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- 子どものアレルギー×母乳育児×スキンケア
商品情報
内容
妊娠中からお母さんに関わる医療従事者が押さえておきたい“アレルギー”の知識を,アレルギー,母乳育児,スキンケアの専門家が徹底解説!アレルギーが起こるメカニズム,妊娠中からの予防策,赤ちゃんが生まれてからのスキンケアの方法や日常生活上の注意などを,わかりやすく紹介します.
序文
序
いまや多くの日本人がなんらかのアレルギー疾患をもっており,そのため日常生活に不便を感じることも少なくありません.乳児健診においても湿疹や食物アレルギーについてはよく質問されます.お母さんは,赤ちゃんに湿疹があるとアトピー性皮膚炎ではないかと心配し,食物アレルギーに関連した内容がメディアで取り上げられると離乳食はどうしたらよいものかと心配します.このようにアレルギー疾患は,子育て中のお母さんの重大な不安材料の一つなのです.
本書は,アレルギー診療・研究のエキスパートである千葉大学大学院医学研究院小児病態学の下条直樹先生と,乳児小児の皮膚疾患のエキスパートである神奈川県立こども医療センター皮膚科の馬場直子先生のご尽力のもと,アレルギー疾患の理論から検査方法,そして実際の治療に至るまで,わかりやすく記していただきました.私は母乳で育てることが子どものアレルギー疾患とどのように関係するのかを,これまでの論文をもとにまとめました.私が千葉県こども病院にいるころから下条先生には大変お世話になり,「いずれ一緒に仕事をしたいですね」とお話をしていて,今回,念願かなって本書を出版することができました.
「母乳育児支援とアレルギー疾患を理解することに,どのような関係があるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません.母乳育児支援は乳房をみて母乳がでているかどうかをチェックするだけではないのです.育児支援の中の大きな柱として「母乳で赤ちゃんを育てることを支援する」のが母乳育児支援ですから,赤ちゃんが元気に育っているのかどうかも評価し,お母さんから質問があれば適切に回答することが求められます.
赤ちゃんのアレルギー疾患が心配になったとき,お母さんは普段からいろいろなことを相談でき,親身になって聞いてくださる皆さんにまずは質問されることでしょう.「そうはいってもアレルギー疾患のことは小児科医に聞いてもらわなければ私たちには答えられない」と思われるかもしれません.しかし,母乳育児を支援する上で,専門的なことは別としても,支援者にはある程度必要な知識をもっておいていただきたいと思っています.それこそがお母さんの安心につながるからです.これまでも『母乳 育児 感染』『母乳とくすり』を出版してきたのは,お母さんの最も身近にいらっしゃる皆さんから適切な情報提供をしていただきたいと考えているからです.「お母さんがアレルギーをもっていても,おっぱいをあげてよいですよ」─そんなメッセージを伝えていただけると,お母さんはさぞ安心されることでしょう.
本書を読み終わると,「母乳で育てることで必ずしも子どものアレルギー疾患を防げるわけではなく,一方で母乳で育てると子どもがアレルギー疾患になりやすくなるのでもない.まだまだ結論が得られていないのでは?」と感じられるかもしれません.実際まだまだわかっていないことが多いのが真実です.だからといって現実に妊娠している女性,子育て中のお母さんに,単に「母乳で育ててもアレルギーとは関係ないみたいですよ」という情報だけを提供しても意味がありません.母乳で育てるのは哺乳動物としてごく普通のことであります.その中で生じてくる不安や心配を軽減したり解消したりすることが育児支援者に求められるのです.
本書を読んでいただいて,お母さんの質問に科学的な根拠がある情報を自信をもって提供できるようになれればと願っています.
2016年1月
著者を代表して 水野 克己
目次
Ⅰ アレルギーのきほん
1 アレルギーとは何か?
免疫とアレルギー
免疫システムの過剰反応としてのアレルギー
アレルギー疾患
アレルゲン
アレルギーになりやすい体質─アトピー素因
アレルゲン感作と即時型アレルギー反応が起こるメカニズム
アレルギー反応の種類
子どものアレルギーの特徴─アレルギーマーチ
2 アレルギー検査とは?
