産科麻酔ポケットマニュアル

  • ページ数 : 359頁
  • 書籍発行日 : 2012年6月
  • 電子版発売日 : 2015年3月6日
5,720
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商品情報

内容

初めてでも困らないためのサブスペシャリティ入門書

帝王切開、産科救急、無痛分娩、合併症妊婦などの麻酔管理の進め方と必要な産科的知識を解説した実践マニュアル。ピットフォール、役立つメモ、コラムも多数掲載され、実用エッセンスが凝縮された一冊です。

序文

"Obstetric anesthesia is not just about an epidural ! "


産科麻酔の現場では「緊急帝王切開を全身麻酔でお願いします」とか「子宮収縮が悪いのでメチルエルゴメトリンをお願いします」など,産科医から麻酔科医にさまざまなリクエストが寄せられます.皆さんは帝王切開の緊急度や子宮収縮薬の投与法を正しく理解していますか? もしこれらの理解が不十分なまま産科医の指示に従って合併症を起こした場合の責任はだれが負うのでしょう? 指示に従ったのだから自分に責任がないと主張することも可能かもしれませんが,それでは麻酔科医として少し悲しいですね.

わが国では長らく麻酔科医の不足が喧伝されてきましたが,ありがたいことに近年は麻酔科を選択する若手医師が増えてきています.麻酔科を選択した若手麻酔科医が麻酔科医として誇りを持って仕事を続けていくためには,自分の仕事が単なる医療行為の請負ではなく,患者さんの安全を守るために主体的に関わっているという充実感を感じることが必要だと考えます.そのためには挿管や硬膜外麻酔ができるだけでなく,subspecialtyの研修が必要です.Subspecialtyの研修は,良いgeneralistになるための基礎なのです.

あるいはsubspecialtyの道をさらに専門的にきわめていくのも魅力的です.特に産科麻酔はやりがいのある分野ですが,それを専門にしている麻酔科医は限られています.日本全国で行われる帝王切開の約半分は産科医が麻酔管理を行っているのが現状です.また諸外国では一般的に行われている無痛分娩もわが国では十分に普及していません.産科麻酔のsubspecialtyには,大きなやりがいとニーズがあります.本書が良いgeneralistを育て,産科麻酔のspecialistを増やす一助になれば幸いです.


2012年5月

角倉弘行

目次

第1章 帝王切開の麻酔管理

§1 帝王切開の術前管理

1.術前準備の流れ

2.緊急度の評価

3.手術適応

4.術前評価

5.麻酔計画

6.麻酔のための説明と同意

7.術前指示

§2 脊髄くも膜下麻酔による帝王切開

1.全体の流れ

2.モニター

3.抗菌薬投与

4.母体への酸素投与

5.体位作成(側臥位)

6.穿刺部位

7.くも膜下穿刺(ペンシルポイント針)

8.坐位での脊髄くも膜下麻酔

9.Single shot spinal

10.Rapid sequence spinalによる帝王切開

11.妊娠中の局所麻酔薬の必要量

12.局所麻酔薬の量の標準化の意義

13.低血圧予防

14.レベルチェック

15.子宮収縮薬

16.ニトログリセリンによる子宮弛緩

17.児娩出後の麻酔管理

§3 硬膜外麻酔による帝王切開

1.長所,短所および禁忌

2.硬膜外穿刺の手技

3.麻酔管理

§4 CSEAによる帝王切開

1.長所,短所および適応

2.CSEAの手技

3.麻酔管理

§5 全身麻酔による帝王切開

1.長所,短所および適応

2.全身麻酔の流れ

3.準備

4.導入

5.維持

6.覚醒

§6 帝王切開の術後管理

1.原則

2.術後疼痛対策

3.PONVの予防と対策

4.PDPHの予防と対策

5.肺塞栓の予防と対策

6.術後指示の例

第2章 妊婦の病態に応じた麻酔管理

§1 合併症のある妊婦の麻酔管理

1.妊娠高血圧症候群(PIH)

2.HELLP症候群

3.子癇

4.妊娠糖尿病(GDM)

5.肥満

6.静脈血栓塞栓症(VTE)

7.血栓性素因

8.血小板減少症

9.喘息

§2 異常分娩の麻酔管理

1.流産,死産

2.早産

3.多胎妊娠

4.胎位異常

5.帝王切開後の経膣分娩試行(TOLAC)

6.器械分娩

7.胎児心拍数図(CTG) の読み方

8.胎児機能不全(NRFS)

9.臍帯脱出

10.子宮破裂

11.肩甲難産

12.胎盤遺残

13.子宮内反症

14.前置胎盤

15.癒着胎盤

16.常位胎盤早期剥離

§3 産科危機的出血の麻酔管理

1.産科危機的出血への初期対応

2.危機的出血宣言後の対応

3.産科出血に対する輸血療法

4.産科DIC

5.経膣分娩後の止血法

6.帝王切開術中の止血法

7.産科出血に対するIVR

§4 産科救急への対応

1.産科救急における麻酔科医の役割

2.産科ショック

3.羊水塞栓症

4.肺血栓塞栓症(PTE)

5.アナフィラキシー

6.気道確保困難

7.誤嚥性肺炎

8.局所麻酔薬中毒

9.高位局所麻酔

10.妊産婦の死亡率およびその原因

11.妊婦の蘇生法

12.母体救命のための緊急帝王切開(PMC)

第3章 無痛分娩

§1 無痛分娩の基礎

1.分娩の生理

2.陣痛の生理

3.痛みの評価

4.無痛分娩の方法

§2 硬膜外麻酔による無痛分娩

1.長所と短所,適応と禁忌

2.麻酔管理

3.産科管理

4.合併症の予防と対策

5.無痛分娩中の帝王切開

§3 CSEAによる無痛分娩

§4 IV-PCAによる無痛分娩

第4章 その他の麻酔

1.妊婦の生理学的変化

2.生殖補助医療の麻酔

3.妊娠中の手術の麻酔

4.胎児治療の麻酔

5.EXIT(ex-utero intrapartum treatment)

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書籍情報

  • ISBN:9784758111058
  • ページ数:359頁
  • 書籍発行日:2012年6月
  • 電子版発売日:2015年3月6日
  • 判:B6変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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