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レジデントノート2018年10月号 肝機能検査、いつもの読み方を見直そう!

  • ページ数 : 170頁
  • 書籍発行日 : 2018年9月
  • 電子版発売日 : 2018年9月14日
2,200
(税込)
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商品情報

内容

常の疑問を解決できる! 研修医にもっとも読まれている研修医のための雑誌レジデントノート!

AST・ALTなど肝機能検査の項目の意味から使いどころまで,おさらい!「γ-GTPの高値,見るべき所見は?」「ASTとLDHが上昇…本当に肝疾患?」といった悩みを解決して「なんとなく」の解釈から抜け出せます!

レジデントノートバックナンバー

序文

特集にあたって

1 研修医の頃の苦い経験

筆者が研修医1 年目の頃のことですが,今だに思い出す症例があります.急性肝炎の触れ込みで近医から紹介された60 歳代の女性の方.薬物性肝障害の診断で,AST,ALT の値がそれぞれ約8,000 U/L,約6,500 U/L でした.はじめて経験するこんなに高い数値.ビクビクしながら連日肝機能検査を行い,その結果の解釈を勉強する毎日でした.入院3 日目にAST が5,000 U/L に低下し,ピークアウトしたのかと安心していたところ,指導医が形相を変えて来ました."PT(prothrombin time:プロトロンビン時間)が今日,40 %切っているじゃないか! 知っていたのか.意識レベルは?"すかさず,慌てて患者さんのところに指導医と向かうと,昨日と違い様子がおかしい.呼びかけにも反応が鈍いし,flapping(羽ばたき振戦)も出ている.これがはじめて経験した劇症肝炎の症例でした.血漿交換を含めた内科的治療でなんとか回復しましたが,PT 値の変動の速さに驚き,また検査の理解の大切さを思い知りました.

2 肝機能検査の大切さ

今回,主に研修医を対象とした肝障害についての企画依頼を受けた際に,医師になりたての頃に購入した朝倉書店の『内科学』を再度紐解いたところ,当時の検査項目と様相がいくつか異なっていることに気づきました.入院患者さんに対して,当時は必ずZTT(硫酸亜鉛混濁試験),TTT(チモール混濁試験)などの肝機能検査を行っていましたが,現在ではほとんど検査することはありません.LAP(ロイシンアミノペプチターゼ)なども同様です.一方で肝臓領域において最近注目されているのが,日本から開発された新しい肝線維化マーカーであるM2BPGi でしょう.従来は肝生検による病理学的診断により線維化の程度を把握していましたが,全く新しい糖鎖マーカーの開発により血液検査で評価することが可能となりました.また血小板数が肝線維化の程度を示すという報告は簡便さもあり衝撃でした.今後はさらに遺伝子解析技術の進歩やスクリーニング検査費用の低下も相まって,遺伝子検査が疾患の診断や治療方針の決定に必須となることが予想されます.

通常このように肝機能検査1 つを例にとっても,変遷の経過をたどることが多いなかで,本特集でも取り上げられているAST,ALT,ALP,γ- GTP の4 項目は肝機能検査のキモです.日常診察を行う際にこれらの検査項目はほぼ測定されていると思われ,検査結果の意味するところを理解しておくことは非常に重要であり,肝疾患から胆膵疾患までの幅広い病態の状態把握や治療適応の検討にも不可欠です.また他科の医師や研修医にとって,一番多く経験する肝障害例は脂肪肝などの生活習慣病や薬物性肝障害でしょう.本特集の企画の意図でもありぜひ学んでいただきたいことは,"肝障害がどのレベルになったら肝臓専門医に相談するか"を見極めることです.ひとりであれこれと悩むのではなく的確で素早い判断が必要です.基本的に肝障害は自覚症状に乏しいことが多く,自覚症状が認められる段階ではかなり病状が進行していることが多いためです.

今回の特集では,肝臓病臨床の第一線で活躍されている経験豊富な先生方に執筆していただき,診断に苦労した経験を踏まえて各項目をわかりやすく解説していただきました.よく研修医の方から"肝臓は難しい,肝臓は苦手"という声を聞きますが,読者の皆さんにとって肝障害の診かたが少しでも身近なものになれば本望です.


東京都立駒込病院 肝臓内科 部長
木村 公則

目次

特集

特集にあたって

総論:肝機能検査の基礎知識

肝疾患を疑ったとき,どの検査値に注目する?

AST・ALT・ALPの上昇からどう鑑別する?〜肝細胞障害? それとも胆汁うっ滞?

肝炎の種類はどのようなものがあるの?〜ウイルス性だけではない!

急性肝炎の肝機能検査のコツ〜危険な急性肝障害の見分け方

非飲酒者でγ-GTPのみが高い場合はどう診断する?〜NAFLD/NASHを見落としていませんか?

薬物性肝障害の診断のコツ〜ほかの肝障害とどう鑑別すればいいの?

肝線維化マーカーはどう使えばいいの?

連載

実践! 画像診断Q&A―このサインを見落とすな

痙攣で搬送された40歳代男性

乾性咳嗽,全身倦怠感を主訴とした50歳代女性

臨床検査専門医がコッソリ教える...検査のTips!

第19回 がんゲノム医療への理解を深めよう!

みんなで解決! 病棟のギモン

第31回 二次性高血圧のスクリーニング

よく使う日常治療薬の正しい使い方

小児のかぜに対する薬の正しい使い方

循環器セミナー 実況中継 The Reality of Drug Prescription

第9回 循環器関連薬剤⑨ 抗凝固薬:前編 "shared decision making"とは

呼吸器疾患へのアプローチ 臨床×画像診断力が身につく!

第4回 すりガラス影の本態を理解しよう! その多くは滲出の弱い実質病変

こんなにも面白い医学の世界 からだのトリビア教えます

第49回 シルクロード病とは?

攻める面談,守る面談

第5回 守りの面談 ② リスクを把握してトラブルを回避する

Step Beyond Resident

第179回 喘息治療Tips Part2〜喘息治療の基本って...?〜

新連載 ドクターSの診療ファイルPart2 SDHから探る,患者に隠れた健康問題とは?

第1回 SDHから考える本当の禁煙支援とは

対岸の火事、他山の石

第205回 外国人患者さんに対する診察のコツ 〜原則編〜

総合診療はおもしろい! 〜若手医師・学生による活動レポート

第61回 「日本のプライマリ・ケアの再出発」のために若手家庭医ができることは? 〜第9回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会で感じたこと〜

特別掲載

若手医師がみた西日本豪雨災害,そして支援の現場

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書籍情報

  • ISBN:9784758116145
  • ページ数:170頁
  • 書籍発行日:2018年9月
  • 電子版発売日:2018年9月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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