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- 認知症診療に役立つ77のQ&A
商品情報
内容
8年間の経験をもとに,Q&A形式で日常臨床に役立つ77項目について,あらためてまとめられた書籍です。
本書で述べている内容には,認知症診療に対する魔法の手だてや甘言などは一切ありません.
認知症を専門とされないかかりつけ医ならびに非専門医,さらにこれから認知症診療に踏み込もうと考えている若い先生方を対象に,日常臨床に役立つ内容になっています.
序文
2007年に日本医事新報社から『患者・家族からの質問に答えるための認知症診療Q&A』を上梓いたしましたが,おかげさまで好評を得まして,現在までに3刷を重ねることになりました.その間,私も勤務先が変更となり,現在の所属である八千代病院で2008年に再び物忘れ外来を開設し,さらに2013年に愛知県から認知症疾患医療センターに指定され,今日まで認知症診療を続けてきています.
上記の書籍を出版してから8年を経て,認知症を取り巻く環境も大きく変化しています.認知症はわが国における大きな問題となりつつあり,2025年には認知症患者さんが700万人を超えるとの予想が発表されました.高齢化に伴う認知症患者さんの急増,新たな抗認知症薬3剤の発売,認知症に関する認識度の広がりなどがみられる一方,認知症患者さんならびに介護家族の不安を逆手にとった,誤った情報も氾濫しているように感じます.「このようにすれば認知症は治る」「ある種のサプリメントで認知症の進行を抑えることができる」といった過大な広告,地道に診療している医師を非難し「自分のやり方でなければ認知症はよくならない」と述べる書籍など,多数の間違った考えが流布しているのもまた事実かと思います.
私自身,8年という歳月のなかで,さらに数多くの認知症患者さんを診療してきて,認知症の診断や治療,介護に関する考え方や理解が少しずつ変化してきているのを感じています.そこで今回,この8年間の経験をもとに,Q&A形式で日常臨床に役立つ77項目について,あらためて私なりの考えをまとめてみました.
本書で述べている内容には,認知症診療に対する魔法の手だてや甘言などは一切ありません.現実の診療のなかで私が困ったこと,悩んでいることを中心に,私なりの経験を踏まえた,実臨床に即した事実を記載するよう努めています.本書も『患者・家族からの質問に答えるための認知症診療Q&A』と同様に,認知症を専門とされないかかりつけ医ならびに非専門医,さらにこれから認知症診療に踏み込もうと考えている若い先生方を対象に,日常臨床に役立つ内容になっているものと自負しております.そして,本書が先生方の明日からの臨床のお役に立てることを希望しております.最後に,本書を刊行していただける南山堂の皆様に厚くお礼申し上げます.
2015年元旦
川畑信也
目次
診断
Q01 アルツハイマー型認知症を疑うコツを教えてください
Q02 アルツハイマー型認知症で早期からみられる症状を教えてください
Q03 認知症なのか加齢に伴う物忘れなのかを鑑別できません,どうしたらよいでしょうか?
Q04 物忘れ(記憶障害)の性状からアルツハイマー型認知症の診断は可能でしょうか?
Q05 認知症診療での問診のコツを教えてください
Q06 診察室での患者さんの様子からアルツハイマー型認知症を診断できますか?
Q07 生活障害の有無や状況をどのように聞いたらよいでしょうか?
Q08 物忘れはみられるが生活に支障はないと家族からいわれたとき,どう考えればよいでしょうか?
Q09 初診時に認知症か否かを判断できないとき,どうしたらよいでしょうか?
Q10 外来通院している再来患者さんで認知症をみつけるにはどうしたらよいでしょうか?
Q11 HDS-Rなどの検査は認知症診断に必要なのでしょうか?
Q12 病歴では認知症を疑うのですがHDS-Rは好成績を示します,認知症でしょうか?
Q13 レビー小体型認知症の臨床診断に自信がありません,非専門医が容易に診断できるコツを教えてください
Q14 アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症を見分ける目安はありますか?
Q15 認知症診療で脳画像検査は本当に必要なのでしょうか?
Q16 MRIの結果,脳萎縮は年齢相応でしょうか?
Q17 実臨床で見落としてはならない治療可能な認知症を教えてください
Q18 うつと認知症を鑑別する目安を教えてください
Q19 認知症を伴わない幻覚・妄想と認知症の鑑別の目安を教えてください
Q20 かかりつけ医がすべての認知症患者さんを診療しなければならないのですか?
Q21 治らない病気なのに治療する意義がありますか?
Q22 認知症の病型診断を行う意義が本当にあるのでしょうか?
Q23 認知症を家族が早期に発見するためには,どのようなことに気をつけるとよいですか?
介護指導
Q24 認知症と診断されたのですが,家族はどうしたらよいでしょうか?
