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- 自信がもてる!せん妄診療はじめの一歩
商品情報
内容
●せん妄の診断・治療・予防が基本からわかる!
●ケーススタディで実践的な対処法も身につく!
総合病院で最も多く認められる精神科の病態のせん妄。その背景となる身体疾患から、診断、治療の組み立て、評価まで、身体治療と精神科治療の両面にわたり解説されています。
序文
序
高齢者の急増に伴い,総合病院でも高齢入院患者の診療にあたるケースが増えています.そのためせん妄への対応に戸惑う医療従事者の方から相談を受ける機会が増えてきました.
せん妄は,入院患者の20%に合併するほど一般的にみられる,総合病院で最も多く認められる精神科の病態です.背景に身体疾患があり,身体治療と精神科治療の両面が必要になるのですが,身体治療の必要性が十分に認識されていなかったり,適切な向精神薬の選択方法が知られていないために,せん妄が重篤化し,結果として身体治療も行えなくなるケースがあります.今後,在院日数の短縮と在宅復帰率の向上が求められるなか,的確なせん妄への対応方法はますます重要になりますが,ともするとせん妄に関する情報は認知症と混同され,抗精神病薬の投与にとどまったり,逆に看護ケアだけに留まり,系統立てて知る機会が非常に少ないのが現状です.
私は,緩和ケアに関する研修会や,コンサルテーション・リエゾン精神科に関する活動を通して,せん妄への対応について解説をする機会をいただいています.そのなかで,せん妄に関して系統立てて聞く機会が少ないこと,特に診断について触れる機会がないとの意見をいただいてきました.
そこで,今回せん妄について,その背景となる身体疾患から診断,治療の組み立て,評価まで,身体治療と精神科治療の両面にわたり解説をする機会をいただき,本書を執筆することとなりました.特に,総合病院で病棟担当医として第一線を担う内科・外科の研修医・レジデントの先生を意識し,全身評価と身体治療と精神科治療の連携を丁寧に説明することを心掛けました.本書が患者さんと先生方の安心につながることを願っています.また,本書の執筆を強く勧めてくださいました羊土社の保坂早苗さん,そして本当に丁寧に編集をしてくださいました鈴木美奈子さんに篤く御礼申し上げます.お二人のお力なくして本書はできませんでした.
2014年9月
国立がん研究センター東病院 精神腫瘍科
小川朝生
目次
第1章 せん妄の基本を学ぼう
1. せん妄の基本
2. 典型的な症状と問題点
第2章 せん妄を見極めよう
1. 症状のみかた
2. 症状別発現頻度と分類
3. 診断基準や評価ツール
4. せん妄と認知症の違い
5. せん妄の原因同定と治療
6. 臨床的な観察ポイント
第3章 抗精神病薬に詳しくなろう
1. 薬物療法を検討する前に
2. 抗精神病薬の基本事項
3. 主な薬剤の特徴と使い方
4. 抗精神病薬の副作用
5. その他の薬剤
第4章 せん妄への基本的な対応を学ぼう 〜予防と治療
1. 基本的な戦略
2. 予防的な取り組み
3. 定期的なモニタリングの実施
4. せん妄を発症したら
5. 薬物療法の必要性判断・組み立て
6. 薬物療法の実際
7. 家族への支援
8. せん妄症状の継続的なモニタリング
9. 実際の介入例
第5章 終末期のせん妄とは?
1. がん終末期のせん妄の評価
2. 終末期のせん妄の治療
第6章 せん妄ケーススタディ 〜こんな時どうする?
1. 術後にせん妄を発症するリスクの高い患者
2. 睡眠導入薬を内服している患者
3. 術後せん妄:ルート抜去をした患者
4. 家に帰るといって指示を聞かない
5. 興奮する患者
6. セレネ-ス®が効かない
7. 寝てくれない
8. 抗精神病薬を使ったらせん妄が悪化してしまった
9. 過鎮静?
10. 循環器系の合併症をもっている患者
11. 呼吸器系の合併症をもっている患者
12. 糖尿病をもっていて非定型抗精神病薬が使いにくい場合
13. 昼夜逆転? 抗精神病薬の持ち越し?
14. 日中なかなか起きない
15. 抗精神病薬を中止するとせん妄がぶり返してしまう
16. 薬剤性パーキンソン症状が出てしまった
17. せん妄の悪化? アカシジア?
18. 患者にどのように説明するか
19. 在宅でせん妄の治療をする 〜家で内服を進めるためには
20. 鎮静がさめてしまう
21. 抑制が必要?
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書籍情報
- ISBN:9784758117586
- ページ数:191頁
- 書籍発行日:2014年10月
- 電子版発売日:2015年12月4日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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