アレルギー疾患の検査と診断
アレルギー疾患の診断・治療において有用な検査
疾患別にみるアレルギー検査
3 牛乳アレルギーとは?
牛乳アレルギーの頻度・分類・診断
牛乳の主要アレルゲン
低アレルゲン化ミルク(牛乳アレルギー治療用ミルク)
部分加水分解乳
4 食べることで免疫がつく 経口免疫寛容とは?
経口免疫寛容が誘導される仕組み
経口免疫寛容から考える 乳幼児の栄養摂取の進め方
Ⅱ アレルギー予防と母乳育児
1 妊娠前から妊娠中の食生活
腸内細菌叢─妊娠前から善玉菌と仲良くなろう
食生活で気をつけたいこと
2 母乳育児の重要性
アレルギー予防につながる母乳中成分
子どもの体の特徴と母乳育児の重要性
母乳育児とアレルギー疾患
アレルギー予防対策
3 日常生活で気をつけたいこと
喫煙の影響は?
妊娠中の吸入アレルゲン曝露
ストレス対策
Ⅲ 子どものスキンケア
1 皮膚から感作が起こるとはどういうことか?
アトピー性皮膚炎の原因の1つは皮膚が乾燥しやすくバリア機能が弱いこと
なぜ乾燥しやすい皮膚ができるのか?
フィラグリンとアトピー性皮膚炎
経皮感作
バリア機能異常と皮膚の痒み
2 スキンケアの方法
新生児・乳幼児のスキンケア
生後すぐからのスキンケアがアトピー性皮膚炎の予防につながる
乾燥肌対策のスキンケア
保湿によってバリア機能を強化するスキンケア
皮膚に接触する衣類にも気をつける
よだれかぶれ・オムツかぶれのスキンケア
3 アトピー性皮膚炎の治療
ステロイド外用薬はやっぱり怖い?
ステロイド外用薬の適応は?
ステロイド外用薬の正しい塗り方
ステロイド外用薬の副作用を抑えながら上手に使うコツ
患者のアドヒアランスを高めるためにアトピー性皮膚炎治療の目標を示す
Ⅳ アレルギーの子どもに注意してあげたいこと
1 子どもの日常生活で注意してあげたいこと
季節ごとの注意点
運動時や汗をかいたときの対応は?
ベビーカーの選び方
ペットとアレルギー発症の関係は?
薬の注意点
2 離乳食の注意点
初めての食材を食べる際に気をつけたいこと
アレルギーのハイリスクの場合
食物アレルギーの注意点
保育所に預ける際の対応
用語集
索引
Column
食物特異的IgG抗体検査
善玉菌と悪玉菌
国際ヒトマイクロバイオームプロジェクト
子どもに抗菌薬を使うとアトピー性皮膚炎発症が増える?
母乳のプレバイオティック作用
ビフィズス菌と制御性T細胞の関係
母乳で育てるメリット
妊娠中のDHA摂取のプラスの効果
母親の食生活と母乳中のn-3系PUFA濃度
PUFAをもっとみてみよう
ビタミンDとアレルギー疾患,呼吸器感染症,ウイルス感染症の関係
妊娠中の亜鉛の作用
日本人の食文化に合わせたアレルギー予防
腸管関連リンパ組織(GALT)
母親の食事と母乳中TGF-β濃度
Th1/Th2バランス
ジェネティクスとエピジェネティクス
日焼け止めクリームの選び方と注意点
FAQ
子どもの常在細菌叢を決めるファクターには,どのようなものがありますか?
ビタミンA はどのようにアレルギー予防につながるのでしょうか?
母乳に含まれる免疫調節作用をもつ成分濃度を増やすことはできるのでしょうか?
鶏卵アレルギーが心配です.授乳しているときは鶏卵を控えたほうがよいですか?
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書籍情報
- ISBN:9784525503710
- ページ数:156頁
- 書籍発行日:2016年3月
- 電子版発売日:2019年6月12日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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