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- 排尿障害で患者さんが困っていませんか?
商品情報
内容
「おしっこが出にくくなった」「おしっこが残っている感じがする」など、プライマリケアの現場で遭遇する様々な排尿の悩みの正しい診方について解説。診察、検査、鑑別の仕方・考え方、治療薬や治療法の適切な選択や注意点を専門医がまとめています。
序文
プライマリー・ケア医は排尿障害の診療にどう向き合うか?
排尿障害というのは、正常な排尿ができない状態全般を示す用語です。頻尿、尿失禁などの尿が必要以上に出てしまう状態のほか、逆に排尿がスムーズにできない状態(排尿困難や尿閉)なども含んでいます。よって、一概に排尿障害と言ってもいろんな異常が考えられます。しかし、患者さんの症状がどれほど複雑で多岐にわたるものであっても、その原因は患者さんの訴えから大きく2つに分かれます。一つが排尿の異常で、回数、出にくさに着目して問診します。もう一つが蓄尿の異常であり、我慢が効かない、漏れる、尿意がない、などに分けて考えることが大事です。また、症状から診断できるものが多いとはいえ、最低限の検査なしでは適切な治療法には至りません。
本書は、排尿に関するメカニズムなどは他書に譲り、あくまでも症状から最低限の検査で、患者さんに少しでも適切な薬剤や治療法が選択されるような、手引書を目指しました。実際に臨床で行っている経験を基にしているので、多少の癖などはあるかもしれませんし、最良の方法ではないかもしれません。しかし、決して最悪の治療法やご法度破りとか禁忌といった、「何でそんなことやったの?」と言われるような方法は紹介していません。後から後悔しない治療法を紹介しようと考えました。
在宅医療の普及で、プライマリ・ケア医が排尿に関するトラブルに対処しなければいけないケースも増えてきましたので、カテーテル管理やオムツの選択などにも、かなりの紙面を割きました。実地に役立つ手引書を目指した結果です。
排尿障害診療の「はじめの一歩」として本書を読んでいただき、さらに詳しい情報が必要なときには、参考文献としてあげた書籍やウェブサイトを利用して、知識を深めていただければ幸いです。
私のクリニックのある静岡市には、徳川家康が晩年を過ごした駿府城があります。世間では図のように、徳川家康はいいとこ取り...のように言われています。しかし静岡市の人々には、大変な苦労を重ねて報われた偉人として尊敬されています。
本書を読んで、専門の泌尿器科医から、「薬だけ出す○○...」と言われないようになってほしいと切に祈る次第です。
2016年7月
影山 慎二
目次
付録:排尿障害に対する治療薬一覧
付録:症状・疾患・キーワード 索引
第1章 尿の回数が多い(頻尿)への対処
1 診察の基本
2 その膿尿の診断、ホント? コンタミネーションの予防
3 どれくらいから頻尿?
4 どうなったら薬を処方するか?
5 尿失禁の分類と治療法 腹圧性か切迫性かを見極める
6 「まずは、残尿測定」のおかげで見つかった鑑別診断
7 薬を出す前に試してみたいこと
8 尿失禁を予防、改善するトレーニング
9 薬の使い分けと注意点
A 抗コリン薬とβ3刺激薬の作用機序
B 過活動膀胱治療薬の使い分け
C 「とりあえず、抗コリン薬」が招く、恐ろしい結末とは...
D 治療でどれくらい改善する? 患者にも伝わる指標
E 上手に薬の副作用を説明するコツは? 治療満足度、継続率を上げるために
F オススメの漢方は?
10 抗コリン薬を使っても、効果がなかったら
A 薬を変える?
B 間質性膀胱炎かも...
C 生理前なのかも...
11 健康食品は本当に効くのか?患者さんにきちんと説明できますか?
第2章 尿が出ない、出にくい(尿閉)への対処
1 尿が全く出なくなる状態「尿閉」の症状と原因および分類
2 尿閉を起こしやすい疾患
3 尿閉を起こしやすい薬剤
4 尿閉の鑑別疾患
A 前立腺肥大症の診断と治療
B 低活動膀胱の病因と診断、およびその治療
C 性器脱の診断と治療 高齢女性の過活動膀胱をみたら性器脱を疑え!
第3章 排尿管理のコツと注意点
1 尿道カテーテル
A 入れるかどうかの判断 長期尿道カテーテル留置は、悪女の深情け?
B 男性へのカテーテル挿入のやり方 カテ挿入はストッキングを履かせるイメージで
C 詰まらないようにする工夫 感染対策が重要
D 尿道カテーテルを抜くタイミング 抜くは一時の苦労、抜かぬは一生の苦労
E 尿道留置カテーテルを留置したら、尿路感染は必発と思え
F カテーテルトラブルとその対処
2 自己導尿は、こんな人にお勧め
3 残尿・排尿量測定器のいろいろ
4 排尿日誌をつけてもらうコツ
5 おむつの選び方
6 認知症患者の排尿管理
7 排尿障害に詳しい泌尿器科医の見分けかた 細分化していく専門性
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書籍情報
- ISBN:9784758117944
- ページ数:183頁
- 書籍発行日:2016年8月
- 電子版発売日:2018年2月2日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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