Q25 独居認知症患者さんに対する介護指導で注意すべきことを教えてください
Q26 家族のいうことを聞き入れてくれないので困っています,どう対応したらよいでしょうか?〈その①〉
Q27 家族のいうことを聞き入れてくれないので困っています,どう対応したらよいでしょうか?〈その②〉
Q28 介護認定の申請を行う際,家族に指導すべきことはありますか?
Q29 介護認定で要介護1から要支援2に下がり,デイサービスの利用回数を減らさないといけなくなりました,どうしたらよいでしょうか?
Q30 デイサービス利用を嫌がります,上手に利用できる手だてはありますか?
Q31 デイサービス施設に馴染めず帰宅願望が強いのですが,どう対応したらよいでしょうか?
Q32 自宅で何もせず,寝ていることが多いので認知症の進行が心配です,家族がいっても動きません,どうしたらよいでしょうか?
Q33 訪問セールスや悪徳商法に騙されてしまいました,今後の対応策を教えてください
Q34 怒ってはいけないことはわかっているのですが,つい患者を叱ってしまう自分に嫌悪感をもってしまいます
Q35 拒食あるいは拒薬がみられるので困っています,どうしたらよいでしょうか?
Q36 妄想を訴える場合の対応を教えてください
Q37 幻視を訴える場合の対応を教えてください
Q38 怒りっぽいので困っています,どう対応したらよいでしょうか?
Q39 怒りっぽい(易怒性),暴言を吐くので困っています,どう対応したらよいでしょうか?
Q40 性的逸脱行為を示す患者さんへの対策・指導を教えてください
Q41 自宅で入浴しないので困っています,どうしたらよいでしょうか?
Q42 独居生活の継続ができますか?それとも施設に入所させたほうがよいでしょうか?
Q43 在宅生活は限界と考えられるが,すぐに施設入所ができない場合の対応を教えてください
Q44 夜間,何回もトイレに行くので困っています,どう対応したらよいでしょうか?
Q45 同じことを何回も聞いてくるので周囲が辟易しています,どう対応したらよいでしょうか?
Q46 金銭管理を患者さんだけに任せてよいでしょうか?
Q47 帰宅願望がひどくて困っています,よい対策がありますか?
薬物療法
Q48 抗認知症薬4剤の使い分けを教えてください〈その①〉
Q49 抗認知症薬4剤の使い分けを教えてください〈その②〉
Q50 実臨床に役立つ抗認知症薬の選択手順を教えてください
Q51 抗認知症薬は効果があるのでしょうか?
Q52 薬の管理を本人に任せてよいでしょうか?
Q53 抗認知症薬を処方する際,家族への注意点・指導のコツを教えてください
Q54 抗認知症薬を長期使用する際の注意点を教えてください
Q55 メマンチンの使い方を教えてください
Q56 メマンチンの副作用とその対策について教えてください
Q57 リバスチグミンは18mgまで増量しなければ効果はないのですか?
Q58 貼付薬でみられる皮膚症状への対策を教えてください
Q59 抗認知症薬で易怒性が目立ってきました,どうしたらよいでしょうか?
Q60 アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症の鑑別ができないときの薬物療法のコツと注意点を教えてください
Q61 抗認知症薬はいつ中止すべきでしょうか?
Q62 周辺症状に対して薬物療法を選択する際の注意点を教えてください
Q63 チアプリドの上手な使い方を教えてください
Q64 抑肝散を使用する際のコツや注意点を教えてください
Q65 患者さんが夜間寝ないので家族が困っています,どのような薬を使用したらよいでしょうか?
Q66 易怒性(怒りっぽい)がみられ家族が困っています,どのような薬を使用したらよいでしょうか?
Q67 抗精神病薬を使用する際の注意点を教えてください
Q68 抗精神病薬の適応外処方は保険請求で査定されませんか?
Q69 夜間に覚醒し家族を困らせる行動をする患者さんがいます,どのような薬を使用したらよいでしょうか?
Q70 独居ですが薬を処方していただけませんか?
病気・病態の説明
Q71 アルツハイマー型認知症を家族にわかりやすく説明するコツを教えてください〈その①〉
Q72 アルツハイマー型認知症を家族にわかりやすく説明するコツを教えてください〈その②〉
Q73 認知症とアルツハイマー型認知症との関係を聞かれたら,どう答えればよいでしょうか?
Q74 認知症と診断後,家族が注意すべきことをどう指導したらよいでしょうか?
Q75 主たる介護者が認知症を理解できないので困っています,どう対応したらよいでしょうか?
Q76 家族からアルツハイマー型認知症の進行具合を質問されたときの説明のコツを教えてください
Q77 病名告知を行ったほうがよいでしょうか?
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書籍情報
- ISBN:9784525203511
- ページ数:173頁
- 書籍発行日:2015年4月
- 電子版発売日:2019年6月19日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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