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- 年齢・体重ですぐわかる!小児の治療薬の選び方と使い方
商品情報
内容
電子書籍版では、収録薬剤名からお持ちの今日の治療薬へのリンク参照など便利な機能も搭載し、より立体的にご参照いただけます。
序文
監修の序
小児医療は疾患の多様性や年齢に応じた異なった対応の求められる複雑な領域である.子どもの成長や発達は人類に大きな夢をもたらすものであり,それにかかわろうとする医療者にとって避けて通れない複雑さでもある.
昨今の医師不足や国民医療費の抑制策は各所で医療崩壊を招き,小児医療もその大きな流れに飲み込まれる寸前にあった.それを踏み留まらせているのは子どもの命の大切さに思いを寄せる医師や患者家族,そして国民の良心に他ならない.医学教育のなかで「愛」の大切さを高らかに唱えることができるのはまずもって小児科学であることがこの分野の特性を物語っている.
本書は小児に投薬する可能性のあるすべての医師ならびに小児科研修医,専門医を対象として編纂されている.多様な読者層を意識して,処方量や重要な情報をわかりやすく提供するとともにそれに付随する情報や根拠も各所にちりばめられている.基礎編,薬剤編,症候編の3部構成になっている所も他書にない特徴といえるであろう.小児科学会専門医資格取得のための改訂版到達目標なども参考に編纂されており,小児科専門医をめざす若手小児科医のみならず小児に投薬する可能性のある臨床医にとって必携のハンドブックとしても大いに役立つであろうと考えている.
2011年 7月 吉日
東京医科歯科大学医学部附属病院小児科
水谷 修紀
編集の序
このたび羊土社から,“小児の治療薬”に関する実用的な解説書編集の依頼をいただいた.小児の治療薬は,対象患児の年齢,体重や疾患重症度などにより投与量が異なり,成人のように1錠または1アンプルが1回の使用分になっているわけではない.しかも小児にとってはオフラベル(適応外使用)の治療薬が非常に多く,どこまでどのように投与してよいのか悩まされることが多い.さらに小児医療は数年前から崩壊の危機にさらされており,こどもたちの両親が望んでいる24 時間体制の専門的小児診療の供与は,日本全国いたるところで破綻をきたしているのが現状である.
以上のような現在の日本の小児医療体制のなかでは,専門医と一般医の相互連携や地域連携がいかに重要かは言うまでもないが,実際的には小児科専門医以外の医師の皆さんにも,適切な“小児の治療薬”を理解していただき,そして臨床現場でそれを活かしていただくことが望まれている.またそのために以前よりわかりやすい“小児の治療薬”の本が待ち望まれてきたわけであり,本書はそのようなニーズに応えられるよう,構成には最大限の注意を払い,ポイントをついた解説書として編集できたことに満足している.
本書は,小児科専門医以外の皆さんのみならず,小児科専門医を志す若手医師や,将来の定まっていない初期研修医の皆さんにも大いに活用していただくために,1つ1つの薬の薬の解説を充実させ,実践的な内容となっている.薬剤編では,治療薬の薬用量を一目でわかるよう,統一した表形式で各項の最初に掲載した.続いて実際の投薬に際して,薬剤の特徴,作用機転や副作用なども掲載し,より実用的に編集した.症候編では疾患の病態生理の理解を深めることを第一に,そしてより実用的なものになるよう症例を提示しながら薬剤の使用法に関して詳細に解説した.
薬の開発や新薬の登場は,将来的にも大いに期待されることであり,小児への適応薬剤が増えていくものと期待するところである.本書の完成は1つの始まりにすぎず,今後大きく変貌してゆくであろう小児医療の変化に対して,迅速に対応しながら,読者の皆さんの最高の座右の書として在り続けられるよう,今後も努力を重ねていきたいと考えている.
