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- 外傷の術後管理のスタンダードはこれだ!
商品情報
内容
ICUで必要な知識と考え方を基本から噛み砕いて解説するSurviving ICUシリーズから術後管理編が登場!「外傷術後の目標体温は?」「抗菌薬の投与期間は?」などのギモンも解決。医師として、集中治療医として一段ステップアップできます。
序文
序
近年,わが国では年間40万人が重症外傷でICUに入室するとのデータがあります.現在,多数の医学書が発刊されており,外傷に関しては「初期診療」や「手術手技」の本は見かけますが,「術後管理」に特化した医学書はあまり見かけません.外傷の術後管理は,執刀した外科医および手術チームだけではなく多くの集中治療医も管理に参加しています.集中治療医は呼吸・循環管理のスペシャリストではありますが,外傷に関しては外傷ならではの治療法や管理法が存在します.JATEC™やJETECで足りない分を膨らませ,実用的な内容の医学書の作成を,言うならば「外傷の術後管理の方法とコツが具体的にわかる,はじめての実用書」の作成を目指すというコンセプトで本書の作成に至りました.
上述のように,術者や外科系医師は当然ながら外傷の術後管理に関与します.それだけでなく,多くの非外科系の集中治療医も外傷の術後管理に関与しています.私も多くの頭部外傷や胸部外傷,腹部外傷の執刀医の経験がありますが,やはり自分が執刀医であるか否かでは術後管理に対する緊張感や思い入れなどは全く異なります.それはそれで当然のことではありますが,そのような執刀医と同様のメンタリティーをもって執刀医以外の術後管理に携わるスタッフ(主に集中治療医が対象になりますが)にもチームとして同じ立ち位置で管理に参加して欲しいと考えます.
術後管理に集中治療医が携わるケースとして呼吸,循環管理は主導的に行いますが,ドレーンや創部に関しては「外科に聞いてください」とのスタンスの医師も多くみられます.餅は餅屋という考えもありますが,そのような場合にはどうしても重症外傷の際の治療戦略としては後手を踏みがちになります.外傷患者の管理を60日間行ったとしても,そのうち59日以上は術後管理になるわけです.外傷術後の再手術のタイミングの見極めや合併症の早期発見,適切な次の一手への戦術眼を集中治療医も身につけるべきであり,創部やドレーンの所見などの局所を把握できなければ全身管理は十分に遂行できないと考えます.集中治療医の強みである生理学的異常の察知や対処だけでなく解剖学的異常に対しても興味 ,知識をもつことで医師として,集中治療医として一段ステップアップできると思います.
本書の執筆者としては外傷に関する各分野のスペシャリストに依頼させていただきました.外傷の世界では高名な先生方ばかりです.執筆内容も術後管理にフォーカスを当てて,各項目においても冒頭には「執刀医から管理チームへの申し送り」として術後管理チームに「伝えたい,伝えるべき内容」の記載をmustとしました.
本書を傍らに実際には集中治療医の先生方にはどんどん積極的に執刀医と話をして欲しいと思います.日頃から情報の共有を行っているとは思いますが根掘り葉掘り質問したり,時間があれば手術自体を積極的に見に行くこと,場合によっては手洗いをして第2第3助手として手術に参加することさえも必要ではないか,と感じています.
JATEC™などの外傷診療の標準化によりPTD(preventable trauma death :防ぎ得た外傷死),や外傷による死亡者数は近年低下傾向にあります.今後は外傷術後の管理のさらなる向上を図り外傷診療をより強固なものにするお手伝いの役割を本書が果たせるように切に願っています.
最後になりますが本書の作成にあたり,われわれを叱咤激励していただき,企画から刊行にまで導いてくださった羊土社編集部の保坂早苗氏,野々村万有氏,編集部スタッフの皆様 ,および各執筆担当の先生方には心から感謝を申し上げたいと思います.また,私の師匠であり,自分の外傷診療の礎を築いていただいた昭和大学医学部・救急医学講座の三宅康史教授には厚く御礼を申し上げます.
2016年12月
清水敬樹
目次
Color Atlas
第1章 外傷ごとの術後管理
《A.頭部》
1. 頭部外傷のNOMでの管理
2. ICP+脳低温療法の術後管理
《B.頸髄》
1. 脊髄損傷の術後管理(胸腰髄も含む)
《C.胸部》
1. 心損傷の術後管理
2. 血気胸の術後管理
3. 胸部大動脈損傷の管理
4. 多発肋骨骨折・フレイルチェストの術後管理
5. 外傷性肺嚢胞の管理
《D.腹部》
1. 肝損傷の術後管理
2. 脾損傷の術後管理
3. 腸管損傷・腸間膜損傷の初期治療と術後管理
4. 膵損傷の術後管理
5. 十二指腸損傷の術後管理
《E.腎》
1. 腎,尿管,膀胱損傷の術後管理
2. 外傷性腎損傷のNOMでの管理(IVRを中心に)
《F.骨盤/ 臼蓋》
1. 骨盤骨折/ 臼蓋骨折の術後管理
《G.四肢骨》
1. 四肢コンパートメント症候群の術後管理
2. 開放骨折の術後管理
第2章 外傷の術後管理に必要な知識
1. DCS(damage control surgery)
2. ACS(abdominal compartment syndrome)
3. 外傷後の感染症制御
4. 外傷後の発熱
5. 外傷後のリハビリテーション
6. 外傷後の栄養管理
7. 創傷管理(SSI,陰圧閉鎖療法)
8. 死の三徴(deadly triad)
9. 危機的出血への輸血とフォローアップ
10. Tertiary survey
11. 外傷後ARDSとECMO
12. 外傷後の抗凝固療法
13. 外傷後黄疸
14. 気管切開後の管理
15. 多発外傷後の管理(治療の優先順位も含めて)
16. 脂肪塞栓症候群
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書籍情報
- ISBN:9784758112062
- ページ数:269頁
- 書籍発行日:2016年2月
- 電子版発売日:2018年2月23日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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