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実験医学増刊 Vol.37 No.15 がん免疫療法の個別化を支える新・腫瘍免疫学

  • ページ数 : 270頁
  • 書籍発行日 : 2019年9月
  • 電子版発売日 : 2019年10月9日
5,940
(税込)
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商品情報

内容

2018年のノーベル生理学・医学賞の受賞分野であり,有効ながん治療法として期待の大きい“がん免疫療法”の成果と課題,さらにはその理論的基盤となる腫瘍免疫学について,最新の知見をまとめました.

実験医学 最新号・バックナンバー・増刊号

序文

序にかえて


がん免疫療法のリバースTRによる腫瘍免疫学の進歩

2013年,腫瘍免疫学とがん免疫療法の当時の知見をまとめた実験医学増刊号「腫瘍免疫学とがん免疫療法」を出版,その後,免疫チェックポイント阻害薬が悪性黒色腫で承認され,臨床試験では複数のがんで治療効果が認められ,2016年には実験医学増刊号「がん免疫療法:腫瘍免疫学の最新知見から治療法のアップデートまで」を出版し,研究者だけでなく,免疫チェックポイント阻害薬の臨床展開を期待した多くの医療関係者から好評をいただいた.あれから3年,基礎から臨床まで腫瘍免疫学の発展には目を見張るものがある.2018年ノーベル生理学・医学賞は「Discovery of cancer therapy by inhi︲bition of negative immune regulation」として,それぞれPD-1とCTLA4の先駆的研究を行った京都大学の本庶佑博士とテキサス大学MD AndersonがんセンターのJames PAllison博士が受賞された.もともとがん治療の開発ではなく,T細胞の調節機構の基礎研究が重要な創薬につながった.一方,今や,マルチオミックス解析などの新技術を駆使することにより,免疫介入を行った症例の臨床検体を用いた解析から新たな科学的発見や概念の創出も可能になっている.

現在,免疫チェックポイント阻害薬は約10種類のがんで,遺伝子改変T細胞を用いるCAR-T養子免疫療法はB細胞性造血器腫瘍で承認されている.免疫チェックポイント阻害薬は他の治療が無効の進行がんに対しても治療効果を示す場合があり,効いた症例では比較的効果が持続的なことが特徴である.一方,免疫チェックポイント阻害薬単独投与の奏効率は多くのがんで10〜20%程度であり,臨床的には,治療前や早期に効果を予測するバイオマーカーの同定と治療法改良による効果改善が課題となっており,そのために,がん免疫病態のさらなる解明が期待されている.明確な有効例と無効例が分けられる免疫チェックポイント阻害薬におけるリバーストランスレーショナル(TR)研究は,免疫によるがん細胞排除機構,および抵抗性機構の観点から,ヒト腫瘍免疫学を大幅に発展させた.ヒトがん免疫病態のさらなる解明は,将来,PD-L1発現や突然変異数などよりも優れた臨床バイオマーカーの同定につながるであろう.また,さまざまな複合がん免疫療法の臨床試験がすでに進行中であり,PD-1/PD-L1抗体を基軸として,すでにCTLA4抗体,化学療法,放射線治療,抗VEGF治療などとの併用療法が承認されている.このような背景で,最近の膨大な基礎と臨床の最新知見を紹介する書籍の必要性が高まり,本書の企画に至った.

河上 裕

目次

序にかえて-がん免疫療法のリバースTRによる腫瘍免疫学の進歩

Overview 腫瘍免疫学とがん免疫療法の歴史

第Ⅰ部 腫瘍免疫応答の基本とその制御メカニズム

第1章 腫瘍免疫応答の正負の調節機構

概論 がん免疫サイクルにかかわる免疫細胞と分子

1.がん抗原とT細胞による認識機構

2.免疫抑制・抵抗性にかかわるがん遺伝子異常

3.がん免疫における抗原提示細胞の役割と治療への発展

4.NK細胞,NKT細胞,γδT細胞の腫瘍免疫応答における役割

5.がん免疫におけるマクロファージの役割―病態形成における存在意義と標的細胞としての可能性

6.制御性T細胞―これまでとこれから

7.免疫抑制性微小環境構築におけるがん関連線維芽細胞の役割

8.シングルセル解析技術の腫瘍免疫研究への応用―T細胞の解析を中心に

9.免疫チェックポイント分子の分子作用機序

10.がん免疫応答にかかわるサイトカイン・ケモカインの応用研究

11.腫瘍微小環境の代謝改変による腫瘍免疫の向上―代謝で読み解く免疫細胞と腫瘍細胞の攻防

12.腸内細菌叢によるがん免疫応答調節

13.がん免疫療法の効果と有害事象の発症に影響を与える宿主の遺伝要因

第2章 腫瘍免疫応答の制御法

概論 複合免疫療法のあり方

1.化学療法剤や分子標的薬による抗がん免疫の増強―老化がん細胞を標的とした集学的がん治療

2.遺伝子組換えがん治療用ウイルス―がん免疫療法のKey Player

3.がんワクチン―共通抗原からネオアンチゲンへ,そして将来は?

4.がん免疫療法におけるアジュバントの機能と可能性

5.抗PD-1/PD-L1抗体治療の現状―治療抵抗メカニズムとそれを克服する併用療法に関する知見

6.共刺激受容体刺激抗体

7.免疫抑制分子・細胞に対する阻害薬

8.T細胞輸注療法(TIL療法,TCR-T療法)―個別化治療への試み

9.CAR-T細胞療法

10.多能性幹細胞由来免疫細胞を用いたがん免疫療法

第Ⅱ部 がん免疫療法の臨床開発における課題と対応

第3章 免疫療法のリバーストランスレーショナル研究

概論 がん免疫療法のバイオマーカーの現状および今後の展望

1.悪性黒色腫

2.肺がん

3.消化器がんにおけるリバーストランスレーショナル研究―制御性T細胞標的治療と抗CD4抗体薬の開発

4.消化器がん(肝・胆・膵がん)

5.泌尿器科がん(腎細胞がん,尿路上皮がん)における効果予測因子

6.婦人科がん(子宮体がん・子宮頸がん・卵巣がん)

7.頭頸部がん

8.造血器腫瘍に対する免疫療法―新たな標的抗原とその治療応用

第4章 臨床開発における重要ポイントと課題

概論 がん免疫療法開発の今後のあり方

1.特性を考慮したがん免疫療法の臨床試験の在り方―効果判定法を中心に

2.免疫チェックポイント阻害薬の副作用の理解と対策

3.がんゲノム医療・遺伝性腫瘍の課題

Overview がん免疫療法のこれから

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書籍情報

  • ISBN:9784758103817
  • ページ数:270頁
  • 書籍発行日:2019年9月
  • 電子版発売日:2019年10月9日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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