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Surviving ICUシリーズ 敗血症治療 一刻を争う現場での疑問に答える

  • ページ数 : 246頁
  • 書籍発行日 : 2014年2月
  • 電子版発売日 : 2014年8月15日
5,060
(税込)
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商品情報

内容

目の前の患者を救うためにこう治療する!「感染源を特定できない場合には?」「PMXやCRRTは必要?」「敗血症性DICの治療は?」「SSCGと日本版ガイドラインの違いは?」など日々の悩みを解消!

序文

敗血症は現在でも頻度が高く,また死亡率も高い病態である.Surviving Sepsis Campaignが行われ,9月13 日がworld sepsis day と設定されるなど世界中で敗血症の死亡率を下げる取り組みが行われている.しかしながら,近年sepsis の治療薬として開発されてきたものは悉く臨床治験で有効性を示せず,有用性が明確に示された治療法も非常に限られている.

一方,国際的に使用されているSurviving Sepsis Campaign Guidelines と日本版ガイドラインの対比でも明らかなように,日本でのみ行われている治療法が多数存在し,世界標準とは大きくかけ離れている.この現状を十分認識し,それらを盲目的に使用することは避けなければならない.敗血症は原因疾患が多彩で,一種の症候群であり,病態によっては特殊な治療法が有用であるかもしれない.しかし,その病態を認識する術はまだ確立されていない.

明白なことは,有効性が明らかな診断や治療をしっかり実践していくことである.瀕死の患者を前にしても,今行っている確かな治療に自信をもって,有効性が定かではない治療を行わず,見守ることができることこそプロフェッショナルだ.藁にでもすがるように,有効性が明確でない治療法を次から次と試すのではなく,現在,有効性が定かではない治療は行わないという確固たる信念が必要である.

本書では,敗血症診療で悩んだり困ったりすることが多い事項に特に焦点をあて,各分野の専門家に,臨床でのポイントとコツを解説いただいた.明日からの診療の傍らにおいて実際に活用いただけるものと自負している.

一方,現在はここまでしか敗血症診療は確立していないことを認識して,今後,質の高い研究を日本で実施し,日本人での知見に基づいたより良い診療が実施できるように繋げていただきたい.


2014 年1月

真弓 俊彦

目次

第1章 病態・診断

1. この人,敗血症? Does this patient have sepsis?

2. 敗血症の病態は?

3. 敗血症の診断はどのように行うのか?

4. 敗血症診断マーカーはどのように使用するのか?~エンドトキシン,プロカルシトニン,プレセプシンなど

5. 重症敗血症,敗血症性ショックとは?~診断基準の変遷とその予後

6. グラム染色,血液培養はどのように行い,利用できるのか?

第2章 治療① - 輸液,カテコラミン,輸血

1. 輸液はどのように行うべきか?~そのモニタリング,指標をどのように使い分けるか?

2. 大量輸液は是か非か?~SSCG通りに輸液を行うのか?

3. カテコラミンはどのように使用するか?

4. アルブミン製剤と赤血球輸血の役割とは?~いつ,どのように使用するか?

第3章 治療② - 感染症に対する治療

1. 抗菌薬はどのように選択し,どのように投与するか?~投与経路,1回投与量,投与回数

2. 抗菌薬の併用は重要なのか?

3. 感染源のコントロールはどのように行うのか?

4. 感染源や起因菌が特定できない場合にはどうしたらよいか?

5. 抗菌薬を使用していても,検査結果や症状が改善しない場合はどうするか?~血液データや画像検査で改善が認められない場合,高熱が下がらない場合

6. de-escalation は,真に遂行可能か?~予後を改善するか? 抗菌薬の投与期間はどうするか?

7. 院内感染予防のために選択的消化管除菌(SDD)は行うべきか?

8. 敗血症で免疫グロブリンを使用すべきか? より有効な投与方法は?

第4章 治療③ - 臓器サポート

1. 敗血症性ショックでステロイドは必要か?

2. 敗血症患者の栄養療法は?~いつから,どのルートでどの栄養剤を投与する?

3. 敗血症における人工呼吸管理のポイントは?

4. 敗血症時の鎮静や鎮痛,筋弛緩はどのように行うのか?

5. 血糖コントロールは意味があるのか?~血糖変動は敗血症の予後を示唆するか?

第5章 意見の分かれる治療

1. SSCG と日本版敗血症診療ガイドラインの違いは?

2. 敗血症における体温異常―発熱があれば解熱すべきか?

3. この患者は敗血症性DIC か? DIC の診断は意味があるのか?

4. 敗血症性DIC の治療はどうすればよいか?~治療によって予後の改善が得られるか? また,いつまで治療を行うのか?

5. 敗血症でタンパク分解酵素阻害薬,エラスターゼ阻害薬は必要か?

6. 敗血症でCRRT は必要か?

7. 敗血症性ショックにおける重炭酸塩投与の意義とは?

8. 敗血症性ショックでPMX は必要か?

第6章 予防策,リハビリテーション,ゴール

1. 敗血症での深部静脈血栓症予防はどのように行うのか?

2. 消化管潰瘍予防薬はどのように使用するか? 経腸栄養中も使用するのか?

3. 敗血症患者でのリハビリテーションは必要か?

4. どのような目標で,どこまでの治療を行うべきか?~ Goal of Care ~

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書籍情報

  • ISBN:9784758112017
  • ページ数:246頁
  • 書籍発行日:2014年2月
  • 電子版発売日:2014年8月15日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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