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- Dr.寺沢流 救急診療の極意
商品情報
内容
こんな先生に教わりたい！と評判の講義を大公開します。
豊富な事例、臨場感たっぷりの口調、ポイントを絞った明快な解説で“救急が好きになる”と評判の講義が単行本化！医者として知っておきたい、現場で役立つ知識や心構えがすっと身につく、これで当直も怖くない！
序文
序文にかえて
８年前に大学に寄せていただいたときにもっとも嬉しかったのは，医学生さんに講義ができることでした．医学生さんに救急診療に関心をもってもらいたいと思い，教科書的なことは最低限にして，極力，自分が現場で感じたことを伝えるように努めました．いろいろな患者さんの症状を真似て現場の臨場感を出し，自分や他の医師の失敗例を示して，その事例からの教訓を話し，その日の講義の内容に関して最近出題された国家試験の問題を示し...，といろいろな工夫をしてきました．大学に寄せていただいて数年目に，卒業生の謝恩会で突然，抜き打ちで医学科のベストティーチャー賞をいただいたときの感激は今でも忘れられません．現在，３つの他の大学（医学部）と３つの看護学校にも講義に出かけていますが，彼らの目はいつも生き生きしていて，僕はいつも元気をもらっています．
私の部署の若い医師たちには「講義を上手にできるようになりなさい」とアドバイスしています．ほとんどの医師が疲弊して，日本の医療は危機に瀕しています．医師が疲弊しないためには，仲間を増やし，チームとして働けるようになる必要があると思います．年齢を重ねて体力が落ちてきた頃に「先生と一緒に働きたい」という後輩が出現するかどうかが，疲弊して現場から離れていくか，踏みとどまれるかの分かれ目だと思っています．
仲間を増やすためには，臨床能力を磨くだけでなく，人格を重んじる教育姿勢，ユーモアと包容力を兼ね備えて後輩から慕われる人間性，そして楽しくてかつ役に立つ講義ができることが必要だと思い努力してきました．
この度，羊土社さんのご厚意で，私と林寛之先生が福井大学で行っている講義を本にまとめるお話をいただきました．多くの医師，看護師にとって救急室における当直の診療は嫌な仕事になっている日本で，「救急診療はできると楽しいし，わかると面白い」，ということを伝える機会をいただけたことは生涯の喜びです．医学生さんだけでなく，看護学生さん，救急外来で働く看護師さん，救急救命士さんに読んでいただくことも考慮してまとめました．読まれた方々からご意見がいただけましたら幸いです．
出版まで粘り強くお付き合いいただいた羊土社の保坂早苗さんと庄子美紀さん，中川由香さん，そして講義の録音にご協力いただいた藤井亜湖先生に感謝の意を表します．
2008 年４月
寺沢秀一
目次
第１講義 外傷総論～バイク事故・意識レベルJCS100，まずどこから診る？～
1. まずバイタルサインを理解しよう
2. 頭蓋内損傷を見抜く
3. ショックを見抜く
4. 最初の事例をどうみるか？
第２講義 多発外傷入門～３人に１人をさらに救える戦い方，教えます～
1. PTLSの流れ
2. Primary Survey
3. 蘇生処置
4. Secondary Survey
5. シミュレーション─交通事故のケガ人が来た！
第３講義 ショック その１～「これだけでいい」分類と，パターンで攻める出血性・心原性ショック～
1. ショックの攻略法
2. ショックの基本を理解する
3. Hypovolemic Shock
4. Hypovolemic Shockの治療
5. 心原性ショック
第４講義 ショック その２～血液量が変わらないショックもとっても大事～
1. 血液の分布が異常になるショック
2. 敗血症性ショック
3. アナフィラキシーショック
4. 神経原性ショック
5. ショックのまとめ
第５講義 中毒 その１～ハズせない一酸化炭素中毒と，ダマされやすい血中酸素量～
1. 一酸化炭素中毒を見抜く
2. 一酸化炭素中毒の治療
第６講義 中毒 その２～患者さんへの対応と，忘れてほしくない中毒を具体的に～
1. 中毒総論─服毒した患者さんへの対応
2. 中毒各論─重要な中毒を具体的に
3. ちょっと脱線─酸素投与が問題になる場合
第７講義 熱中症～コーラ色の尿に命の危険を感じよう～
1. 熱中症を正しく知る
2. 熱中症について整理しよう
3. 熱中症の症状と治療法
4. 熱中症の診断
第８講義 低体温・溺水～治療だけじゃすまない低体温と，助かるチャンスを逃さない溺水～
1. 低体温を見抜く
2. 溺水─救える患者さんを見逃さない
課外授業 災害トリアージに挑戦！
1. MISSION--大震災が来た，さあトリアージ！
2. トリアージとは
3. MISSIONの解答 & 解説
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書籍情報
- ISBN：9784758106474
- ページ数：252頁
- 書籍発行日：2008年5月
- 電子版発売日：2013年12月6日
- 判：A5判
- 種別：eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数：3
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