ではないでしょうか.そのような目的で著者は聴診に関するこの小冊子を出版してみました.

今回の改訂版では,初版のCDの内容に手を加えています.それは主として以下の3点です.

①外部のノイズのさらなるカット
ときに混入していた外部のノイズをさらにカットし,よりききやすくしました.

②口述説明の追加
反復部分においても,リズムに合わせて心音の説明を加えました.それによって心音のタイミングがいっそう明確に理解されるようになったと思います.

③主所見の的確な把握
録音の冗長な部分を省き,主所見の把握がいっそう的確にできるよう配慮しました.

ところで付属のCDに録音されている心音・心雑音は,元来ビデオテープを作成する目的で収録されたものです.このCDは,その中から映像部分を除いて音声部分のみを編集したものなので,原型のままでは,音声はともすれば副次的な価値になりがちです.そのためには,このCDをどのような条件できいていただけば原型の価値が高められるかに関してを次のページに述べておきます.

なお末筆ですが,企画していただいた(株)南江堂渡部新太郎氏,ならびに編集していただいた同社飯島純子氏に感謝の意を捧げます.


1993年 10月

著者記す

目次

I. 総論

A.心音

1.I音とII音

2.III音,心室充満音

3.IV音,心房音

4.その他のギャロップリズム

5.半月弁駆出音

6.房室弁開放音

7.クリック音

B.心雑音

1.心雑音をきく前の予備知識

2.収縮期雑音と拡張期雑音

3.ブランコ雑音

4.連続性雑音

5.心膜摩擦音

6.器質製雑音と機能性雑音

7.駆出性雑音と逆流性雑音

II. 各論-各種心疾患の聴診所見-

A.弁膜症

1.僧帽弁閉鎖不全(僧帽弁逆流)MR(MI)

2.僧帽弁狭窄MS

3.大動脈弁閉鎖不全(大動脈弁逆流)AR(AI)

4.大動脈弁狭窄AS

5.その他の弁膜症

B.先天性心奇形

1.心房中隔欠損

2.心室中隔欠損

3.動脈管開存

4.肺動脈弁狭窄

C.その他の病態における聴診所見

1.心筋症

2.不整脈

3.高安動脈炎

4.うっ血性心不全

5.心膜炎

6.体高血圧

7.冠動脈疾患-虚血性心疾患

8.肺高血圧

9.甲状腺機能亢進

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書籍情報

  • ISBN:9784524207978
  • ページ数:100頁
  • 書籍発行日:1994年12月
  • 電子版発売日:2014年6月27日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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