2011年 7月 吉日
東京医科歯科大学大学院
小児・周産期地域医療学
土井 庄三郎
目次
Ⅰ.基礎編
1.小児疾患の治療薬 【水谷修紀】
2.小児と成人での治療薬のちがい 【土井庄三郎】
3.飲ませ方の注意点とポイント 【安部絢子】
4.処方のコツ 【土井庄三郎】
5.両親への薬の説明 【土井庄三郎】
Ⅱ.薬剤編
1 呼吸器疾患
1.鎮咳去痰薬 【中谷夏織/大柴晃洋】
2.気管支喘息治療薬 【大柴晃洋】
3.抗結核薬,抗非結核性抗酸菌薬 【三宅修司】
2 消化器疾患
1.駆虫薬 【磯田健志/高木正稔】
2.健胃消化薬 【磯田健志/高木正稔】
3.止痢・整腸薬 【大川哲平/高木正稔】
4.下剤,浣腸薬 【大川哲平/高木正稔】
5.鎮吐薬 【青木由貴/高木正稔】
6.消化性潰瘍薬 【青木由貴/高木正稔】
7.肝胆膵疾患用薬 【高木正稔】
3 免疫・アレルギー疾患
1.抗アレルギー薬 【大柴晃洋】
2.リウマチ・膠原病薬 【満生紀子/森尾友宏】
3.免疫抑制薬 【満生紀子/森尾友宏】
4.γグロブリン 【森尾友宏】
4 血液・腫瘍疾患
1.抗腫瘍薬 【富澤大輔/長澤正之】
2.抗血栓薬(抗血小板薬/抗凝固薬) 【梶原道子】
3.止血薬 【梶原道子】
4.造血薬 【梶原道子】
5 循環器疾患
1.強心薬 【佐々木章人】
2.抗不整脈薬 【泉田直己】
3.昇圧薬 【佐々木章人】
4.降圧薬,血管拡張薬 【佐々木章人】
5.利尿薬 【西山光則】
6.救急蘇生薬 【土井庄三郎】
6 腎・電解質疾患
1.輸液用電解質液 【田中絵里子】
2.経口用電解質液(ORS) 【田中絵里子】
3.腹膜透析液 【田中絵里子】
7 内分泌・栄養・代謝疾患
1.ホルモン薬 【小野 真】
2.インスリン製剤,経口血糖降下薬 【宮井健太郎】
3.解毒薬,代謝系薬(高尿酸血症薬,脂質異常症薬,アルカリ化療法薬など) 【大西寿和】
4.ビタミン 【元吉八重子】
5.高カロリー輸液 【元吉八重子】
6.特殊ミルク 【元吉八重子】
8 精神・神経疾患
1.抗てんかん薬 【佐久間 啓/荒木 聡】
2.自律神経薬 【荒木 聡】
3.中枢神経刺激薬,抗うつ薬 【柴田光規/荒木 聡】
4.向精神薬 【柴田光規/荒木 聡】
5.脳循環・代謝改善薬 【荒木 聡】
9 消炎・鎮痛,麻酔薬,疼痛緩和
1.鎮静催眠薬 【内田篤治郎】
2.鎮痛薬,麻薬 【牧野 史/内田篤治郎】
3.麻酔薬 【牧野 史/内田篤治郎】
4.筋弛緩薬 【内田篤治郎】
10 新生児
新生児の薬 【森丘千夏子/西田俊彦】
11 耳鼻咽喉・眼・皮膚疾患
1.耳鼻咽喉科用薬 【杉本太郎】
2.眼科用薬 【田中明子】
3.皮膚疾患薬 【高山かおる】
12 診断用薬
1.造影剤 【久保田一徳】
2.負荷試験用薬 【小野 真】
13 諸科にわたって使用される薬剤
1.抗菌薬 【遠藤明史/菅原祐之/小野敏明/長澤正之】
2.抗ウイルス薬 【長澤正之】
3.抗真菌薬 【満生紀子/森尾友宏】
4.抗ヒスタミン薬 【西田俊彦】
5.抗炎症薬(ステロイド,非ステロイド) 【西田俊彦】
6.解熱薬 【杉江 学】
7.トローチなど口腔用薬 【田代 良/西田俊彦】
8.坐 剤 【杉江 学】
9.外用薬(軟膏,クリーム,ローション) 【矢野智之】
10.漢方薬 【別府正志】
11.ワクチン 【野々山恵章】
Ⅲ.症候編
1.発 熱 【長澤正之】
2.咳 【中谷夏織/大柴晃洋】
3.鼻汁,鼻閉 【中谷夏織/大柴晃洋】
4.喘鳴,呼吸困難 【大柴晃洋】
5.下痢症 【磯田健志/高木正稔】
6.嘔 吐 【大川哲平/高木正稔】
7.腹 痛 【青木由貴/高木正稔】
8.血 便 【高木正稔】
9.便 秘 【高木正稔】
10.夜 尿 【大西寿和】
11.発 疹 【満生紀子/森尾友宏】
12.黄 疸 【滝 敦子/西田俊彦】
13.頭 痛 【杉江 学】
14.ショック 【土井庄三郎】
15.意識障害 【荒木 聡】
16.けいれん 【荒木 聡】
17.頻尿,排尿時痛 【大森多恵】
18.血尿,蛋白尿 【大森多恵】
19.浮 腫 【大森多恵】
20.結膜充血 【梶原道子】
21.貧 血 【梶原道子】
22.耳 痛 【杉本太郎】
23.胸 痛 【西山光則】
24.不整脈,頻脈,徐脈 【泉田直己】
25.関節痛,四肢痛 【神野哲也】
26.肥 満 【宮井健太郎】
27.低身長 【小野 真】
Column
適応外薬・未承認薬の問題 【中村秀文】
後発医薬品(ジェネリック医薬品) 【中村秀文】
輸血用血液製剤の安全対策はどこまで進んでいるか 【梶原道子】
ワクチンの同時接種について 【野々山恵章】
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書籍情報
- ISBN:9784758117104
- ページ数:463頁
- 書籍発行日:2011年9月
- 電子版発売日:2012年8月4日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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